イノベーションのジレンマ: 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき

  • 翔泳社
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784881358399

作品紹介・あらすじ

破壊的イノベーションとは何か?業界を支配する巨大企業が、その優れた企業戦略ゆえに滅んでいく構造を、様々な事例とその分析により示した画期的な経営書。

感想・レビュー・書評

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  • イノベーションのジレンマとは、一言で言うと

    過去にイノベーションを成し遂げた企業が、目の前の顧客からのニーズに対応する持続的イノベーションに注力してしまうようになり、破壊的イノベーションに対応できなくなること

  • 顧客の意見に熱心に耳を傾け、新技術への投資を積極的に行い、常に高品質の製品やサービスを提供している業界トップの優良企業。ところが、その優れた経営のために失敗を招き、トップの地位を失ってしまう―。本書は、大手企業に必ず訪れるというこの「ジレンマ」を解き明かしベストセラーになりました。優れた経営とされてきたものが、「破壊的イノベーション」の前ではすべて無効になり、逆にマイナスの価値さえ持ち得るという指摘は当時世界の企業に衝撃を与えたといいます(by Amazon)。古い本ですが、今でも色あせない内容です。綿密な実地調査に基づいていて非常にロジカルで面白いというか、もっと早く読んでおけばよかったと後悔した本です。名著です。

  • 昔に一度読んだが再読。新たなソリューションをビジネスモデルにする際の参考に。
    従来からの製品開発と照らし合わせてながら読んでみると、参考になる部分が多い。同じ部門で新たなソリューションを開発しようとすると、資源・プロセス・価値基準がやはり大きなハードルになる。小規模で素早く事業開発できる仕組みが必要だとあらためて感じた。

  • 技術革新が次々に起き、先行企業と入れ替わっていく。あとからこうして整理してもらえれば、あゝこうだったと整理もつくが、火中にいるときは、わからないものです。

  • 【髙島】
    この本読んどいたらええ、みたいな人がたまにいるので、そういう人対策に。

  • イノベーションのジレンマ、つまり真の破壊的革新が通説と違うことをリポートする。

    目次
    <blockquote>第1部 優良企業が失敗する理由
     なぜ優良企業が失敗するのか―ハードディスク業界に見るその理由
     バリュー・ネットワークとイノベーションへの刺激
     掘削機業界における破壊的イノベーション
     登れるが、降りられない
    第2部 破壊的イノベーションへの対応
     破壊的技術はそれを求める顧客を持つ組織に任せる
     組織の規模を市場の規模に合わせる
     新しい成長市場を見いだす
     供給される性能、市場の需要、製品のライフサイクル ほか
    </blockquote>
    第一部で優良企業と言われている明確なブランドを持つ会社の失敗の事例を紹介している。
    この本ではHDDの進化をベンチマークして述べられている。
    これは、HDDの進化が他の業界よりもスピードが早く、何が成功のコツなのかがわかるから……らしい。
    たしかに、ゆっくりとした進化のスピードをベンチマークするには、膨大な情報が必要だが、
    その新製品の開発が早ければ、情報は少なくてすむのだろう。

    顧客の声を真摯に受け止め、製品を改良するだけでは持続的なイノベーションに過ぎず、真の革新である、
    破壊的イノベーション(既存の考えでは出てこない革新的商品)の燎原の火に焼き尽くされる……というのがこの本の説。

    これは、革新的な商品は魅力が乏しく、出てきた当初は正確な認知をされない事にある。また、利益が少なく、優良企業の事業戦略からは外れやすいというのもある。
    しかしだからこそ、シェアを広げた際には、ブランド化に成功しており、後から参入した優良企業の手に負えない状態になっていることが多いという点に対し、警鐘を鳴らしている。

