クリストファー男娼窟

著者 :
  • 而立書房
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本棚登録 : 50
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880591230

感想・レビュー・書評

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  • なかなかおそろしい文章だなあと。

  • 全然オススメしない笑。
    読んでて辛いんだよなぁ。何か迫ってくるというか、視点がミクロすぎるっていうか。
    文章でこう思わせるのはすごいんだけど、神経に悪い気がする。没頭する勇気がないよ!

  • 表題作・金の為イヤイヤ男娼をしている男の切ない話
    『クリストファー男娼窟』の他
    浮気ばかりする父と嫉妬に狂う母双方に
    お前らはいらぬ子と言われ続けて統合失調症となる女の子の話
    『離人カーテンの囚人』と
    愛する妻が死んで死後も交わる『死臭アカシア』の計3編。
    離人カーテンというものがどんなものか
    わかりすぎて怖いっつか胸が苦しい切ない、でもこれが一番好き。

  • どえらい文章だった。

    色彩の感覚、生と死、現実と幻想、肉体と精神、性の追求と恐怖、
    視点の移り変わり、草間彌生の過去の記憶と病気

    すべてが交じり合い
    草間彌生の頭の中にいざなわれていくようであった。

    頭をまっさらにして読み始めると、終わるころには
    さまざまな感覚が芽生え浮遊した。

  • かぼちゃや水玉で知られる草間弥生の小説。
    芸術を志さなければ小説家になっていたというだけのことはある。

    細密すぎるアップと思考の雑音入り交じる遠景を交互に絶え間なく見せられ続け、その描写に酔っぱらううちに現実なのか幻覚なのか妄想なのかまったくわからなくなっていく。そうして比喩の渦に巻かれながらうっかり本の外に出てしまっている間に、はっと気づくと物語は終わってしまっている。立ち止まり、巻き戻し、見直すことでようやく何が起こったのかを理解するということを、何度繰り返したかはもう忘れてしまった。小説なのに、だ。映像ではないのに、だ。

    読む方に乗りこなす体力がないと、振り落とされて置いてきぼりにされてしまう、暴れ馬みたいな。好きだけど、沢山は食べられない珍味みたいな話。

  • 『クリストファー男娼窟』、『離人カーテンの囚人』、『死臭アカシア』の3篇を収録。『離人カーテンの囚人』が良かった。「避妊に失敗したセックス」によって生まれた5人の子供達。「生まれた事自体が過失」という両親とそう思っている少女キーコ。輪廻は全て過失。この世は過失で生まれた人間ばかり。自分も含めて。嗚呼、吐き気がする。

  • すごい。久々に言葉で脳みそをゆるがされました。詩の言葉が小説になってるよ。美術作品ほど言葉は目に刺さってこない。もっと、繊細な感じです。もちろん毒はあるけど。

  • 読んでいる間、薄暗いモヤの中を漂っているような感覚になった。そこから出たいのに出口が全然見えない。なんともいえぬ浮遊感。が、作品として面白いのかと問われるとびみょー。

  • 日本現代美術を代表する作家(水玉のモチーフと言えば分かる人もいるかな?)、草間弥生さんの小説。なかなか分かりにくい「現代美術」の作家が書く小説って難解?と思われがちですが、なかなかどーして。綺麗で奇抜ながらも的確な表現ですらすら読めます。

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著者プロフィール

前衛芸術家。小説家。1929(昭和4)年長野県松本市生まれ。10歳の頃より水玉と網模様をモチーフに絵を描き始める。57年渡米、翌年ニューヨークに移り、ネット・ペインティングを発表。73年の帰国後も彫刻、映像、パフォーマンス等、自らの表現を追求し続けている。

「2012年 『クリストファー男娼窟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

草間彌生の作品

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