動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

著者 :
  • 木楽舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863240124

感想・レビュー・書評

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  • 【要約】


    【ノート】
    ・正剛さんが鳩山首相に推薦

  • 半年前の自分と今の自分。見た目を比べてみてた場合、ほとんど差はない。これが「平衡」の意味。ところが、分子レベルのミクロな眼で見た場合、まったく別物である。これが「動的」の意味。つまり、本題「動的平衡」とは、「マクロ的同一性とミクロ的異質性」を表し、これこそが、生命の本質である、というのが本書の大命題である。 鴨長明曰く「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」。福田伸一曰く「生命の本質は、動的平衡」。見事に同相をなすこの二つのフレーズは、時代の流れとともに、それを作り出す生命自体を現す古くて新しい絶対的真理。 本書の中で、この真理と、これに到達する帰納的考察、これより導き出される演繹的事実が、科学者とは思えない筆力で見事に表現される。実にすばらしい作品である。

  • サイエンス

  • 動的平衡」とは、細胞や組織を個々の機能を持つ交換可能なパーツとしてではなく、合成と分解が絶え間なく繰り返される「流れ」として捉える考え方。新たに組織を作り出すES細胞やiPS細胞の技術を割りと批判的に解説している。

  • 非常に興味深く読んだ.年を取ると1年が早く過ぎるのはなぜか?空耳同様に空目もある.自分で見ている「事実」と感じていること自体,脳の「バイアス」の上の成り立っているなどは,非常に納得感があった.ある程度理系的素養がないと難しいかも.

  • 33:福岡さんの動的平衡の話、すごい好き。というか、しっくりくる。こういう創作世界を作りたくて(創作世界ではもっとファンタジー要素が入るけども)、でも実際こんなふうになってたとは! みたいな驚きがあったなぁ。
    福岡さんの本、揃えたい……。

  • 大学では経済学部に入学したのに一番影響を受けたのは生物学だった。温和な老教授の講義で楽に単位が取れるから受講者が多く教室は私語で五月蝿く内容もレジュメを淡々と読むものだったが、題材が生命とは何かということで、動的平衡という言葉がキーワードだった。
    動的平衡の意味を知りこれだと思ったらあとは早かった。生命は分子の「淀み」であり、生命も「環境」であり、全ては相互作用が時間次元で移りゆくことそれ自体の「効果」を指すのだということは一気に連想されたし、理解できた。
    しかしその大元の本書は未読だった。存在を知りつつ10年近く経過してやっと読んでみると、なんだか思ってたよりライトな読み物だ。安易な考え方に陥らないように、と言いつつわりと明確な根拠がないスピリチュアルな、あるいはナイーブな想いの吐露が見受けられる。
    どちらかというと、「アンチ◯◯」に与しそうなタイプの文章だ。なんというか、もうすこし冷静な感じの文章の方が好みだ。
    本書の結びでは、生命は動的平衡である、ゆえに科学の不可能性が明らかになるとするが、個人的には動的平衡という捉え方を得たのだから、まだそれを観測し干渉するだけの科学的フロンティアはあるのではないかという楽観的な考えを持っている。

  • なぜ大人になると時間が早く過ぎるようになるのか
    タンパク質の代謝回転が遅くなり、その結果、1年の感じ方は徐々になくなっていく。
    実際の時間の経過に、自分の生命の回転速度がついていけていない。そういうことなのである。

    情報伝達物質、(生後の)神経回路網の刈り取り、錯覚

    なぜ学ぶことが必要か
    私たちを規定する生物学的制約から自由になるために、私たちは学ぶのだ

  • 生命とは、動的な平衡状態にあるシステムである。
    日々壊され、再構築されるが少しずつ変化している。

    生命と自然の循環。それを表現したのが渦。
    読んでいて、穏やかや気持ちになった。

  • 生物はつねに入れ替わっている
    それが平衡(へいこう)状態

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著者プロフィール

福岡伸一 (ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授。2013年4月よりロックフェラー大学客員教授としてNYに赴任。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)ほか、「生命とは何か」をわかりやすく解説した著書多数。ほかに『できそこないの男たち』(光文社新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、『せいめいのはなし』(新潮社)、『ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで』(文藝春秋)、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー)、『生命の逆襲』(朝日新聞出版)など。

「2019年 『フェルメール 隠された次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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