ロジカル・プレゼンテーション――自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」
- 英治出版 (2004年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784901234436
作品紹介・あらすじ
「提案の技術」というと、いかにも地味で専門的な印象を持たれるかもしれない。ところがどうして、現在のビジネスの現場で、これほど必要とされる能力はないといっても過言ではない。「提案の技術」がないゆえに、どれほど多くの「優れたプラン」が具現化されることなく消えていったことか。本書は、そうしたビジネス上の詰めの甘さを自覚し、提案を成功に導くための「技術」を明らかにしたものである。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
20200415
ロジカルシンキングに加えて、提案することのスキルを重要視した著作。そのため本書の構成としては、論理思考力と仮設検証力に加えて、会議設計力と資料作成力を解説している。
詳細は以下メモをしているが、いずれのパートでも相手に伝わるにはどのように表現したら良いかを徹底して考えることが重要である。相手の疑問があり、それに答える形で論理を構成する。そしてそれを確認していくツールや会議は効果的に設計されているか?それを自問しながらコンサルティングライフを進んでいきたい。
//MEMO//
シンキングはいくら程か参考書は読んだが、プレゼンテーションの為の本はあまり読んだ事がない。従って、ロジカルに構成した内容をどのように伝えると効果的か学びたい。
提案を通すること=考えることと伝えることの両輪
①論理思考力
・縦の論理=因果関係。「本当にそうなの?」に答える
・縦の論理がつながらない原因
(1)前提条件の違い
(2)異質なものの同質化
(3)偶然の必然化
・横の論理=MECE。「それだけなの?」に答える
言葉のレベル感を揃えて同次元でMECEする
(1)同じ視点
(2)同じ切り口
②仮説検証力
(1)目的
→議論のスタンスの取り方、相手の要望の理解
(2)論点
→論点を外してしまう4つのパターン
議論のスタンスが違う場合、相手の要望が理解できていない場合、具体的な判断項目が出せていない場合、相手が既に答えを持っているところに意見してしまう場合
(3)仮説
→仮説構築の3つのステップ
論点をしっかり頭に入れる、常に答えは何かを意識する、とにかく多くの情報を眺める
(4)検証
→強いファクト
定量情報、1次情報、第三者情報
(5)示唆
=論点を絞り込むために役に立つ情報
→3点に留意
目的と論点をきちんと理解しておく、論点の絞り込みに集中する、検証不能な作業設計をしない
③会議設計力
(1)会議の着地点を定める
・会議の位置づけ
仮説検証の視点、コミニケーションの視点、問題解決の視点
・イン/アウト
インプットに新しい感があるか?、インプットに進んでいる感はあるか?、アウトプットは先を急ぎすぎていないか?
(2)着地スタイル
・読む人か、聞く人か
・全体観派か、芋蔓派か
・トップダウン派か、ボトムアップ派か
④資料作成力
・メッセージ
=説明、ファクト、示唆
・チャート
=オブジェクト(イラスト、グラフ、テキスト)
+レイアウト(連関図、フロー図、樹形図、テーブル図)
・スライド
=上段部に必ずメッセージを入れる。メッセージとチャートを、きちんと対応させる。
・パッケージ
=必ず示唆を含める
・マテリアル
=サマリー、前提、全体像、内容、論点ペーパー、フォーマット、スケジュール、参考データ
-
2018.08.06 読了
かなりよかった。
めちゃくちゃ学ぶことはあったけど
特に重要やと思ったのは以下3点
・人によって視点が違うので、各人の当たり前が通じないこと
・論理的であっても伝え方が悪ければ伝わらない(論理的思考はあくまで手段で、相手に伝わることがゴール)
・状況に合わせたフレームワーク(マーケティング5Pなど)を用いることで抜け漏れのない論理を構築しやすい(本書でいう横の論理)
★以下メモ
・提案が通らないのは、相手にきちんと伝わっていないから
・紙にまとめられない=正しく理解できていない
・突っ込まれたときに具体的に論理を説明できるようにしておいて、話すのは必要最低限が理想
・営業視点、エンジニア視点、経営視点、など一つの視点ではなく複数の視点で、具体的なメリデメを把握しておけば漏れがなくなる
・話していることの暗黙の前提が、相手にはわからないので、話が繋がっていないように聞こえる
・外資系は上昇志向が高いから好き。→外資系の中でもたくさん種類があるのに一括りにすると、疑念が生まれる
・因果関係は偶然なのか必然なのか考えるべき
・新しく参入するのに、提携先は大企業ってなると、「タイミング、場面」が違うってなる。
→こういうタイミングでは新規参入なので、参入先の資本のでかさよりも成長性、先進性を優先すべき
・ミーシーにするためにはマーケティング5Pとかのフレームワークを参考にしてみる。状況にあったものを使うこと
・話してる相手は視点も捉え方も自分と異なることが予想以上に多い
・ミーシーを目指すために時間、情報の流れ、人の気持ちを考慮すべき
