アプレンティスシップ・パターン ―徒弟制度に学ぶ熟練技術者の技と心得 (THEORY/IN/PRACTICE)
- オライリージャパン (2010年7月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784873114606
感想・レビュー・書評
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ソフトウェア技術者として学習していくときの心構えをパターン化して紹介している本。
モチベーションが十分に高く、すでに他の技術者向けの勉強本を読んでいる人に取って、新しい内容はそれほど多くない。
心構えをパターン化するというコンセプトは非常に面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
プログラミング専門のマイミクさんおすすめの本。
技術を身につけ熟達していく過程について、
「知恵」みたいなものひとつひとつを「パターン」として説明されていた。
プログラマー向けの専門用語たくさんだし、翻訳文章独特の語り口でうおっ・・と身構えたけど、
表現もゆたかでひとつひとつの例も具体的で深く、理系のりの字もない自分にも面白かったです。
職業に関係なく有効に読めると思うし実際他の職業との関連事例も載っていました。
アプレンティス→ジャーニーマン→熟練職人っていう熟達度による段階わけとか、
「パターン」同士引き合いに出しながら説明されてるのがすごくわかりやすかった。
武道の奥義書みたいだけど精神論だけでもなくて、
ひたすら主体的で能動的であること、組織に貢献しようとする姿勢、
知恵はいつも積極的に共有されるべき・・、って
自明のノウハウとしてたんたんと親切に語られていた(たまにストイックすぎ・・と思うとこもあったけど)
もし理系の業界でこういう考え方が一般的なんだとしたらすごい。今の技術がすごい速度で進歩してるのもわかる気がする。
自分のいる業界にはほとんど浸透してないような・・
いや、あるところにはあっても自分が追いついてなかっただけかも?
読んでいると、背すじが伸びる気がした。 -
アプレンティスシップは、中世ヨーロッパの徒弟制度=職人養成システム、またアプレンティスは弟子の事。
技芸の世界(能力の最大決定要因が個人スキルの業界や企業。対して、それなりの工場は職人養成システムがある。)で、アプレンティスが職人を目指すための心得や推奨される行動をパターンとして紹介。本書はプログラマー向けだが、ほとんどの内容はそれ以外の職種にも通じる。初心者だけでなく、ある程度の経験を積んだ人にも薦めたい。
ちょっと違う系統を読みたいと思い、ITコーナーを何となく眺めてて見つけた本。これは運が良かった。目からうろこ、感銘を受けた、本当に素晴らしい本だと思う。
ほとんどが技芸の世界だと思うが、職人を目指すの少数派。職人の養成までできている人、さらにそれがシステム化できている企業はごくごく僅か。それは人を育てたり、ノウハウの継承について、体系立った知識がないためだと思うが、本書はまさにそれを提供している。パターンとしてカタログ化した上で、カテゴライズ、さらにパターン間の関連まで示されている。実践するのは簡単ではないが、積極的に取り入れていきたい。
アプレンティスシップ・パターン
<カップを空にする>…自分にとって新しい分野を身につける
・最初の言語
・白帯
・情熱を放つ
・具体的スキル
・無知をさらけ出す
・無知に向き合う
・難しい事
・得意領域への撤退
<長い道のりを歩む>…モチベーションを維持しつつ、うまく目的地に向かう
・長い道のり
・芸術より技芸
・持続可能なモチベーション
・情熱をはぐくむ
・自分の地図を描く
・肩書を活用する
・現場にとどまる
<正確な自己評価>…己を知り、適切な行動を取る
・最低である
・良き指導者を見つける
・気の合った者同士
・同席する
・床を拭く
<永遠の学習>…どう学習するか
・処理能力を広げる
・練習、練習、練習
・壊して良いおもちゃ
・ソースを活用する
・自分の仕事を省みる
・学びを記録する
・学びを共有する
・フィードバック・ループを構築する
・失敗から学ぶ
<自分のカリキュラムを作る>…どう知識を得るか
・読書リスト
・継続した読書
・古典に学ぶ
・徹底的に学ぶ
・精通したツール -
アプレンティスシップ・パターン
http://d.hatena.ne.jp/kaorun55/20101111/1289487897 -
学習を通じて得た自信を維持しながら、新たな状況に立ち向かう際には、以前の知識を脇に退ける。
あなたは学んだことを忘れねばならない。
職人はソフトウェア開発という技芸を学ぶことに熱心なアプレンティスのみを引き受ける。
アプレンティスは熱意と学習意欲を周囲に感染させるためソフトウェア職人気質における必要不可欠なパーツ。
難しいことに挑戦してください。
準備ができるまで待つというのは決してしないのと同じ。
困難な仕事に取り組んで、あなたを伸ばす仕事をすることで成長する。
あなたより優れた開発者に囲まれるようにする、あなたが最低のメンバーであり、成長する余地がある。より強力なチームを見つけてください。継続した読書と自分の仕事を顧みること。 -
読み終わったあとくらいに、旭川の家具工房に見学へ行ったときに、コンテストで受賞した方の経歴に、徒弟制度バリバリなことが記されていた。Journeymanとか書いてあった。単純に「職人」って訳なんだろうけどね。ちなみに、この本自体はなんだか分かりにくいし、この本に書いてあるけれども、wikiなんかで読むほうが読みやすいだろうね。