- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784902744835
感想・レビュー・書評
-
コーヒー屋さんが選んだコーヒーに合う短編集。
太宰治、宮沢賢治、坂口安吾…
コーヒーが出てくる作品ではなく、現実のいろんなことをちょっと横に置いて、喫茶店でコーヒーを飲みながら読むのにぴったりな十作品。
「小説は、読まなければならないものではない。そこがコーヒーとよく似ている。コーヒーを飲まなくても、人は生きていける。どちらも、あってもなくてもいいけれど、あれば人生が豊かになる。だから、小説とコーヒーはよく合うのだ。」--p.260
と庄野さんが「おわりに」で書いているのですが、名言ですね。
読んだことのある作品もこういう形になるとまた雰囲気が違って読めるし、アンソロジーって面白い。
岡本かの子「鮨」はまた読み返したい作品になった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
実に面白い。
特に、プロローグが良い。
「小説には、ノンフィクションや哲学書のように、何の答えも書かれていない。しかし、それが何より素晴らしい。読んだ人の数だけ物語がある」
「コーヒーはいろんなものに寄り添えるところがいい。特に本との相性は抜群だ」
作者が、「自由に小説という荒野を駆け回る様を味わって欲しい」と思って選んだ小説10篇が掲載されている。
●グッドバイ 太宰治
→ 伊坂幸太郎:バイバイ、ブラックバード に通ずる?
・桃太郎 芥川龍之介
・水仙月の四日 宮沢賢治
●日記帳 江戸川乱歩
・鮨 岡本かの子
・愛撫 梶井基次郎
・七階の運動 横光利一
●嫉妬する夫の手記 二葉亭四迷
・野萩 久生十蘭
●夜長姫と耳男 坂口安吾 -
コーヒーの小説じゃなくて、コーヒーに合う小説。
短編集です。
乱歩さんの短編初めて読んだけど、なかなか素敵。 -
庄野雄治さんは、コーヒーの焙煎を仕事にされてるが、かなりの小説の読み手なんだろう。どの短編も良い。
「グッド・バイ」は僕の母親が妙に明るい話だと言っていた。
「桃太郎」はいろんな人が桃太郎の加害性に言及してたけど元ネタはこれだったのかと思った。
江戸川乱歩「日記帳」、短編ドラマで観た「算盤が恋を語る話」と同じ話。乱歩も異常に内気でプライドの高い人だったのか。
岡本かの子「鮨」はベストワン。素晴らしい短編。「夜長姫と耳男」も恐ろしくも美しい話。
世の中には面白い短編がたくさんあるんだな。
#読書記録 -
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
こういう本はなかなかない。
話のセレクトも、ちょっと空いた時間に読める文量もちょうどいい。
古典なのに古さを感じないところがすごい。もう一度読む。 -
コーヒーの出てくる小説じゃなかった。普段読まないような作家の作品が読めてよかった。
-
コーヒーはいろんなものに寄り添える。特に本との相性は抜群だ…。コーヒー豆を焙煎する
コーヒーロースターという仕事に就いている庄野氏セレクトのアンソロジーになります。
チャーミングな十編を選んだとのことでしたが、文豪の書かれた作品が多かったです。
意外にもコーヒーとは無関係の話しか収録されていなかった。タイトルはミスマッチかも? -
グッドバイが一番おもしろかった。
コーヒーも小説もなくても生きていける。でもあれば生活は豊かになる。