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- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784880324012
感想・レビュー・書評
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娘と母の間柄は業がふかいです。
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この本は大学の講義のために買わされたもので、10年経って暇つぶしに読んでみた。あまり本を読まないため、淡々と読んだのだが、初めは主人公は母親に対してあまり思い入れがない人なんだと思っていた。そして、この本は終始、主人公の父親に対する思いを綴る本なんだと思いながら読んでいた。だけど、最後は予想外のところで主人公の母親への想いが着地し、少し驚いたが爽やかな気持ちで読み終えることができた。
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血縁とは、なんなんだろう。人は一人では産まれてこないし、生きてはいけない。こうこが母親のルーツを辿るのが怖かった気持ちが、分かるような気がした。
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本の帯のキャッチコピーによると
「あの遠い夏の日、声なき死者たちへの鎮魂歌」とある。
長崎原爆で兄を奪われ、また心を病んだ母。
浦上で亡くなっていった人々の魂に寄り添いたいとの想いから、この作品ができたとは作者の言葉。
数々の賞を受け、芥川賞の候補にも選ばれただけの実力者。
作者と同じ年齢、また同じ戦争を体験した者として、心に沁み、心痛む。しっとりとした情感も感じられ読み応えのある作品だ。
関係ないが樹滴なる言葉を初めて覚えた。
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