三国志 (6の巻) (ハルキ文庫 き 3-6 時代小説文庫)
- 角川春樹事務所 (2001年11月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894569461
感想・レビュー・書評
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[評価]
★★★★★ 星5つ
[感想]
前半は劉備、曹操、孫権の三勢力がそれぞれの方法で力を蓄える様子が語られている。劉備は三顧の礼で諸葛亮を迎え、曹操は河北を治め、北の羌族を排除している。孫権は水軍をさらに強化し、孫家の敵である江夏の黄祖を撃破している。
そして新たな勢力として西涼の馬超が登場している。ただし、馬超は中央には干渉せずに独自の勢力を築いているといった感じたろうか。なんだか浮世離れしている感じがする。
後半は曹操の南進が開始され、張飛の仁王立ちと趙雲の一騎掛けで有名な長坂の戦いが語られている。演義ほどの超人性は発揮されないが諸葛亮に関羽、張飛、趙雲を加えた劉備軍は今までの比ではない戦闘力を発揮している上に先を見据えた戦略的な行動を取れるようになり、これからの物語が楽しみになってきた。
それにしても北方三国志の諸葛亮はぼくとつな書生と言った感じだったな。しかし、心の中には熱いものを持ち、自らの力を試したいと考えているようでもある。中々に面白い人物だった。 -
ついに出た諸葛孔明。ちょっと、これまでの登場人物とは感じが違います。
北方文学の特徴というか、主人公が至極あっさりしている。例えば呂布や張飛など男らしい軍人タイプがもっとも魅力的に描かれる。また、戦闘場面、つまり戦術の領域は非常に生き生きと描かれる。しかし、諸葛孔明は戦術よりも戦略の人。また軍人というより策士という立場でしょう。こういう人間をどう描いていくのか、それが楽しみ(不安)です
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孔明が出て来た、若々しい好青年でなんかいけすかない。でも3回も会いに行く劉備かわゆす。劉備のだめんずっぷりを知っているから、そこまで執着することに驚きと慈しみを感じる。
黄祖はあっさりと倒せてしまう、前の川での戦いのときは苦労したのに。老いたということなのだろうが、もう少し頑張って欲しかった。
そして周瑜が結核ということで、なんだか堀辰雄を思い出してしまった。変にロマンチックな病気だよなー、不謹慎な物言いで申し訳ないけど。
関羽が老いを感じて苛立っていたりして、自分もそういうことがあるから親しみを持てる。死後神になったりして完璧超人みたいなイメージだったけど、北方センセはこういうとこで等身大の人間を見せてくれてありがたい。 -
趙雲が劉備の子供と奥方を守るシーンがある巻。
吉川版でもとても印象に残ってた。 -
長坂坡の戦い。
挙がる趙雲の雄たけび、敵が次々となぎ倒される。
圧倒的な存在感と威圧感、血が煮えたぎるような躍動感。
今までで一番の見せ場である。呂布よりもかっこ良く描かれているかもしれない。
そして三顧の礼から、軍師諸葛亮の獲得。赤壁の戦いへの準備。歴史は大きく流れ出す。 -
再読。
馬超&孔明登場。
主要人物も揃ってきてますます面白くなってきた。
蔡瑁のクズさ加減もまた良し。
本巻のクライマックス、「長坂の戦い」は鳥肌が立つほど興奮した。
ささ、次巻へ。 -
全13巻の4~6。
曹操が袁紹を倒し、全土統一へ王手。そこへ諸葛亮孔明が登場。孔明は、他の三国志では聖人のような描き方がだ、北方三国志は人間臭さがある。
ここから物語が加速していく。7巻では、いよいよ、赤壁の戦い。 -
諸葛亮かっこいいw 劉備軍には戦術はあるが戦略がない。シビれる指摘。劉備も周瑜も曹操も志を語るシーンがいい。志がある上司ってのは求心力ある。さて諸葛亮の戦略により舞台は整いつつある。次巻はきっと赤壁の戦い……開戦!!!(…だと思う。