煙滅 (フィクションの楽しみ)

  • 水声社
3.71
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本棚登録 : 243
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891767501

感想・レビュー・書評

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  • 「e」を使わずに書かれた小説を、日本語では「い、き、し、ち、に、ひ、み、り」を使わず翻訳した1冊。
    この試みを知って、言語にとても興味のある身としては絶対読みたいと思っていました。すごい!の一言。もっと多くの人に読まれるといいなあ…!

    あとがきを先に読む癖のある人、どうかこの本ではやめて下さい。あとがきを普段読まない人、どうかこの本では読んで下さい。
    おおほんとに使ってない、とか、イ段使えたらこっちの語を使いたかったんだろうなあ、とか考えながら読むのもちょっとはいいけど、まるっきりそればかりで読むのはおすすめしません笑 あと内容も難解になってるから、必死で理解しようとしながらっていう姿勢じゃなくてもいいと思う。おぼろげなイメージを自分の中で形成できる程度で(それが間違っててもあんまり気にしない方向で)読まないと、いろんな意図を全部汲むことなんてできないので分からなさに疲れてしまうと思う。
    ふわふわと読んだなら、あとがきを読んで、「何となくそんな部分もあったけどそんなところまで意図があったのか!」とびっくりしてほしい。イ段の不使用は一要素に過ぎないのがわかる。勿論中心となる要素だけど。

    英語だったら原著も読んでみたかったけど、フランス語、かあ…!ハードル高い!これほどフランス語ができたら、と思ったことはありません。でもいつか原著も手に入れたいなあ…

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「言語にとても興味のある身としては」
      ジョルジュ・ペレックは凄いですよね、これを訳した塩塚秀一郎もスゲーけど。。。
      ところでレイモン・クノー...
      「言語にとても興味のある身としては」
      ジョルジュ・ペレックは凄いですよね、これを訳した塩塚秀一郎もスゲーけど。。。
      ところでレイモン・クノーの「文体練習」は読まれましたか?新訳が「煙滅」と同じ水声社から出ました
      2012/10/11
  • 長らく、同じ「e抜き」のギルバート・アデアによる英訳しかないと聞いてたけど、日本語訳はイ段抜き!
    ただ、そういう前知識なしに内容だけで楽しめたかと考えると疑問かも。この制約に気づかないで読了しちゃうかも。そういう意味だと、筒井康隆「残像に口紅を」は説明なしに何やってるかわかるトコが一枚上手。

著者プロフィール

1936年生まれのフランスの作家(両親はポーランド系ユダヤ人で、第二次大戦中に死去)。パリ大学、チュニス大学の文学部で学んだ後、国立学術研究センターに勤務。1965年、ヌーヴォー・ロマンの手法を駆使して消費社会の空しさを暴き出した処女作『物の時代』でルノドー賞を受賞。以後、大胆な実験作を次々と発表して注目を集め、1978年には大作『人生使用法』にメディシス賞が与えられたが、1982年、46歳の若さで病没。広範な視野から現代世界を鋭く抉るその前衛的作品群は、文学の新たな可能性をひらくものと評価されている。日本文学にも関心を寄せていたことは、本書中の『枕草子』からの引用においても示されている。邦訳作品に『眠る男』(海老坂武訳、晶文社)、『物の時代』『小さなバイク』(弓削三男訳、白水社)、『人生使用法』(酒詰治男訳、水声社)などがある。

「2000年 『考える/分類する 日常生活の社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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