- Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
- / ISBN・EAN: 9784890137060
作品紹介・あらすじ
100歳の誕生日パーティーを目前に、おしっこ履きのまま老人ホームを逃げ出した主人公アラン。お酒(とくにウオッカ!)が大好き、宗教と政治が大嫌い。ひょんなことから手にした大金入りスーツケースをめぐってギャングや警察に追われることとなり、途中で知り合ったひと癖もふた癖もあるおかしな仲間とともに珍道中を繰り広げる。
一方、過去のアランはというと、爆発物専門家としてフランコ将軍やトルーマン、スターリンと日夜酒を酌み交わしては、エポックメイキングな人物として世界史の重大シーンにひょこひょこ顔を出す。アランの逃避行と100年の世界史が交差していく、二重構造ならぬ「百重構造」のドタバタコメディ!
全世界で800万部を突破した驚異のベストセラー、待望の日本語版。2014年、日本での映画公開予定。
感想・レビュー・書評
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続きに続く逃走劇と、過去の回想。すこぶる元気な100歳です。いやちょっと待って、今は人生100年時代にさしかかっている。こんなふうに元気な100歳が当たり前な時代が、いつか現実になるかな?
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ひたすら続く出鱈目噺。出てくる人の大半は嘘つき、サイコ、狂信者。合理性を追い求め息苦しくなってしまった現実世界との対比も素晴らしい。
しかし、爆弾とコメディの相性の良さはなんなんだろうか。緊張と緩和。圧倒的な破壊のカタルシスか。
そういや、ドリフも爆破オチが多かった。 -
主人公の逃走劇と彼の過去が交互に描かれていた。
逃走劇は面白いのだが、過去回想は戦争が主に行われていた頃の話なので難しくて途中で読むのを飽きてしまった。
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スウェーデンの作家「ヨナス・ヨナソン」の長篇ミステリ作品『窓から逃げた100歳老人(原題:Hundraaringen som klev ut genom fonstret och forsvann、英題:The Hundred-Year-Old Man Who Climbed Out the Window and Disappeared)』を読みました。
北欧ミステリは先月読んだ「カーリン・アルヴテーゲン」の『恥辱』以来ですね。
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お祝いなんてまっぴらごめん!
100歳の誕生日パーティの当日、「アラン・カールソン」は老人ホームの窓から逃走した。
ひょんなことからギャング団の大金を奪ってしまい、アランの追っ手は増えていく。
けれども、当の本人はなるようになるさとどこ吹く風。
それもそのはず、「アラン」は爆弾つくりの専門家として、「フランコ将軍」や「トルーマン」、「スターリン」、「毛沢東」ら各国要人と渡り合い、数々の修羅場をくぐり抜けてきた過去の持ち主だったのだ。
20世紀の歴史的事件の陰に「アラン」あり!
過去と現在が交錯するなか、次々展開するハチャメチャ老人の笑撃・爆弾コメディ、日本初上陸!
全世界45カ国で刊行、1400万部を突破した驚異のベストセラー、待望の日本語版。
2014年11月、映画公開決定(邦題『100歳の華麗なる冒険』)!
2015年本屋大賞第3位(翻訳小説部門)!
