- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784939138621
感想・レビュー・書評
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テルマエ直前の頃リスボンに暮らしていたヤマザキさんのブログ記。以前イタリア人夫の実家を題材にしたマンガやエッセイを読んでいたので強烈ぶりは知っていたが、ヤマザキさん自身もものすごいパワーの人だなと改めて思った。
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mixi日記とブログから構成されたエッセイ。
mixi日記というのが、まず懐かしかった。
mixiを知り、どっぷりハマっていく姿が、ほほえましい。
国際結婚に、異国での生活。
日本とは異なることがあると予想はするが、イタリア的家族主義はその想像をはるかに超えてくる。
エピソードが強烈すぎて、自分なら耐えられないなと思ってしまう。
それでも、なんだかんだと文句を言いつつも、やり抜いてしまうタフさが、さすが。
車で2500km移動とか、行動のスケールも違って、自分では経験できない世界を見られた。
古代ローマに、そしてその公衆浴場に興味を抱くという、『テルマエ・ロマエ』へとつながるエピソードもちりばめられていて、経緯が興味深かった。
写真がモノクロで小さく、人物も風景も、細部がほとんどわからないのが、残念。 -
漫画『テルマエ・ロマエ』の作者・ヤマザキマリさんがリスボン在住中に、mixiやブログに書かれた日記を1冊に収めた本書。
2004~2008年の出来事が、ヤマザキさんのエネルギッシュな文章で綴られています。
『望遠ニッポン見聞録』や『テルマエ・ロマエ』のコラムなどがよそゆき仕様だとすれば、こちらは完全にプライベート。
なので、パワフルすぎるお姑さんやなかなか風通しのよいお部屋については、ヤマザキさんの愚痴も混ぜつつ…といった感じです。
でも、読んでいて嫌な気持ちになるような愚痴ではなく、思わず笑ってしまうような内容なので楽しいのです。(当人からしたら笑えないのかもしれませんが…w)
ヤマザキさんの芯の強さが伝わるのも本書の魅力です。
お姑さんを反面教師にして、ヤマザキさんが母親として心がけたいことをあげてらっしゃいます。
その中の「どんな人とも友達になれるキャパを育んでもらうために、子供に対してすべてを満たしてあげる立場にならない。」というところに、はっとさせられました。
母親になったことがない私ですが、いつか母になったときにこういう心を持って子供と向き合えるでしょうか…。
心の片すみにとどめておきたい言葉です。
また、息子のデルス君の名前の由来が、ナナイ人の猟師・デルス・ウザーラだということも印象的でした。
黒沢監督の映画を観て、デルスの「自然だけから授けられた純粋さの結晶で出来たみたいな深さと温かさと優しさ、人間であることの驕りのなさ」に衝撃を受けたというヤマザキさん。
その名前を、息子が生まれた瞬間に直観的につけた、ということがとてもすてきだと思いました。
ご自宅で飼っている猫のエピソードも好きでした。
私も寝そべっている猫のお腹に顔をうずめて、ふんがふんがしたい! -
以前図書館に『モーレツ!イタリア家族』を申請したが漫画だからと却下されたし、『テルマエ・ロマエ』の映画も観ていないので、結局は本書が私にとって初めてのヤマザキマリさんとなった。
本書は2004年から2008年の間のmixiに投稿した日記をまとめたもので、この間に『モーレツ!イタリア家族』を発刊したり『テルマエ・ロマエ』の着想を得たりしているあたりがうかがえる。
リスボン日記という題名だが、内容的にはポルトガルとイタリアが半々くらい。
(著者の個人的嗜好からブラジルも少し)
かなりの分量であるだけでなく、内容的にも読んでいて疲れた。
読んでいるだけで間接的にイタリア家族の毒気にこちらまであてられてしまうのと、ヤマザキマリさんの記述自体にも私は疲れてしまった。
全部読んだけど。
私はイタリア語やヨーロッパの歴史を独学していたり、この本を読んだりしている一方で、コロナ禍でマスク無しで数万人単位のデモ行為やスポーツ観戦で大騒ぎをしている海外のニュースや、オリンピックで来日した人達の良くない方の行動のニュースを目にしている、という状況にある。
ヨーロッパの歴史本や本書を読むにつれ、二千年に渡っての民族の歴史やらDNAやら考え方やら宗教やら気候風土やら教育の仕方やらがことごとく異なるのだから、こりゃもう無理だね仕方ないねと、私は何かを諦めてしまう気持ちになった。
ただ自国では好きにやりゃあいいけど、やっぱり他国を訪れる時にはもうちょっと相手国のことを考えられないものだろうか。
まあ、そういう考え方自体が既に日本人の特徴のひとつなのかな?