    この理屈は事業を起こすためには必要かもしれないね。そういう意味では必読の本だと思う。

  • 本書は「積極的、革新的で顧客の意見に敏感な組織と評価された企業が、戦略的にきわめて需要な技術革新を無視したり、参入が遅れたのはなぜか」ということを持続的イノベーションと破壊的イノベーションの2つの概念によって解説している。
    持続的イノベーションとは、既存企業が従来の顧客に対して、優れた製品をさらによくなるように改良することを指す。
    一方、破壊的イノベーションとは、ローエンド市場あるいは未開市場で起きるもので、当初は既存企業の顧客の大半からただ安いだけの劣った製品と受け止められるものである。
    しかし、ひとたび品質が満足のいく性能水準に届いたら、新製品に手を伸ばし、低価格を受け入れるようになる。

    成功している企業は、顧客のニーズに応え、収益性を高め、技術的に実現可能で、堅実な市場に参加するための活動に資源を集中したいと考える。
    しかし、これらの目標を達成するプロセスが、破壊的技術に対応することにあてはめると、既存顧客に拒絶され、収益性を引き下げ、既存の技術より性能が低く、重要性の低い市場でしか売れない企画に資源を集中することになる。
    このような考え方をするには、成功する組織のやり方、業績の評価のされ方にみられる根本的な傾向と戦わなければならない。

    顧客の意見に注意深く耳を傾け、競争相手の行動に注意し、収益性を高める高性能、高品質の製品の設計と開発に資源を投入する。
    これらのことが、破壊的イノベーションに直面したときに優良企業がつまずき、失敗する理由であるというのは何とも皮肉なものであるが、以下の4点を実行すれば克服は可能と示されている。
    1.優良企業の資源配分のパターンは、実質的に顧客が支配しているので、商品化するプロジェクトを、それを必要とする顧客を持つ組織に組み込んだ。
    2.小規模な市場は、大企業の成長需要を解決しないので、開発するプロジェクトを、小さな勝利にも前向きになれる小さな組織に任せた。
    3.破壊的技術の最終的な用途は事前にはわからないので、破壊的技術の市場を探る過程で、早い段階にわずかな犠牲で失敗するよう計画を立てた。
    4.技術の供給は市場の需要と一致しないことがあるので、破壊的製品の特徴が評価される新しい市場を見つけるか、開拓した。

    一見読むと当たり前のように感じるかもしれないが、現実的に実行するのは様々な困難を伴うことが容易に想定される。
    しかし、それを乗り越えなければ破壊的イノベーションには対応できないとのこと。
    2000年初版の本ではあるが、今はじめて読んでも読みごたえのある内容であった。

  • 読みやすく、分かりやすい。
    驚くようなことは言ってないが、納得させられる名著です。

    合理的な経営判断からは破壊的イノベーションは生まれない。
    小さな組織で、それでもリスクを抑えながら、未知の領域に踏み込むことが破壊的イノベーションを生む。
    破壊的イノベーションを生むためには、市場を調べるのではなく、市場と対話することも大切。

    自身、ベンチャー支援に携わる仕事をしているため、非常に参考になった。

  • 技術革新がなぜ大企業でうまく採用されないのかを解説している。
    大企業は収益の高いものに資源を優先させるので、将来必要になりそうなものに資源を集中できない
    会社内でイノベーション部門を設けるよりも、他の会社にしたほうが良い。
    市場の需要以上の商品の機能を提供しても買われない。それよりも価格が低いことが大切になってくる。
    購買階層という製品進化モデル(ウィンダミア・アソシエーツ)によると、機能、信頼性、利便性、価格の4段階を一般的なサイクルとしている。まず機能が選択基準となり、それが複数存在しだすと信頼性によりブランドで選ぶ。それが満たされると利便性へ移り、取引しやすいメーカーを選択するようになる。その後、価格となる。P119

  • 持続的、破壊的、両面の持つジレンマ。真っ直ぐ向いて石橋を叩いて進んでいるから安心ではなく、かえって失敗しやすい経営者。ぼーっとしてられないのですね。

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