モンキー ビジネス 2008 Fall vol.3 サリンジャー号
- ヴィレッジブックス (2008年10月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863320901
感想・レビュー・書評
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サリンジャーが好きな私は登場人物を楽しめました。
みなやっぱりどこか子供らしく無垢で、苦しんでる。
特に、エスキモーとの戦争前夜とテディが好きです。
宗教に関することが書いてあるなとも思いました。 -
この本では「コネチカットのアンクル・ウィギリー」でしおり発見。当時の私はどうしてもこの訳仕方がいやだったのだなぁ…と思いました。
あんまり衝撃受けなかったのは初読ではないせいか、心が汚れてしまったのか…。
ちなみにナイン・ストーリーズで好きなのはバナナフィッシュとテディです。 -
サリンジャーの本って、すごく好き!って訳ではないけれど、なんだか気になってしまう。
疑問は山ほど出てくるし、話になってんだかなってないんだかな所もあるし特別魅力的な登場人物もいないのですが、なんだか気になってしまう。
世界的に注目を集めてる作家だからというのもあるでしょうね。コンスタントに作品を発表さえしていれば、確実にノーベル文学賞を取れたでしょうに。
柴田訳と野崎訳、交互に読み比べては見ましたがそれほど大差ないな~というのが感想です。
どっちがより直訳に近いというのも無くて、二つとも読んでようやく分かりにくいところが埋められるような感じ。
ハードカバー版はなくてモンキービジネスの装丁で手に入れられて満足。
10.06.28 -
バイト先の本屋でモンキービジネスは目にしていたんだけど、この号は柴田さん全編新訳って書いてあったから買ってみた。読んですぐは「わけわかんない!」と思ってしばらく放っておいてしまったけど…読んでみると面白かった。「エズメに――愛と悲惨をこめて」がいちばんすき、「笑い男」「ディンギーで」もすき。
さぞうつくしい女性に育ったんだろうな、と思う。エズメ。 -
新潮文庫の野崎訳から立て続けに読む。よって、翻訳について、考える。海外文学を「翻訳」というフィルターを通して読むことが自分にとっては当たり前なので、より「翻訳」っぽい野崎訳のほうが好きなのかな、とも考えるがほんとうのところはどうなのかな。
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大好きな雑誌、大好きなサリンジャー。
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どの作品もだしぬけに不親切に始まり、読者を心細い傍観者にさせる。最初の2,3ページくらいゆきつもどりつでさっぱり進まないのだが、ある地点を超えるとがぜん、物語と自分の理解力のスピードがしっくりかみ合う。それがきっちり9回繰り返された。最初こそちょっともどかしかったけれど、本が終わりに近づくにつれて、あかの他人と親しくなる時の、あの好ましい疲労感と、別れがたい気持ちになった。
なんたって「笑い男」の颯爽たるダークヒーローぶりには、コマンチの少年同様にほれぼれさせられる。「エズメにーー愛と悲惨をこめて」では、からからに乾ききり、氷点下まで冷え切った悲惨が、どくんという脈動とともに愛に変わる奇跡を見せつけられる。そして美しくいたましい「テディ」。適度に翻訳ブンガクらしい噛み応えを残した文体が、10歳の少年の清潔な口語にぴったりだ。
これ以上持ち物を増やさないために、読んだ小説は端から手放そうと決めていたけど、これは別枠かな。 -
柴田元幸訳の妙技。
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サリンジャーは野崎訳が至高だと思ってたけど、柴田訳も良い! 人間の抱えるやさしさ、孤独、そして狂気が、ちょっとした描写や行間にまで詰まっている。思い出したときに読み返したくなる名作ですが、油断していると呑み込まれます。