<新装版>片想いさん

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  • WAVE出版
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感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872902488

感想・レビュー・書評

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  • タイトルとかわいい表紙に惹かれて手に取ったのだけど、内容もかわいいのだけど、同じ片思いさんの自分としては結構へヴィーでした。笑
    読みようによってはヘヴィーだけど恋に落ちる度に読みたくなる。1時間くらいあればさらっと読めてしまう読みやすい文章。

    やっぱり本とか映画とかに影響されているのか、幻想を抱きがちなんだと思う、片思いさんは。漫画とか映画に憧れて、別に現実も分かっているけど、うまく振る舞えないんだよなー。なーんつってわたしだけかな。

    坂崎さんのレシピはどれも試してみたいと思えるほどおいしそう。お料理が好きで、イラストもかわいくて、人間性も出ていて、家族も友人も大切にする、こんなすてきな方を選ばない男共がよくわからないほどに私にとっては魅力的なんだけどな!同性だからこう思うのかな。

    印象に残ったことば達
    『猫みたいな女の子になりたいと思いながら、わたしはちっとも猫みたいではなかった。うじうじと片思いを続けていた。自分に自信がないくせにプライドだけは高くて、好きな人に甘えてみて、はねのけられたときに受けるショックには、耐えられそうにないと思った。だから片思いの世界に閉じこもっていた。ちっともしなやかじゃない。ちっとも自由じゃない。カンちゃんのような強さがほしかった。失うことも、傷付くことも怖れない強さ。』

    失うことも傷付くことも怖れないのが自由で強さかー。たしかに持ってないな。なんかでもそれを身につけたら麻痺しそうな気も。何が痛いことか分かんなくなりそうな気も。痛みを感じなくなる強さはいらないかなあ、わたしは。

    『「本当に好きなら、相手の声を毎日聞きたいと思うんじゃない?彼は忙しいからって言うけど、メールなんて電車を待つあいだの空き時間でも書けるはずだよね。彼はわたしのこと、本当はそんなに好きじゃないのかも」
    「そうだよね。好きなら連絡くれるよね。うーん、その人ちょっとあやしいよ。他に女がいるのかも」以前はこういう感じで会話が続いていた。
    「そうじゃないかもしれない。あなたのことが好きじゃないのではなくて、忙しくて、疲れてしまって、心が摩耗してなにも感じられなくなっているのかもしれない」』

    忙しいときに最後の部分を読んで、そうそうそうなんだよーーーって思ったのと、暇なときに読んで相手がそうだったらいいなーと思ってちょっとだけ救われた。
    時間は寝なければ作れるけど、自分の精神状態は自分じゃどうにもならないときがあって、そういうときこそ頼りたいし頼ってほしいけど。

    恋愛において生きにくいってほどじゃないけど順応できない人は読んだらちょっとだけ安心するかも。

  • とってもやさしい気持ちになります。

    忘れちゃいけないなぁ、こんな気持ち。

  • 初めて手に取ったのは5年前。
    青山ブックセンターで見つけた。
    本の帯に書かれている言葉に反応して。
    「この本を気に入る人はきっと…本が好き。自意識過剰気味で、妄想しがち。イヤな事は眠って忘れる、勇気は意外とある。
    仕事を愛している。恋は…」
    この、最後の…の後に続く言葉は人それぞれでしょう。
    このコピーにピンときた方に、この本をお薦めします。
    きっと何歳になってもこの本は宝物だと思う。

  • suicaのペンギンさんや、チーバーくんの作者のエッセイ。好きな本も紹介されていて坂崎さんの世界観が浮き上がる。
    作品を作る時に、だれか特定の人に手紙を出すように
    向かわれていること。自分の気持ちを外に出せなくて苦しんだ時期。
    優しい雨に打たれるような、そんな読後感でした。

  • かわいくて、せつない、エッセイ集。こういう時期もあったな。。

  • 久々にいい本だった。
    あぁ~、なんかいいな~ぁ。
    泣けたやぁ~。
    よかったぁ~。

  • 装丁が可愛くて、だいぶ前に買いました。
    中はせつないです、せつなすぎてびっくりします。
    でもなんだかちょっと気持ちがわからんでもない部分もあったり、
    自分に重なってちょっとイラッとしたり笑
    人事ながら坂崎さんのその後が気になってしまいます。

  • イラストはもちろん、文章も素敵。

    共感する感覚や出来事が多くて、
    うんうん、わかるって、
    ニコニコしてしまう。
    時々読み返す、そして読むたびにあったかい気持ちになる、
    大切な本です。

  • 2006.07.02

    著者の坂崎さんは、Suicaペンギンの生みの親です!
    楽天ブックスのレビューを読んで、もう本当に読みたくてたまらなくなって、即買いました。

    特に買う決め手になったのは、副編集長の稲子さんのレビューのこの部分。

    好きなのは新装版で追加になった『サーチライト』の章。『博士の愛した数式』の、記憶が80分しかもたない“博士”“私”のあいだに流れる温かいもの。
    「記憶にはなくても、魂は覚えているのかもしれない」と坂崎さんは書く。
    「きっと本当に大事なのは、大切な人の記憶を取っておくことではなくて、今、そばにいる大切な人に『わたしはあなたを大切に思っている』と、伝えていくことなんだ」。
    本当に、本当にそう思う。

    「サーチライト」のほか、LやVの章でもほろりと来ました。家族をとても恋しく思った。

  • 2009/12/10 絵がかわいくて、ブックレビューとレシピがあると手元に置きたくなる。文庫で出たら買いたい

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著者プロフィール

絵・坂崎千春/千葉県生まれ。絵本作家・イラストレーター。東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。ステーショナリーメーカー制作室のデザイナーを経て、1998年よりフリーのイラストレーター・絵本作家として活動を始める。2001年、JR東日本のICカード「Suicaのペンギン」のキャラクターデザインをきっかけに、さまざまな企業や団体のキャラクター制作を手がける。また、絵本作家として40冊を超える作品を出版。エッセイの執筆、単行本や雑誌の装画、挿絵なども数多く手がける。

「2022年 『深谷式 中学生 漢字学習ノート 2級』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坂崎千春の作品

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