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ウオッカが大好きで、宗教と政治が大嫌いな「アラン・カールソン」は、老人ホームでの100歳の誕生日パーティーを目前に、パーティーに興味なく老人ホームから逃げ出した… さりとて行く当てのない「アラン」はバスの発着場に向かって有り金はたいて乗れるとこまで行こうとするが、その直前にトイレを急いでいた犯罪組織<一獄一会(ネヴァー・アゲイン)>の「ボルト(ベント・ビュールンド)」から大金(5,000万クローナ[1クローナは約15円])入りのスーツケースを預かり、あろうことかそれを所持したままバスに乗り込んでしまった、、、
その結果、<一獄一会>に追われる身になった「アラン」は、一方で老人ホームの通報を受けた警察からも身柄を追われることになる… 「アラン」は両親を早いうちに亡くして孤児になり、学は無いものの、独学で爆発物に関してさまざまな実験や研究をしており、その知識や、持ち前の気ままな性格から、スペイン内戦から冷戦期にかけての世界の指導者たちと面識を持っており、各国要人と渡り合ってきた過去を持つ人物だった。
スペインの「フランシスコ・フランコ将軍」に命の恩人だと誤解されたことに始まり、アメリカの「トルーマン米副大統領(のちに大統領)」とともに夕食をとったり、「チャーチル元首相」とヒッチハイクしたり、「蒋介石」の妻「宋美齢」に捕らえられた「毛沢東」の妻「江青」を救出して川船で移動したり、徒歩でヒマラヤ山脈を縦走して中国からイランまで脱出したり、ソ連の「スターリン」と酒を呑み交わしたり、北朝鮮の「金日成主席」と、その息子「金正日少年」を騙そうとして捕らえられたが「江青」を救出した恩から「毛沢東」に助けられたり、フランスの「ド・ゴール大統領」とアメリカの「ジョンソン大統領」の会食に同席してソ連のスパイを告発したり… と、いくつもの修羅場を持ち前の幸運で乗り越える、波乱の人生を歩んでいた、、、
そんな「アラン」は、ビーリンゲの駅跡に住む近隣の鼻つまみ者「ユーリウス・ヨンソン」や、ホットドッグ屋台店主「ベニー・ユングベリ」、湖畔農場に暮らす赤毛女性「ベッピン(グニラ・ビョルクルンド)」、「ベッピン」の愛犬でアルザス犬の「ブーステル」、「ベッピン」が育てているサーカスから逃げ出したアジア象「ソニア」、「ベニー」の兄「ボッセ・ユングベリ」、<一獄一会>の親分「ペール=グンナル・イェルディン等、道中で知り合った仲間たちと、警察を欺きつつ逃亡を続ける… 「アラン」が、類い稀なコミュニケーション能力を活かして仲間を増やし、知恵と工夫と幸運により、難局を乗り切っていく展開が愉しめました。
ミステリ要素はあるものの… コメディ&エンターテイメント要素の方が強い作品でしたね、、、
そして、エンディングで「アラン」と、その仲間たちが幸せを掴む展開もなかなか良かったです… 大人向けのお伽話かな。
以下、主な登場人物です。
「アラン・エマヌエル・カールソン」
誕生日に老人ホームから逃げ出した主人公
「ユーリウス・ヨンソン」
近隣の鼻つまみ者
「ベニー・ユングベリ」
ホットドッグ屋台店主
「ボッセ・ユングベリ」
ベニーの兄
「ベッピン(グニラ・ビョルクルンド)」
湖畔農場に暮らす赤毛女性
「ペール=グンナル・イェルディン」
犯罪組織<一獄一会(ネヴァー・アゲイン)>の親分
「ボルト(ベント・ビュールンド)」
犯罪組織<一獄一会(ネヴァー・アゲイン)>の構成員
「バケツ(ヘンリク・フルテン)」
犯罪組織<一獄一会(ネヴァー・アゲイン)>の構成員
「カラカス(ホセ・マリア・ロドリゲス)」
犯罪組織<一獄一会(ネヴァー・アゲイン)>の構成員
「ヨーラン・アロンソン」
エスキルストゥーナ署の警視
「コリー・ラネリード」
検察官 -
愛らしい これが小説
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壮大な歴史パロディというか、展開が奇想天外すぎて笑いながら読みました。
でも、ふと、歴史をふりかえってみると「事実は小説よりも奇なり」なんだな…とも思ったり。 -
クスッと笑えるどころではなく、定期的に吹き出してしまうようなコメディでした。
扱う内容はかなり壮大で、戦争や原爆等一見堅そうななのにも関わらず、重苦しさがなくどんどん読めてしまいます。
物語の展開からして笑いどころが多いだけでなく、主人公の無頓着さゆえの読みやすさもあるような気がします。
主人公の半生である過去パートが世界規模すぎて、かなり大規模にドタバタやっているはずの現代パートが霞むくらいです。 -
ドタバタコメディ系かと思ったけど、ドタバタがスウェーデン国内にとどまらない想定外のレベル。フランコ将軍、トルーマン、スターリン、毛沢東、金日成と主人公の関係が面白すぎる。ダイナマイトとかスウェーデンっぽい。ところどころ出てくる社会問題国際情勢への作者の視点が面白い。中立のスウェーデンの姿勢が垣間見れる。とにかく100年の人間の生涯と現代世界史をこんなに緻密に描写する力がすごい!!!
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海外のエンタメという感じではある。
細かい蘊蓄とか登場人物のこだわりとか。
ただ、原爆の話もちらっと出ていて、日本人ならなおさら、素直には楽しめないかも。
人も亡くなるし。
払ってもいい金額:250円 -
(2022-08-05)