三国志 (2の巻) (ハルキ文庫 き 3-2 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 116
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894568754

感想・レビュー・書評

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  • 楽しくてあっという間に読めてしまった。ついつい、吉川英治作品や横山光輝作品と比べながら読んでしまう。
    例えば、呂布が愛妻家な好漢として描かれている点が独特である。董卓との確執を、貂センという若い美女ではなく、永年連れ添った年上の妻をキーパーソンとしている描き方は上手いと思った。仕掛け人はやはり王允なのだが。
    また、呉の周瑜を早くから登場させている点は赤壁の戦いなどが好きな三国志ファンのニーズにがっちり応えていると思う。周瑜は他作品においては3分の1以上終わった段階の、赤壁の戦い前にようやく初登場するのだが、本作品では第1巻から登場する。孫堅が盟主の頃、息子の孫策の友人として。周瑜は三国志でも人気キャラクターの1人だが、すぐにあっけなく逝去してしまうため、ファンとしては物足らないだろうが、本作品では若き頃からの周瑜をしっかり楽しめる。

    本作品の目標読了期限は今年の年末。全13巻あるので、週に1冊ペースで読まないといけないことになる。が、2巻まで読み終えた感じではそれも可能な気がしてきた。

  • この荀彧なんかいいなあ。あと呂布が相変わらずかわいい。

  • 呂布がかっこいいね。死の床にいる妻を想う気持ち。その妻のために董卓を殺害する。そしていざ戦場では曹操との激突で騎馬隊の威力を存分に縦横無尽の強さを発揮している。いろんな方が書いているがラストの赤兎との「俺とお前で天下を取ろうか」もうたまらない!曹操の3万の軍勢で100万の黄巾兵に挑むときの「大将が、先頭で闘っている。こんな時は、それが大事なのだ」これもいい。孫策もいいし魅力溢れる人物ばかりだ。劉備は…あまり好きではないな

  • 孫堅が死に、息子の孫策が走る。
    呂布が動く。
    曹操が台頭する。
    劉備が放浪する。
    乱世を生き抜く彼らの姿は目に余るものがある。

  • あれ!劉備てわざと徐州を呂布にあげたの〜 あれ!呂布は人を欺いて徐州を取ったんじゃないの〜 あれ!張飛が曹豹殺すとこ、少ししか出てないやん〜(張飛の酒癖のせいで城取られたはずなのに〜)
    と、頭を混乱させながら読んでました(笑)
    それにしても北方先生の呂布像、ほんと美しすぎる〜
    僕の呂布像と180°真逆なので新鮮さを感じました。

  • 以前に草食系男子の存在が定番化しだした頃に、女性がハマる英雄たち。として何かの雑誌に書かれていたことを読みながら、ふと思い出しました。
    第2巻では自分の好きな三国志武将TOP3に入る孫策が表舞台に出て来ます。

    曹操はこの時点で英雄となりつつあり、袁紹は英雄にはなれないなと周りは気付き、劉備は不思議な存在というかライバルたちには何を考えているのかわからない存在に。
    呂布はただ戦うためだけに生きる価値を求めていて、暴れん坊というイメージはもうありません。

    ただ、皆、野望にギラギラしている時代、命をかけている者たち
    草食系はかなわないよね、こういう男たちには(笑)

    どうしても日本では劉備が善で曹操は悪という感じになってしまいますが(そういう自分もそんな捉えかたでしたが)北方三国志での曹操はかっこいい!!何を大事にするべきか、その為に何を我慢すればいいのか。わかっているんですよね~
    きっとこんな人が上司だったら、そりゃ死ぬ気で働くかも

    逆に劉備は、いや~腹黒い!?
    徐州を失ったのはそんなこと考えていたの!!同情して損したな~とか、助けに行ったはずのあの陶謙は、良い人弱き人だと思っていたのに・・・。
    なんて、他の作品を読んでいる人は自分と同じ思いをするでしょう
    特に、マンガの三国志から入った方は。

    でも、定番の吉川三国志とか先に読んだ方が色んな意味でたのしめるのかな??

