もう一度、投げたかった: 炎のストッパ-津田恒美最後の闘い (幻冬舎文庫 つ 3-2)
- 幻冬舎 (1999年6月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877287436
感想・レビュー・書評
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この本は当時NHKスペシャルで放映され、全国的に感動を巻き起こした、闘病の記録と彼を支えた家族の記録だ。
津田恒美といえば、ある世代のプロ野球ファンには強烈な印象を残した広島の名ストッパー。彼が出てきたら他球団は負けを覚悟した。唸るような剛速球、捕手の手前で勢いを増してホップする球筋はテレビ画面からでもわかった。
そして、ふてぶてしい顔つき。気持ちを前面に出す。対巨人戦で一塁ベースカバーに入ったときに、走者の駒田の頭をグラブで殴ったことがある。どう考えても津田が悪いのだが、誤りもせず乱闘寸前になった。ほんと、憎たらしい奴だった。
オールスターゲームでは全球ストレートでパリーグの強打者を三者三振をとった。このときはセ・リーグを応援したので、津田の力投に喝采を送った。
ペナント終盤の天王山で、津田の直球を強振した原辰徳の左手小指を粉砕骨折させたことは有名だ。原はそのシーズンを棒に振り、巨人は3厘差で優勝できなかった(優勝は広島)
とにかく津田は巨人にとっては憎たらしかった。他球団もそうだったろう。
しかし、いつも強気で傲岸不遜に見えた津田が、自分自身に言い聞かせていた言葉。それは『弱気は最大の敵』だった。
かつてたった一度の失投で試合に負けた。自分の球に自信が持てず、弱気になったせいで威力がなかった。この経験がが炎のストッパーと呼ばれた彼の投球の淵源となった。それ以来彼は投球の前に必ずこの言葉を心の中で反復した。
脳腫瘍で倒れたときも、彼はこの言葉を胸に復活を期す。闘病は辛かった。弱気になるときもあった。そんなときも彼はマウンド同様、この言葉で自らを奮い立たした。もう一度マウンドに立つために。
しかし病は深刻だった・・・
彼が病に倒れ亡くなった時は広島ファンだけではなく、他球団のファンも悲しんだ。
広島の独走で津田を思い出しただけだったが、奇しくも今日、7月20日は津田の命日だった。
たぶん死ぬまで忘れられないピッチャーだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
津田投手のファンで、亡くなったのがつらくて、ずっとずっとよみたいけど読めなかった本です。10年以上経ってやっと読めた。
やっぱりつらくて涙なしでは読めない。
広島市民球場で津田くんを応援するのが大好きでした。
強い人。弱気は最大の敵。思いやり。
息子さんがそっくりで始球式でもテレビで涙しました。
学ぶべきところがいっぱいです。 -
感動。感想書こうとしても陳腐な表現しかできないからやめときます。読んでよかった。
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かつて広島カープに「炎のストッパー」と呼ばれたリリーフエースがいた。
そんな彼の32年の人生が詰まっている一冊です。
「弱気は最大の敵」
この言葉は忘れません。 -
リアルタイムで津田投手の投球は見てないんだけど当事の映像とか全身から闘志がみなぎっていて球もすげー速い!
実際の性格は非常に弱気だという彼は「弱気は最大の敵」という言葉のもと今日も投げ続ける…。
辛い闘病生活…野球を諦めねばならない現実…そして…泣かずには読めません。……て自分は高校の授業中に読んでたけどね。 -
私は野球が大好きだ。
広島球場絡みで、津田投手のことを知り今回読んでみたけれど、山口出身ということもあり、偉大な「炎のストッパー」のことをちゃんと知ることができて本当によかったと思う。
津田恒美投手の志を継ぐ後輩たちがたくさんいることは素晴らしいと思った。
後半病状を詳しく綴る場面は涙なしには読めなかった。 -
カープファンだったら涙なしには読めない1冊