- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784870314696
感想・レビュー・書評
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流行を引き起こすものはなにか?
著者は3つの法則を挙げる:少数者、粘り、背景の力
そして、ティッピング・ポイント(本著原題)を超えるとき・・・
<感染的に> <小さな原因が大きな結果をもたらし> <変化が劇的に生じる>
のだという。
そう、だから本書の邦題(2度目の出版らしいが)はあまり正しくない。
口コミは重要だが、著者のいう全てではないし。
本書に限らず、どうして邦題はイマイチ外してしまうのか、というと、それは出版社の思う「商業的理由」に基づくのだろう。といっても、この理由も根拠が明白だとはとても思えないけれど(狙ってヒットを飛ばす能力があるなら、出版社づとめを止めてもっと稼げる仕事に移ったほうがいい・笑)。
と、話が大きく逸れたが・・・。
本書はとても面白いし、頷ける。
ほかのレビュアーさんが書かれているように「後付け」の主張であることは間違いない(法則系のビジネス書はそういうのが多い)。
ただし、それでもなお、具体的な事例の豊富さとそれらを「科学的に解き明かそうという視点」の現実味が秀逸である。だから私は、筆者の主張に普遍性があると感じられる。
p.267で、ジェフリー・ムーアのキャズム理論が引用されている(同意するかたちで)。
たしかに、新商品(新技術)が爆発的に普及するか否かの境目を解き明かすという意味で、ムーアの話と本書は共通点が多い。
ただし、決定的に違う点もあると思われる。本書はかならずしもビジネスを主題に掲げたわけではなく、したがってユーザーの受けるベネフィット/コストというものについてはほとんど触れられていない。
だから本書は物足りない、というつもりは毛頭ない。むしろユーザーの支払うコストを(ある程度)度外視してOKなビジネスがあるならば、その戦略の立案と実行に本書の考え方は大きく役立つと思うのである。
1つは「金に糸目をつけないレベル」。超高級消費である。「爆発的」というのがどこまでを指すかはこの場合難しくはなるが。
あとは「心の充足」。コストを越えて納得できるサービスが受けられることにこだわったビジネスなど。
さらには「無料経済」。クリス・アンダーセンの「FREE」で語られるソレである。
もちろん、私がここで挙げたものは実際の例が伴ってないけれど、考えてみたら面白いのではないかと個人的には思っている。
目次を整理してくれているわかりやすいレビューはこちら
http://tnaru.main.jp/tnaru/archives/113詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
爆発的に売れるには訳がある。
わかりやすいたとえ話で、さっと読めた。
ビジネススクールの先生や友達が薦めるのが
うなずけた。 -
結構、空想論っぽいところがあるような。
仕組み自体はわかってもじゃあそれが活用できるのか?
というとそれもまた微妙と言うか…。
興味深い本だとは思います。