・相手を納得させることが目的であり、論理的に話すことはその手段であることを認識する
→論理的に話したからって納得するとは限らない
・相手が何を疑問に思っているか、要望は何かを理解する
→打ち合わせするときも相手が何の話をしたくて、何を疑問に感じてるか、何を解決したいかを探り、考える
・話の締めくくりは具体的なものにする。スケジュールはこれでいきます。いいですね?的な
→つぎの動きがわからなくなるから
・考える労力は自分側で持つ
→どうすればいいですか?:×
→こう考えているが、これでどうか?:◯
・縦横の論理(本当にそうか。他にはないか。を意識して仮説を立てると精度が高まる)
・論点のない仮説、仮説のない検証は意味がない
・「定量×一次×第三者」の情報が根拠として一番つよい
→一時情報とは自分の足や、目で実際に得た情報で例えば業界団体の市場予測など。二次とは誰かがまとめなおした情報のことで、なにかの情報を又聞きしたみたいなこと
・論点とは議論によって意思決定が変わる可能性のあるもの
・答えはなかなか出ないので、こうした方がいいんじゃないか?という示唆を出すに留める。
→出ない答えに時間かけすぎると話が進まない
・検証のために情報を集める際、なにを検証したくて情報を集めているのか意識する。情報を集めるのは検証するための手段であって目的でない。
・指示を出す際もきちんと論点と何を検証したくて調べてもらうのかを意識して伝える。〜〜を調べといて。という風に情報を集める指示だけすると、そいつには論点が見えてないので示唆を得るような調査ができない
・論点を絞ることが大切→相手が興味なさそうな、納得しなそうな情報は言わず、相手にとって、マジか!それならそうしなあかんな!と思わせるようなインパクトのある情報、根拠をぶつける
・そもそも調べようとしてる情報は検証可能なものなのか意識すること。不可能なことを調べる時間はもったいない
・会議では何について話すのかの議題と、何を決めるのかの論点を意識する
・★経営者に提案する場合は経営視点で提案するなど相手に視点を合わせるのは重要
また、技術視点では当たり前でも他の視点では何故その論理になるのか分からないとなりかねない。やはり相手視点を意識することが重要
・★会議によって、最終的に出したいアウトプットは変わるので、どんな終わり方にしたいか意識する
→今回は問題点を洗い出す。とか、今回は何かに関して意思決定する。とか
・聞くタイプと読むタイプがいるので、それぞれのタイプに合わせて説明方法を調整する必要がある
・縦の論理を意識する人と横の論理を意識する人が違うので合わせる
・★資料(サービスでいうと説明ページやLP)は人間の感覚に逆らわないように注意する。向上って書いてるのに下矢印とか同じ図形で区切られてるのにひとつだけ全くレイヤーが違う説明とか
・★不要な下線とか装飾とか色とかは情報量を無駄にアップしてしまうので、意味がないなら極力使わない
・共通項の括りだしで簡潔に。
駅からの距離や会社からの距離→駅や会社からの距離
・★図やイラスト、チャートを使った方がわかりやすいところは極力文字を使わない。文字じゃないと分かりにくいところに文字を使う
・★ひとつのスライド、まとまりに対して、トピックセンテンスをつけること。それができないということはそのまとまりにはあまり意味がないということ
・説明を横書きでかくときは左上から右下へ向かってかくこと
・高さや横位置は揃えないとバラバラしてるように見えて複雑に感じられる
・多分この人やとこういう根拠とか言い方とかをすれば納得するやろなあってのを考える
-
戦略コンサルティングの講義に向けて、
予習教材として自分でセレクトした本。
といっても前々から色々な方面でお勧めされており、
気になっていたのですが、なかなか読む機会に恵まれず、
よい機会だと思ってチャレンジしてみました。
論理的に考え、説明する(プレゼンする)技術について、
全体感を意識して、分かりやすくかかれたとても良い本だと思います。
一部、ストーリ仕立てにもなっているので、
読む側があまり肩肘張らなくてもよいように配慮もされています。
就職活動しているとき、著者のセミナーを受講したことがあるのですが、
著者の人柄の表れた素晴らしい本だと思います。 -
お堅い感じの装丁とは異なり、非常に読みやすかった。
その理由としては2つ考えられる。
1つ目は、ストーリーとそれに沿った解説で構成されている点である。具体的なシチュエーションが想像でき、解説が頭に入ってきやすい。
2つ目は、場合分けと図解を用いて解説している点である。ストーリー中で発生した問題の原因について、場合わけと図解で解説されているため、抽象度の高い話でも理解しやすかった。
ロジカルシンキング系の本で挫折した方にも読了できる一冊といえる。 -
★提案の技術とは何か
「正しく考える」能力と「正しく伝える」能力は、ビジネスマンにとって不可欠。→バランスよく身につける必要がある。
【論理的であるとは】
・人が納得しない場合の反応は
「本当にそうなの?」…横の論理が弱い。因果関係説明不足。
「それだけなの?」…縦の論理が弱い。漏れやダブりがある。
・論理的か否かは相手が決めること。
1.論理的思考力
《縦の論理が繋がらない3つの原因》
(1)前提条件の違い…AならばB→本当にそうなの?
