- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784872905526
作品紹介・あらすじ
精神科医がサポートする濃い女子会。産むことについて、子育てについて、本音で語りあう。3・11後、いま、命の話、母の話。
感想・レビュー・書評
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濃いキャラの著名人の雑談形式。
斎藤学さんの話はとても参考になりました。
メールやTwitterが発達して、口で言えないようなことも、文章にして発信できるようになった。
母・家族の多様化 -
ほんわかした表紙もあいまって、
「お母さん」ではなくて「私」として生きよう!みたいな、そういう本かと思っていたが
けっこう個人の暗部に切り込んだ対談の本だった。
人格や性格、依存の根本は実は幼少期の家庭にあるという話、ものすごく怖いけどたしかにそういうところはあるなあ。
私には考えも及ばないような家庭環境に置かれた患者さんも出てくる中、精神科医の先生がまるごと受け止めてくれる。
まず話を受け入れる、許容する。
根本的解決というよりは心の持ちようを助言してくれるようなお話の仕方にホッとした。
私も母との距離感に悩むこともあり、でもそれを無理やりどうにかしなくてもいいのかと思った。
「アルコール依存症の患者です、18歳の息子がなかなか自立しなくて…」
という悩みに対しての斉藤先生の言葉がとってもよかった。
「あなたの息子さんは、あなたがアルコール依存の道を通って、違う人物に変わっていく、という変容をそばで見ることができる。他の立派なお母さんの子どもよりも、いろんなものが与えられると思います。
人間であればこそ、生きているからこそ悩める。
あなたはそれを、「アルコール依存」なんてくだらない問題に表現しちゃってる。しらふになると、もっと直に「生きてることがつらい」って感じがしますでしょ。その「きつい」って感じが、実は生きてることの喜びそのものでしょ。それを、子どもと共有するんですよ。」
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前半のよしもとばなな氏と斎藤学氏の対談がおもしろかった。男の子を育てて男性への理解が深まった話に共感。私もどちらかというと下町的な綺麗ばかりじゃない環境で育ったので、ばななさんの感覚がなんとなく分かる。
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生育歴が複雑な作家さんたちと精神科医の斉藤学先生の対談本。
会話形式なのでさらっと読めるが内容は濃い。
アディクションやDVなどアダルトチルドレンの当事者も多く、「普通」の人が登場しない。
最後の質疑応答の返しが参考になった。
精神科の診察で、あんなユーモラスで個性的な会話が出来るなんて。
私は今、特に持病はないけれど、もし精神的に不安定になることがあれば斎藤先生の診察を受けたいなぁー、と。それほど有意義な時間が過ごせそうだ。 -
よしもとばななと精神科医:斉藤学の対談と、内田春菊・中村うさぎ・倉田真由美と齋藤学のメンバーで行ったフォーラムの2本立ての本。
フォーラムの方にもよしもとばななはいるのかと思っていたけれど、いなかった…。よしもとばななと内田春菊は仲がいいはずなので、いると思っていた。
でも、どちらにしても、再読することは無いだろうな…という内容。
一カ所だけ面白かったのは、男性の車いすを押すパートナーより、女性の車いすを押すパートナーの方が多いんじゃないか?という視点。
なにかにつながりそうなので、メモしておく。 -
図書館の育児書関連のコーナーでたまたま目に。
それぞれの作家の家族関係やその中で経験した感覚を思い思いに話し、それに時々心理学的な視点から話しているもの。
いつも読む提言書的な育児本とはまた違い、ある意味で楽になれる。
特によしもとばななの小説から抜粋した箇所と、子育てを通しておこる事象に対しての感性がらしくていいなぁと思いました。
以下メモ
「まだ子供の時だけに感じる独特の世界の味。過日みたいにもいでももいでもなくならなかった、家庭の雰囲気。飽きるほどおよぎまわってもまだひろかったあの家は、たったふたりの不安定な男と女がつくっていただけのものだったということを、大人になってしりきっと誰もががく然とすることになる。(ちんぬくじゅうしい)
」
「愛されているってこういうことだな
この人に触っていたい、優しくしたい、そう思ってもらうことなんだと私は体でおぼえている。だから嘘ものの愛には体が反応しないように、きちんとできている。そういうのが育てられたっていうことなのだろう(みずうみ」
「いつでもおへそをあったかくして、頭に血がのぼらないよう心も体も力を抜いて、お花みたいに生きてね。それは権利なの。生きているうちに必ずできることなのよ(みずうみ)」
「人間がもっとだらしなく、雑多で、しょうもなく、治らないけどバランスとれて本人がくるしんでなくて、その人にとって明日も起きたらその位置が割と楽しいならいいんだみたいな方向性」
母の権力
自分が親になってみて絶大な権力には驚きますもん。
家族の構成員を内面的に破壊することもたやすいんですよね。
わたしは子育ての環境はどうでもいいことが多ければ多いほど、いいような気がしているんです。
動物を飼っているいると人の考えからみたら一見、不合理に見える自然性にむきあって教えられることもおおいですよね。 -
何だか知らないがとんでもないメンバーがそろったフォーラムが面白かった。うさぎが突出してぶっ飛んでいる。春菊もたいがいだった。こういった側面からアディクションを考えると面白い生き方なんだとアディクションじたいをひとつの生き方として表現していることを肯定できる昂揚感がある。自分のやっていることを肯定することからしか回復しないことを暗にほのめかしている齋藤学のカウンセリングはすごいと思う。
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母親になりだんだんと保守化していき、一般の価値観から抜け出せずそれにも気づかずもがいていた時に読んだ。自由でいいな、それを言ってもいいんだ、4人のそれぞればらばらな生き方に背中を押された気がする。