    それより、孫策がいよいよ大活躍
    レッドクリフで三国志好きじゃなかった人にも名が知れたであろう周瑜も登場してきます。
    他の英雄たちより一回りほど年下の2人。日本でいうのなら伊達正宗のポジションといったところでしょうか?若者がドンドン力を付けていくのは痛快です。

    そして3巻以降へと流れていきますが、1・2巻ともにその巻のトリは孫一族が占めたということは3巻も???変なところですがそういうのが気になります(笑)

  • 北方三国志二巻読み終わった。ブワッ。どれだけ私の涙腺を崩壊させれば気が済むのだ。ラストの成玄固と呂布の邂逅が格好よすぎて憤死。こんなにすべてが見せ場になっている小説を読んだことがない。やあ、赤兎ですな。お前脇役じゃなかったのちくしょうかっこいい。

  • ・王允の仕掛ける連環の計→董卓、呂布によって殺される→曹操、対青州兵への気の遠くなるような戦、終わったと思ったら父を殺され、復讐に燃えてる隙に部下にまで裏切られる→裏切った曹操の元部下が、奥さんを喪った呂布を得る→曹操対呂布(陳宮)の長き戦い→孫策の決起。周瑜と合流→身を寄せていた陶謙に譲られた徐州と、新たな家臣・麋竺を得た劉備だがまた徐州を手放す羽目に……徳の人、がここで仇になる→陳宮の策(実は劉備に乗せられた形だけど)によって徐州を奪った呂布。ここまで。
    ・曹操がすごい。圧倒的な兵力の差を覆す軍略。そして荀イク登場でさっそく大活躍。頑張れ!
    ・曹操、実はとても寂しい人なのかもしれない。張バクに裏切られたことも手伝っているのかもしれないけど、「友達なんていらないやい!」って思いつつ「夏侯惇なら分かってくれるかも……」とかなんか可愛いな。しかしある意味孤高であることも君主や王たるものの役目だと思うし、難しいね。
    ・そして劉備に対するコンプレックス。許チョと典韋を得て「関羽と張飛みたいでしょ?」って。
    ・趙雲が帰ってきた!一気にボルテージが加速した。お帰り!
    ・孫策と周瑜が瑞々しい。周瑜の爽やかっぷりに全江東が震えるわ。
    ・個人的に二人でお酒飲んでる所が好きだ。臣下の礼をとってからも、ところどころ崩れちゃう敬語。最高の君臣であり親友であった二人を、もっともっと見たい。
    ・権ちゃん可愛いな。策の父親にも似た権への愛情が良い。お互いがお互いにない才能に最高の敬意を表しているところに、固い絆を感じた。この臆病で、大人びてはいてもからかわれて顔真っ赤にしちゃうような弟が、いずれ孫呉三代の夢を、呉の道を創っていくんだなあ。
    ・個人的には呉贔屓なのでもっともっと孫策周瑜孫権の描写が見たい。
    ・麋竺と劉備の会話がなかなか面白い。劉備に対しここまで明け透けに物を言うなんて、ある意味義弟達より距離が近いんじゃないだろうか。
    ・曹操の働きに対する焦り。「これが曹操なら……」曹操と劉備、英雄同士しか感じられない何かが互いを意識し焦燥感に駆り立てるんだろう。
    ・どんどん劉備が腹黒くなっていく。それでいい。いい人ばっか演じてたら天下なんて取れやしないんだから。
    ・呂布に萌えたよ……萌え尽きたぜ……
    ・母性と戦だけをひたすらに求め続けた呂布。天下への確かな光明が見えていても、そこに漂うもの寂しさったらない。「どうせ、いつかは死ぬのだからな」――奥さんを失った今、純粋にして残酷、子どものような呂布を満たすものは少なかった。
    ・事実上劉備軍から退かざるを得なくなった成玄固と、呂布との穏やかすぎる会話。この時の成玄固には、呂布が「求め、求めたものを守るために生きてきただけのただの人の子」であることが見えていたんだろうな。

  •  呂布の巻。呂布かっこいい!

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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