村上春樹とイラストレーター -佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸-
- ナナロク社 (2016年7月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904292662
作品紹介・あらすじ
村上文学を鮮やかに彩るイラストレーションが満載!
ちひろ美術館・東京(練馬区)で2016年8月7日まで開催された同名の展覧会をベースに、佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸が村上春樹と共作したさまざまな作品を、見ごたえたっぷりのカラーページで紹介します。
ちひろ美術館学芸員による解説とコラム、資料ページ(作品リスト、収録書籍一覧、「村上春樹とイラストレーター略年譜」)も充実!
ことばと絵の響きあいを楽しめる、ポケットサイズの愛らしい作品集です。
帯、大扉タイトル文字:和田誠
装丁:大島依提亜
感想・レビュー・書評
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村上春樹さんの文章と佐々木マキさん、大橋歩さん、和田誠さん、安西水丸さんの4人のイラストレーターの絵との素晴らしい仕事の相乗効果によって現れる素敵な世界。
ページをめくる度にワクワクしてしまうのはもうある意味仕方ないですよね。
コンパクトでしっかりした装幀は、ちひろ美術館で展覧会があった、その解説本なのかな。
個人的には『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』や羊男など、佐々木マキさんのイラストが一番印象に残っています。
豊富なイラストとそれに添えられた(またはその逆や同時に作られたもの)にそれぞれの解説、寄稿や対談、掲載された文、イラストの書籍一覧。
安西水丸さんと和田誠さんの対談がまた、めちゃくちゃカッコイイ。
安西水丸さんが描くはずだった「セロニアス・モンクのいた風景」のイラストを和田誠さんが引継いだそれには、モンクにハイライトを差し出す安西さんが描かれているのだけど、そのハイライトのパッケージデザインは和田誠さん、というなんとも痺れるエピソード。
ちなみに、佐々木マキさんのこと、今の今まで女性だと思ってました…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
村上さんの装丁を手がけているイラストレーターさんの展覧会があったのかな?
ちひろ美術館監修の展覧会図録のような一冊。
文庫本みたいに小さいけどハードカバーで、なんだか特別感があります。
「村上春樹を読む」的な解説本は読むのに抵抗があるのですが、これはそういうのとは別物です。
それぞれのイラストレーターさんと村上さんとの親交とかが、読んでいてしあわせ。
とくに水丸さんのくだりは、胸にくるものがあった…
あと、あと、「渡辺昇」が水丸さんの本名だと知れて感動しました!!
新作の装丁はどんなものかしら〜待ち遠しいです! -
企画展には行けず残念だったが、愛情あふれる編集でとてもいい本だと思いました。文庫というのが唯一残念な点。もっと大判でイラストを楽しみたかった。
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村上春樹作品の装画を手掛けてきたイラストレーターたちとその作品集。安西水丸さん、和田誠さんが鬼籍に入られ(この本出版時点では和田さんはご存命なのだけど)この二人とのコンビ(あるいはトリオ)は永久に見られないのだなと残念に思う。私個人の村上春樹との出会いは21歳の時の『風の歌を聴け』で、こちらの装画は私が幼少期に親しんでいた佐々木マキさんだった。(佐々木マキさんが男性だと知った幼少期の私の衝撃ったら!)それも惹かれる要素だったのかも、と思うと装丁の威力と言うのは計り知れない。
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この本に出合ったのは、実は、ソウルの教保文庫。光化門店ではなくて、ちょっと素敵なジャンル分けをしているお店でした。おそらく、日本の書店では出会うことがなかった本。地元の本屋は、新刊書籍と売れ筋本と雑誌だけだし、よく行く大型書店は、大きすぎて目が回るので、いつも、目的の棚へまっしぐら。何となく、面白そうな本はないかな、とふらふら回ることが出来る書店に行ってみたいです。
さて、村上春樹作品を手に取ると、もれなく付いてくる素敵なイラスト。
こんな素敵なイラスト、装丁を文章に添えてもらえるなんて、ものすごく羨ましい。
こんな素敵な挿絵がついたら、平凡な文章だって100万倍は素敵に感じるに決まっているじゃないですか。いや、それは、違うのかな。村上春樹さんの文章が大好きな人たちだから、相乗効果で読者を楽しませてくれる作品になったのだろうな。
人との出会いって偶然よりも必然なのかな、ということを感じずにはいられない、そんなエピソードの数々です。
イラストを描いたときの技術的なことも含めた裏話も。 -
水丸さんが亡くなってからもう4年にもなるということに驚いた。村上春樹も、インスピレーションを与え合う友達が減っていく中で、その作風が変わっていくのを止められないのじゃないか。
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作家とイラストレーターの関係性が覗き見れておもしろかった。大橋歩さんの銅版画がすき。シンプルだけど大橋さんらしい変な味があって。この本読んだ後に村上作品を読むと、物語だけでなく、イラストや装丁も楽しめるようになるからいい。久々に村上作品読みたくなった。