- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894564138
感想・レビュー・書評
-
「愛読書は石垣りんの詩集です」と語る女性がいれば、それだけで私はいっぺんに好きになってしまうことだろう。石垣りんの詩は、生活という大地にしっかりと足を下ろし、足の指が大地を鷲づかみにしているような力感に満ちている。
<a href=\"http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20081129/p6\" target=\"_blank\">http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20081129/p6</a>詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ことばの硬質な感じが好きです
-
戦う職業婦人・石垣りんの代表詩集。流麗な詩とは一線を画する、野太い女性としてのアジテーションがかっこいいです。
-
その名のとおり りんとしたまなざしで、すっと背すじをのばし
自然を、社会を、時代を、人間を、そして自らをみつめ、
素朴な言葉で詩をつむぐ。
地に足をつけ、生活に根ざした場所から
ひろくて大きな世界をみとおす。
慈しみと冷徹さ、その両方をかねそなえた感受性をもって。
石垣 りんさんは、そんな詩人だと思う。
苦悩にあえぎながらも、逃げず まっすぐに現実を見据え、
立ち向かう彼女のつよさと、
そんな彼女が 時折ぽろりとみせるよわさ がすきだ。
血のかよった彼女の言葉は、まっすぐに私たちのこころに届く。 -
生々しく容赦なく、包み隠さず壮絶に、きっぱりと言い切ってしまう潔さ。 戦中、戦後の社会的な時代の詩でもあるんだけれど、その見通しの切先の鋭さ。
-
一番好きな詩人。惜しくも昨年(2004/12)享年84歳で亡くなられた。背負うものがどんなに重くても運命を恨むことなく、明るく力強く一人で立って歩いて生き抜いた女性。そんな彼女が書く詩には当然飾りなどなく、難しい言葉なども使われない。ごく日常的に使われる言葉で出来ているのになぜか新鮮。淡々とした中に強い意志がこめられている。背筋が伸びるようで読んでいてとにかく気持ちが良いのだ。りんさんとは感性が、感覚が近いのかなぁなどど光栄に思ったりする。
-
ふと、本屋で読んだ詩集。
初めて読んだ石垣りんの詩集は激しく、胸を打つ。
“儀式”は私が初めて魚をさばいた日を思い出した。・・・といっても小さいころから野生児だったあたしにとって、そのとき恐れは感じていなかった。
この詩を読んで考える。
私たちは生かされている。