太宰作品は3作しか読んでいないのですが、去年太宰生誕100周年ということで斜陽館に立ち寄ったときに購入してみました。読んでみて、この1冊で太宰のおおまかな哲学は知れるんじゃないか…という印象を持ちました。
私は太宰のファンとは言えない…というか、特に『人間失格』なんかはどういった心境で書いたのかによって、個人的な見方が変わると感じている作家です。
でも地元が近いから、とかいう理由で、わりと学校でも推奨されたりして、意識しないわけにもいかなかった作家でもあります。
様々な小説から抜き出されている短い名言だけでは、全部はわからないかもしれないけれど、実はものすごくシニカリストで、ものすごく醒めた目線で自分自身のことをも見ていたんじゃないか…?と感じる言葉が結構あって、それならば私はこの作家のことが好きかもしれない、と感じました。
これを読んだうえでまた著作を読むとまた印象が変わるかもしれない。
『自己優越を感じている者だけが、真の道化をやれるんだ』
『真の愛国者は、かえって国の悪口を言うものですからね』
・・・・・印象に残った。