ラブ&ポップ

著者 :
  • 幻冬舎
3.23
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本棚登録 : 398
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877281359

作品紹介・あらすじ

どうしても欲しいものを、今、手に入れるために、その日「裕美」は援助交際を決意した。伝言ダイヤル、テレクラ、ナンパ…。彷徨の果て、裸の女子高生は救いを得られるのか?衝撃の最新長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 1996年11月18日 第一刷 再読

    トパーズⅡ
    社会文化としては、過去になった携帯、伝言ダイヤル、援交等々。当時の女子高生のルポルタージュの様な小説。
    親に負担かけないように援交するというアンバランス。遠そうで近い社会なのか。
    作者が少女達サイドから小説を書いている。その表現はさすが。

  • 当時は興味なかったけど今読んだら面白かった。もう援助交際って死語なのかなぁ。案外もっと混沌としているのかも。読んでいてそんな気がした。

  • 今日ほしいと思ったものは今日手に入れないと明日にはどうでもいいものになってしまう感覚とか、ヴィトンのバッグを地道に働いたお金やすきな人のお金で手に入れたくない気持ちはよくわかる。手に入ったらどうでもよくなるものなんて最初からどうでもいいもので物欲処理のために買っているだけだなと思った。愛のないセックスと援助交際が結びつくのもよくわかる。
    今よりもっと女子高生が神格化されている時代がうらやましい。
    コバヤシが言ってたこと、「出会う前は最大の可能性でしょ?」「知人だけじゃ生きられない人間もいるってこと」、すごくいい。

  • 欲しいものがたくさんあるのに手が届くようで届かないような複雑な気持ち。



    援助交際における「罪悪感」に何処まで向き合えるか。

    子供以上大人未満をリアルに描いている一冊だと思う。

    そして、女子高生が神格化されたあの時代を忠実に描いていると思う。

  • 大切だと思ったことも、簡単に消えてしまう。
    だからこそ、いつ触れても大切に思えるものは貴重。
    後から考えてゴミのように思えるものは、ゴミなんだと思う、多分。

  • 女子高生なりの寂しさの埋め方
    援助交際、テレクラ、セックス

    キャプテンEOの魅力と本質が
    とても良いものだと思った

    人と関わりを肌のふれあいを
    少なからず持つ事が
    大切な事を改めて思う。

  • 女子高生らしさを残しつつ
    村上龍の暴力的な文章も健在で
    物語に引き込まれる。

  • 「ヒロミ、今すぐ欲しいんじゃないの?」

     高森千恵子が言って、裕美は、うん、とうなずき、見抜かれてるな、と思った。大切だと感じたものはすぐに手に入れるか経験するしかないと、一晩か二晩で平凡なものに変質してしまう。みんなそのことをよく知っている。プラダのチェーンバッグを買うためにマクドナルドで半年バイトする女子高生はいない。









    「…でもこういうことわかるのってずっと後になってなんだよね、若いときはわかんない、他人と出会うってスリルがあるの、特にせっくすが絡むとね、女の子だってそうよ、シャネルだグッチだって伝言ダイアルかけまくってるけど、本当に欲しかったら盗んだって手に入れるはずでしょ?ヨシオにいつもこういうこと言ってたんだけど、他人?出会い?妙な寝言ぶっこいてんじゃねえよ、でいつもオシマイ、みんな自分に価値があると思いたい、で、せっくすは手っとり早い、だから他人の欲望が自分に向くとドキドキする、だってとりあえず自分には価値があるってことだからねメスかオスとしてさ、そういう他人と、出会う時、テレクラで話して、待ち合わせて、どんなヒトだろうって、実際に会う、その寸前、それが一番ゾクゾクする、会っちゃうと、すぐに現実になっちゃうけど、会う直前って究極の可能性でしょ?」

  • 彼女達はただブランドのバッグが欲しいんじゃない。セックスがしたいんじゃない。新しい出逢いをただ一心に求めている。

    大切なことは簡単に教えちゃいけない。

    なぜか雫が瞳から溢れ出した一冊。

  • 村上龍をすすめられて、とりあえずと思って手に取った作品。
    このひとの作品は古いのより新しいのを読んでいったほうがよさそうだと思った。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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