ワイン一杯だけの真実

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 113
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877282707

作品紹介・あらすじ

宝石のような8本のワインに呼応する、女たちの一瞬の官能。散文の極点を目指した村上龍最新小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 8つのワインを主人公に、自分の存在に違和感を覚えるという「普遍的な女性」を描いた短編集。作者自らがこのようにテーマを語っています。どのワインも私は飲んだことがないので、それにまつわる物語も他の小説と同じようにしか味わえませんでしたが、いつか飲んでみたいと思ったものがあります。
     それはイタリアのワイン「チェレット・バローロ」。8つの短編の中で一番面白く、結末にもなんというか救いがありました。幼馴染の二人の女性が大人になってから再会し、会うたびに飲むのが習慣になったというワイン。チェレット社のバローロといっても色々で、なかでも名畑<ブリッコ ロッケ>から作られたバローロは、「赤ワインに求められるすべての美質を一瓶に凝縮したような見事な味わい」だとか。
     村上龍の作品は大体においてとても男性的で、ちょっと受け付けられないものもあったりしますが、所々はっと胸をつかれる言葉もあってやはり流石だと思います。

  • んー、苦手かも。。
    深い意味があるんだろうけど、意味が分からないと感じることが多々あった。

  • ワインにまつわる8つのストーリー。
    自分という人間の不確かさ。もろさ。曖昧さ。
    私が私であるということは、確かなことのはずなのに。
    私が今ここに在るということは事実であるはずなのに。
    どこかそれとは違う可能性が潜んでいるような、精神が溶けていくような感覚に陥らされるのだ。

  • 資料ID: W0117962
    請求記号: 913.6||Mu 43
    配架場所: 本館1F電動書庫C

  • エロティック

  • 村上龍…久々に読みました。
    この人のエッセイは結構好きで、わりと共感できます。
    「すべての男は消耗品である」とか「フィジカルインテンシティ」とか。
    が、小説についてはちょっとアクが強すぎて、やや敬遠してしまう。

    今回読んだものは短編小説集。
    ワイン(高級な)がテーマで女性が主人公。
    精神的にちょっとバランスを失っているような登場人物の主観的文章は、龍氏の得意とするところ。(と勝手に思っている)
    ちょっと刺激的で挑発的で、たまには違う小説を味わってみるか、という時にはほどよいかもしれない。
    でもやっぱりいまひとつでした。
    もしかしたら当たりか?と思ってたのに。残念。

    村上龍で好きなのは、「恋はいつも未知なもの」「368Y Par4 第2打」。
    これらの小説は、村上龍はちょっとね、と敬遠している方に特におススメです。

  • 短編集。これでいろいろなワイン名を覚えた

  • エッセイストの蝶々がオススメだったので読みました。
    うーん、私にはあまり入り込めない登場人物ばかりでした。

    知っているワインがオーパスワンだけだったからでしょうか?
    登場人物の生い立ちがイメージ出来ずに読み終わってしまいました。

    解説書が欲しいくらいです。

  • 一杯のワインで喚起される思い出をつづった短編集。
    どうしようもない孤独感と閉塞感、儚さの中に永遠を見出してしまった感じ。
    ストーリーのない、散文のような文章でこれだけの情景が表現されるのがすごい。
    トロッケンベーレンアウスレーゼを飲みたくなった、かな。

  • 2007年11月29日読了。ワインの銘柄にちなむ8つの短編集。それぞれの話は別々の女性が主人公となっている。どのワインも知らないが。人生自身の意味を変えてしまうようなワイン。そんなものがあるのだろうか・・・?一休などで安酒飲んで騒いでいるような私には縁遠い世界か。村上龍自身も後書きで「完成度の高い短編ができた」と自賛しているが、大変複雑で味わい深い小説だった。・・・分かりにくいが。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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