(2)異質なものの同質化…違う話を混同してないか?
(3)偶然の必然化…論理の飛躍
《横の論理》
◯MECEにするには
(1)フレームワークを用いる
●環境分析の3C「市場」「競合」「自社」
(2)漏れをなくす
●六次元で自分の頭で発想する
(3)ダブりをなくす
→自分が想像している以上に、相手は自分と異なる立場で、異なる捉え方で物事を見ていることを忘れない。 -
読んで実践することで、なんとなくやっていたことが
かなり型化され、時間短縮、成果物の質の安定した。
特に分析のしかた(HOWでなく、まずWHERE)が、今まで読んだどの本よりも分かり易かった。
仕事次第で、一部を使ったり全体を使ったりするが、
都度読みかえして基本に戻るようにしたい。 -
著者は、1973年生まれ。東大中退、京大卒。
内容は、大満足。良い!
プレゼンを作成するときに、また読み返して
確認するのがよさそう。
「どうまとめたらよいか」が簡素に
順序だてて、ポイントについて解説されている。
ビジネスマンのプレゼン作成者にお勧め。
〜以下、◇○本より抜粋、●・コメント〜
◇仮説検証力とは
○まず、相手の疑問を知る
○次に、その疑問に対して答える
◇提案する
○相手の話を聞くこと
○しっかりと相手の話を聞いて理解する
●あれ?
話して伝えることぢぁないんだ!
よく聞いて理解するネ
◇論点を把握する
○相手が意志判断を行う際に検討する項目のなかで、
まだ確固たる答えを持っていないがために、
検討を行えば意志判断の結果にちがいが生じる
可能性のある項目
●目的に対してポイントをおさえること
◇漏れをなくすこと
○答えは、6次元で考えることである。
モノが売れていく状態を考えた場合
○目に見える3次元(タテ・ヨコ・高さ)
Product モノがある
Package きれいに梱包されている
Place お客さんがいて売り場がある
○時間の流れと目に見えないもの(情報の流れ・人の気持ち・時間の流れ)
Promotion 宣伝活動
Price お客様は値段を気にする
◇会議や提案の場で「気の利いた発言」ができる人は、
この「どこが原因で議論が停滞しているのか」を
瞬時にしてじつに的確にとらえている。
例えば、フレームワーク的な視点が欠けている会議で
は議論の視点について助け舟を出す
●会議の構造を自分の中で、フレームワークにしておくこと
◇仮説とは、論点に対する自分なりのヤマカンの答え
◇仮説を出すためには、なんらかの情報が必要。
仮説は、無からは生まれない
◇作業のなかで仮説を出しているのか
出た仮説を検証しているのか、常に意識する
◇相手に考えさせない
×「いろいろありますがどうしましょう」
◎「ここでの選択肢はAかBかCだと思いますが
私はこういう理由からAがよいと思います」
●お客様に代わって自分が考えてあげること
◇仮説構築の3つのステップ
1. 論点をしっかり頭に入れる
2. つねに「答えは何か」を意識する
3. とにかく多くの情報を眺める
◇着地のスタイルを決める
○提案を通りやすくするための「味付け」は、
相手のテイストにあわせること
●難しいけど、そのために、「仮説」がいるのかな。
◇スライド絵に入れる説明は3つ
「説明」 この図は1996年から2002年までの
弊社の売上高を示したものである
「ファクト」1998年をピークに、ここ数年は
売上高は減少の一途をたどっている
「示唆」 将来に向けて、売上高を増大させるよう
な施策が求められているのではないか
◇メッセージは端的に
1. メッセージとは、スライド上部に3行程度で書かれる
「最も言いたいこと」
2. メッセージには「説明」か「ファクト」か「示唆」
の3つがある
3. 簡素に・言葉を統一して・印象に配慮する -
我が家には新人コンサルタントのためのビジネス書が10冊ぐらいある。
全部もらいものであるが、チマチマと読んでいる。
ビジネス書を読んで仕事できる気になったら負けかなと思ってたが
ハッと気付かされるような記述もしばしば。
ちょっとできる気にさせるところが売れてる原因なのでしょうか。
この本の記述は分かりやすい。逆に言えばすぐ読める。
・論理思考力
・仮説検証力
・会議設計力
・資料作成力
の4つの能力について書かれているが、プレゼンテーションをテーマにするだけあって、面白かったのは会議設計力。
(論理思考力とか仮説検証力とかはどっかで聞いたような話)
「ボールを自分で持つな。すぐ誰かに渡せ」とよく上司に言われる僕であります。
会議設計力の章では、いつ誰にどうやってボールを渡すのかという点について参考になった。
プロジェクトのどの段階でどんなテーマの誰が出席する会議をセットすればよいか。
さらに、出席する相手に合わせて、どう話を進めていけばよいかが分かりやすく書かれている。
ま、自分主体の会議設定したことがない人間がいうのも何ですけども!
夏ぐらいにまたサラッと読み返そうかな。