小田嶋隆のコラム道

著者 :
  • ミシマ社
3.77
  • (38)
  • (79)
  • (44)
  • (13)
  • (3)
本棚登録 : 589
感想 : 92
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903908359

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 職人的コラムニストがコラムの書き方をアドバイス。長年の経験に裏づけられたアドバイスはどれも納得できるものばかり。とくに、推敲のし過ぎで書けなくなる完全主義的メンタリティへの警告が参考になった。「欠点を含まない文章は、個性を発揮できない」(89ページ)。全14章のアドバイスは、それぞれがすでにコラム的技巧で綴られており、読むだけでも面白い。

  • コラムの書き方にとどまらず、楽しい読み物になってます。

    ものを書くのは難しいけど、楽しい作業だよね、と再認識しました。

  • 面白い。なるほどです

  • 言葉に関しての考察と思考実験。モチベーションとか、推敲とか。自分は会話のほうが文章よりも好きで、文章の中でも結局インタビュー記事とか対談形式の記事みたいなのは読みやすいといった人間で、つまり、なにを言いたいかというと推敲とか絶対やりたくない感じの人間なのだなあということを再認識。最近生み出した技はプレゼンの骨格を作るときに誰かに説明する感じで会話体でテキストを書くという技。前は、プレゼン資料作る>印刷して、それをもとにプレゼンの練習>推敲ってパターンだったんだけど、会話体でテキストを起こしてそれを補強するプレゼン作ったほうが断然早いという。会話するときに、ああ、これは説明しきれるな。と考えていれば説明しきれる。あの、準備感ってのはどういうロジックから出来てるのか全然わからない。不思議。自分のことながら。で、全然この本のことを書いていないんだけど、そして、たぶん書かないんだけど、コラムという形式は絶対量が決まっていて囲まれているという物理的特性から様々なことが決まるんだけど、雑誌とか小説とか新聞とかいう物理的特性と共にあるメディアが廃れていくに従ってたぶんこの形式もなくなっていくのだなあという風に理解しました。で、自分が何をしようか?と考えたのが推敲なしの文書形式。例えばこのテキスト。会話のようにどんどんと繰り返す。redundancy welcome!みたいな。spontaneousなので、推敲はできない。訂正はできる。訂正は、そして、リズムを生み出すのだ。訂正という行為が音楽や会話のロジックなんだよねたぶん。じゃあね。

  • いつもながらの安定した品質

  • コラムといえど、完璧な文章読本でした。

    覚えておくべきこと多数あり。

    文筆の世界には”天才的な才能”などない。
    「技巧」と「アイデア」は身につけることができ、それを
    失うということは無い。コントロールが可能な部分は「モチベーション」。

    ”ネタ”は出し続けることで生まれる。何も書かないでいることが
    ネタがたまる、ということではない。
    たくさんのアイデアを出すと、ネタの在庫が切れるということは間違い。
    ひとつのアイデアを思いついて書くことで、3つ4つのアイデアが出て
    くるものだ。

    推敲しすぎて、ドツボにはまる人が多い。
    書きだしに気にする必要はない。とりあえず書く。それでも後から
    ぬるすぎると思ったら、印象的なフレーズを持ってきてしまう。

    文末に最後の一行を要約してもってくる手法(黄金の左足がサムライ
    ブルーを救う、とか)を思考停止だと言っているが、ここで
    何故最近のスポーツ新聞がつまらなく感じるのかが分かった気がする。
    要は、文章が紋切り型すぎるのだ。

    とにかく、気付く要素がたくさんの名著。

  • 文章も会話も、とびぬけて面白い人、小田嶋隆。
    柔道、剣道、コラム道。そう、文章を書くという事は人の生き様、道であるのだ。地雷を踏む勇気も読んでおきたくなった。

  • 内田樹先生曰く「日本の宝」たるコラムニストによる、コラム術解説書。小手先のテクニックではなく、文章を根幹で支えている考え方について、彼独自の視点で編集を施した一冊。おもろー。

  • 面白くないというのではないけど、あまり参考になるところがなかった。自分はコラムニストを目指していないから?

  • コラムを書くための手とり足とりのハウツーではない。が、テンポの良い文体とキレのある言葉遣いでコラムを書く上での基本的な心構えのようなものを教えてくれる。WEB上の連載コラムを再編集して書籍化しているので毎回冒頭の言い訳がくどいが、ま、これも一つのスタイルか。
    巻末の内田樹との対談も褒め殺し合いがよろしい。
    ミシマ社はやはりレイアウトが優れているのか読みやすい。

全92件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1956年東京赤羽生まれ。早稲田大学卒業。食品メーカー勤務などを経て、テクニカルライターの草分けとなる。国内では稀有となったコラムニストの一人。
著作は、『我が心はICにあらず』(BNN、1988年、のち光文社文庫)をはじめ、『パソコンゲーマーは眠らない』(朝日新聞社、1992年、のち文庫)、『地雷を踏む勇気』(技術評論社、2011年)、『小田嶋隆のコラム道』(ミシマ社、2012年)、『ポエムに万歳!』(新潮社、2014年)、『ア・ピース・オブ・警句』(日経BP社、2020年)、『日本語を、取り戻す。』(亜紀書房、2020年)、『災間の唄』(サイゾー、2020年)、『小田嶋隆のコラムの向こう側』(ミシマ社、2022年)など多数がある。
また共著に『人生2割がちょうどいい』(岡康道、講談社、2009年)などの他、『9条どうでしょう』(内田樹・平川克美・町山智浩共著、毎日新聞社、2006年)などがある。
2022年、はじめての小説『東京四次元紀行』(イースト・プレス)を刊行、6月24日病気のため死去。

「2022年 『諦念後 男の老後の大問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小田嶋隆の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×