わからん… -
ヤマザキマリさんが2004年~2008年までブログやmixi日記にかいたもの。
えーっmixi日記やってたんだ。今でも見られるのかしら?
イタリア家族の漫画も楽しませてもらったので状況は想像できますが、姑さんのセリフたとえば
「さ、荷物を片づけたらソーセージ造りを手伝ってもらうよ!」とか
「豚だよ豚!マリ好きだろ、豚肉!!」のようなイタリア語の翻訳。
おなじ北イタリアの姑さんをもつ須賀敦子さんならどんなふうに訳したかなあ。
たびたびイタリアの農場(実家)には長期滞在させられるものの、おもにリスボンでの暮らし。
ポルトガル人は全員、日本人の「ありがとう」はポルトガル語からきていると「確信」しているそう。それがポルトガル史上唯一の繁栄期、大航海時代の誇りを感じるみたいですって。ほんとですか??
でもポルトガルも行ってみたくなりました。
それから10代でみた映画は見直す必要あるっていうことも覚えておきます。 -
ヤマザキマリのリスボン日記
〜テルマエは一日にして成らず〜
リスボンで暮らすようになり、mixiやブログに綴られたエッセイ
日常のドタバタが書かれており、とにかくパワフル‼️
そしてなんだかんだ言いつつも、面倒見が良く
良い人なのが窺える
テルマエが出来る片鱗も覗けた -
面白かった。途中くすくす笑ってしまった。
なかなかこんな面白い人生歩めないよねえ。
そして、ほんとにモーレツ笑
面白く出来るのは、やはりヤマザキマリの感性が素敵だからだと私は思います。
やっぱり好きだな〜他のエッセイやら何やらも読もう。 -
ポルトガルに住むことになった筆者が 2004 年頃から mixi に書いていた日記をまとめたもの。
写真がサムネイルの単色印刷になっているのが惜しい。
イタリア人の姑の激烈な干渉、劣悪な郵便事情など、読んでいて胸が痛くなることも多いが、可笑しなエピソードも溢れている。
筆者は現地で日本向けの漫画を描いていた訳だが、skype で話せる時代になっても、原稿は郵便で送るしかなかったのは、スキャナの解像力がネックだったのだろうか。
現物を日本に届けなければならないというのは、大変。
郵便物が消えることもありそうなものだが、本書の範囲では散々遅れた挙句でも無事に届くところが不思議。
ブログによると、今度はイタリアだそうだが、最強の姑さんは、大丈夫なんだろうか。 -
「テルマエ・ロマエ」でブレークする前のヤマザキマリさんのブログ日記。随分多様性のあるヤマザキさんの漫画は、こんな風にして産みだされてきたのか、という舞台裏が覗けてとても面白く読みました。
ヤマザキさんがミクシィをしてたなんて、そして、そこに書く日記が彼女の気持ちの安寧につながっていたなんて、という、面白さというか驚き、が一番大きかったかな。
イタリア人の強烈なお姑さんに振り回される日々、また、ご自分の漫画に対する思い、などが率直な筆致で描かれていて、そっか、そうだったのか・・と。
特に、今、大ブレークしている「テルマエ・ロマエ」がまだ萌芽の状態である時の話から段々と形になりそうな辺りまでを追えるのが興味深かった。もう成功していることがわかってる事柄を、遡って読ませてもらう安心感っていいものですね。(*^_^*)なんて、これは私が年取ったから、かなぁ。 -
すごーくおもしろかったけど、わたしはだいたいブログですでに読んでいたのがちょっと残念だった……。最初にブログで読んだときはほんとおもしろい、文章うまいと思った。
こんなにテルマエがヒットして映画もヒットして有名になって、これからどうなるんだろう、とか。でもヤマザキさんは日本にいないので生活にはそんなに関係ないんだろうか。イタリアの姑さんはヤマザキさんがこれほど日本で有名になっているとわかっているのだろうか、これから嫁姑関係、イタリア家族との関係はどうなっていくんだろうか、変わらない気もするけど。忙しくなりすぎてブログがあんまり更新されないのがさびしい。ヤマザキさんの、マンガもいいけれど、日記とかエッセイとかたくさん読みたい。