小田嶋隆のコラム道

著者 :
  • ミシマ社
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感想 : 92
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903908359

感想・レビュー・書評

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  • ほぼ駄文が続くんだけど、たまにハッとすることが書いてあるのでなかなか読み飛ばせない。視点の変え方とか。
    ネット連載をまとめた本ということで、締切があいまいで難産だったようだが、小田嶋のコラムの書き方という貴重な本なので、ぜひぜひ情報をアップデートして続編を出してほしい。

  • 2015年6月16日読了。コラムニスト小田嶋氏による不定期連載を単行本化したもの、巻末に内田樹との対談もあり。日経ビジネスオンラインの連載を愛読しているが、書くことについて、コラムとは・コラムニストとは何で、どうあるべきかということについて自覚的であり、苦悩し呻吟してそのプロセスも含めて文章化する、非常に誠実な書き手であると改めて思った。「コラムの書き方」をこの人に教わってもどうせ同じようには書けないし、「オダジマコピー」を生み出しても意味はない、テクニックとして学べるのは「世間と違った視点を大事にする」「推敲はアタマが冷めた翌日にする」「書くために締切を設定する」などのきわめて基本的な事柄ばかりだが、本質は結局そこなのだろうな。

  • 過去の大家たちと比べれば、果たしてコラム「道」を語れるような位置にいるのかどうか疑問だ。ラジオなんかでしゃべったり、ウェブの読み飛ばすようなコラムはおもしろいと思うのだけれど、なんか薄っぺらなんだな。

    例えば二股疑惑の無名俳優の話題を書いて、3年経ってみると本当にどうでもいい。時代の空気の記録という意味はあるのだろうが、ハナクソ以下の価値しかない、単に芸能マスコミが埋め草に騒いだものを取り上げて書籍として値段つけて売るのはどうなんだろう。

    文章についてはいろんな考え方があるのであれだが、この文章はどうなんだろうか? 俺は下手だと思う。

  • コラムと言いますか、文章の書き方を学べる本なのですが、この本自体が面白いコラムに仕上がっていて楽しめます。

  • 小田嶋隆のコラム論。「どう」ではなくて「みち」と読むのが正しいのだろうか?まぁ、どうでもいいけど。(早速、文体がうつっている、困ったもんだ)
    まとまった文章を書くのに困ったときに読むといいかもしれない。とりあえず視点を変えて書き出せるかもしれない。読んだ後でテーマがあるなら数千字くらいなら一気に書けそうな気がする。ただ小田嶋隆の文体で提出できる先があるとするならだけど。

  • コラムの上手な書き方指南の本では有るが、普通にコラムを書く人はそう多くないであろう。しかしネットの世の中となり、カキコする人も多い為、その参考にはなる。文章が上手くなるにはとにかく書くこと、頭の中だけで文章を組み立てられる人はいないとの事。ドナルド・キーン氏が三島由紀夫氏のエピソードとして、キーン氏が近代能楽集を欧州で公演する際に短すぎる各話を一つにまとめたいと考えていた。たまたま三島氏に会った時に、そのことを伝えると、氏はその各話をつなげる脚本をその場でさらさらと書き、しかも原稿には訂正した箇所が無かった。世の中には本当の天才がいるのだと、キーン氏は深いため息をついたという。これを小田嶋氏は文章を書く仕事をしている人間として、こんなたわけた天才を認める挿話を信じるわけにはいかないと書いている。真偽はともかくとして、この位の気持ちでコラムを書くからこそ、面白い文が書けるのだと感じた。

  • 著者は、食品メーカー営業マンを経て、テクニカルライターの草分けとなる。国内では稀有となったコラムニストの一人。

    著書に「わが心はICにあらず」「人はなぜ学歴にこだわるのか」等多数。

    原稿を書く作業は、その都度はじめての経験である。構成の立て方や話の運び方について、経験から学び得る部分がないわけではないし、言葉の選び方や結末の工夫についても、おそらく方程式の解法に似た手順が存在しているはずだ。

    それでも結局のところ、空白の液晶画面にはじめての文字をタイプする書き手は、毎回、手探りからはじめなければならないものである。

    本書は、そのメソッドやプロセスを公開することではなく、コラムが毎回はじめての経験であるということの楽しさを、読者と分かち合うところにある。

    文章を書くことについては、ルールはある。
    しかし、コラムにはルールはない。好き勝手書いてもいい!?

    でもできるなら人様にさらけ出すような文であれば、少しでも共感していただいたり、おもしろいなと思っていただける方が良いにきまってる。

    文章を書いて、表に出した時点でその文章を目にする人の時間を奪ってしまう。どうせなら有意義な時間であった欲しい。

    コラムと私が書いている文は違うとは思うが共通点も多いように思う。

    本書を通して自分の中でも答えはでなかったものの、いつまでたっても答えは出ないということは十二分に分かった。

  • 人気コラムニスト小田嶋隆による「コラム」という文章はどう書くべきかをまとめた一冊。

    コラムは記名文章、という点でその論旨の責任は自分にあり、主語の使い方に注意しているのだと感じた。

  • 誠実な向き合い方の、ひとつの形を教えてくれる。誰に誠実なのか。読み手だったり、仕事だったり、自分自身だったり、なによりも文章そのもの。こうした本を最近よく手に取ってしまう。

  • 天才コラムニストとして追いかけ続けている、小田嶋氏のコラム論。
    題材の選び方、書き出しの決め方などなど、「こういうこと考えているのか」と、氏の頭のなかを少しだけのぞけた気分。
    ただ、これを読んだからといって、その文章術はとうてい真似できるものではない。あくまでも「参考書としてのコラム集」。

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著者プロフィール

1956年東京赤羽生まれ。早稲田大学卒業。食品メーカー勤務などを経て、テクニカルライターの草分けとなる。国内では稀有となったコラムニストの一人。
著作は、『我が心はICにあらず』(BNN、1988年、のち光文社文庫)をはじめ、『パソコンゲーマーは眠らない』(朝日新聞社、1992年、のち文庫)、『地雷を踏む勇気』(技術評論社、2011年)、『小田嶋隆のコラム道』(ミシマ社、2012年)、『ポエムに万歳!』(新潮社、2014年)、『ア・ピース・オブ・警句』(日経BP社、2020年)、『日本語を、取り戻す。』(亜紀書房、2020年)、『災間の唄』(サイゾー、2020年)、『小田嶋隆のコラムの向こう側』(ミシマ社、2022年)など多数がある。
また共著に『人生2割がちょうどいい』(岡康道、講談社、2009年)などの他、『9条どうでしょう』(内田樹・平川克美・町山智浩共著、毎日新聞社、2006年)などがある。
2022年、はじめての小説『東京四次元紀行』(イースト・プレス)を刊行、6月24日病気のため死去。

「2022年 『諦念後 男の老後の大問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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