手ごわい問題は、対話で解決する

制作 : ヒューマンバリュー 
  • ヒューマンバリュー
3.75
  • (7)
  • (11)
  • (13)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 171
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784990329846

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • Science Communication News No.907 2021年2月2日号から

    コロナ対策を軌道に乗せるのは陰謀論との戦いそのものである。|倉本圭造|note
    https://note.com/keizokuramoto/n/n780dcbadfd7c

    手ごわい問題は、対話で解決する ~アパルトヘイトを解決に導いたファシリテーターの物語~|出版|WHAT WE DO|HUMAN VALUE
    https://www.humanvalue.co.jp/wwd/publishing/solve-tough-prob/

  • 難解でした。まだ自分がオープンではないのだという事なのでしょう。本書の提言では、自分の意見を話すだけで聴かない会話から、相手への共感を持ち聴き、話す会話、相手の話と一体になる会話へと進めて行けた時に、変化が起こるという事です。力でねじ伏せるのではなく、対話で変化を起こすには、まず自分自身の聴き方を変える必要があると思いました。

  • 結論は、最後に書いてある。

    アパルトヘイトの問題などを対話によって解決してきた物語。

    きちっと聞くことが大切。
    自分をオープンにして聞かなければ行くない。

    そうしなければ意味がない。

    自分をオープンにするとは、結論を持たない。相手に共感する。自分は、何も知らない。
    話すのをやめる。

    が大切。

  • 対話(=ダイアログ)の重要性を説く本は最近結構多いが、この本はすこし特別かな。

    というのは、著者のカヘン氏は、南アフリカのアパルトヘイト後の混乱した政治状況のなかで、さまざまなセクトを代表する人々を集めた対話を成功させ、その後の政治プロセスを建設的なものにするのに貢献した伝説的なワークショップのファシリテーションを担当した人だからだ。

    この本では、その南アフリカでのワークショップを始め、さまざまなワークショップでの経験が語られていて、興味深い。

    といっても、いつも成功しているわけではない。むしろこの本の魅力は、うまく行かなかったワークショップのことについても紹介してあることだ。本書のなかにもあるが、人間はやっぱり失敗から学ぶわけで、そうした失敗の経験をシェアしてくれるところに著者の誠実さを感じた。

    一方、ハイライトとなる成功事例のエピソードは、実はすでにどこかで読んだことがある気がした。というのは、南アフリカのワークショップは有名なので、いろいろな本で紹介されているし、このアダム・カヘン氏、「出現する未来」の著者達とかなり近いみたいで、「出現する未来」で紹介されていたエピソードがあった気がする。

    要するに、「出現する未来」、「シンクロニシティ」、「ダイアログ」などの本を補完するような本で、興味ふかいのだが、それらの本を読んだ後では、新しい発見は少ないところが微妙。

  • 「話すこと」と「聴くこと」について深めることができました。

    面談、あるいはファシリテーション、会議などでずっと気になっていたことがほどけていく感覚がありました。

    知るは易し。
    行うは難し。

    ノートにまとめたものをこまめに読み返しつつ、しばらく実践していこうと思います。

  • 最後は対話によるコミュニケーションしかないことを改めて教えてくれる書籍です。

  • −「あまり要求水準が高いと、かえって成功を妨げる」“The Best is the enemy of the good”
    たった一つの正解が存在するとは限らない。

    シェルのシナリオアプローチ。
    1st Step:息を吸い込む(外に出て人と話し、世界の潮流を観察する)
    2nd Step:息を吐き出す(学んできた事柄が事業に与える影響を討議し、単一の固執した予測に基づいた経営に陥らないよう促す)

    ジャウォースキー氏の情熱的で理想的な行動主義は、冷静で現実的な科学的思考を脅かし始めた。彼は直観的に実現可能だと感じ、実現を望む「より良い未来」の兆しを探し、企業家的にそのビジョンを現実にしようと行動していました。

    【南アフリカでのワークショップ】
    1. ミックスグループ(バックグランドの異なる人同士で小グループ)を形成する
    2. 今後10年間に南アフリカで起こりうるシナリオをブレスト (希望ではなく、「起こりうる」ことを議論する)
    3. ブレストで生まれたストーリー(たとえば30+)を、いくつか組み合わせ、(9つぐらいに)ストーリーを絞り込む
    4. ストーリーに肉付けするために、社会・政治・経済・国際の四つの次元にそってサブグループを形成
    (たとえば三ヶ月ほど、作業を続ける)
    5. 9つのシナリオを検討し、もっとも重要で現実的な四つのシナリオに絞り込む
    6. 各自の組織にシナリオを持ち帰り、検証を行う
    7. 最終的なシナリオの記述内容を洗練する
    8. 各政党や団体からより地位の高い人々が参加し、シナリオを検証する
    問「南アフリカの政権移行はどう進むのか、そして国は再出発することに成功するのか」
    (ダチョウ:白人独裁の継続、足の悪いアヒル:憲法制定で大衆迎合しだれも満足しない、イカロス:黒人政府が巨大な公共投資し経済崩壊、フラミンゴの非行:重要な基本的要素が適切に配置され、社会の全員がともに立ちあがり、政権移行が成功する)

    私はシナリオを完全に自分の中に取り込んだのです

  • 問題解決で大事なのは、いかに整理して伝えるかだと思っていた。客観的な視点に立ち、分析して、解決策の推進を管理することだと思っていた。
    時として解決策推進にこだわるあまり、相手の話が聞けていなかった。
    もっと1人1人が相手の話を注意して聴くことが出来れば、より良い世界が作れる。簡単だからこそ蔑ろにされがちな聴くことを意識しようと考えた。

  • 礼儀正しさは現状を維持する。現状が維持する限り、私たちは礼儀正しさを保つことができる。現状が機能しなくなった今、堂々と率直に話さなくてはならない

  • あなたの状態や、あなたがどう話し、どう聴いているのかに注意を向ける。自分独自の前提、反応、習癖、懸念、先入観、そして想定していることに気づく。 t
    率直に話す。あなたの考えていること、感じていること、望んでいることに気づき、それを言う。 t
    あなたは真実について何も知らないということを覚えておく。現状について理解していると確信をもっているときでも、「私の意見では」という一言を付け足す。自分をあまり過信しないこと。 t
    そのシステムの関係者たちとかかわり合い、話を聴く。あなたとは異なり、ときには反対の見解を持つ人を探す。心地良いと感じる状態を超えて自分の幅を広げる。 t
    システムの中であなたが果たしている役割を振り返る。あなたがしていること、あるいはしていないことが、現在の状態にどう影響しているかを検討する。 t
    共感をもって聴く。他者の目線で、システムを見る。相手の身になって考えてみる。 t
    自分の話していることや他者が話していることを聴くだけでなく、全体で何が話されているかに耳を傾ける。一人ひとりの意見ではなくシステム全体で何が浮かび上がってきているのかを聴く。心の底から聴くこと。心で話すこと。 t
    話すのをやめる。質問の横でキャンプする(質問から一歩下がる)ことで、答えが現れるのを待つ。 t
    リラックスし、完全にありのままを受け入れる。思考と心と意志をオープンにする。心が動かされ、変わることができるよう、自分自身をオープンにする。 t
    これらの提言を試し、何が起こるかに気づく。他の人々との関係や、あなた自身との関係、そして世界との関係において何が変わるかを感じ取る。そしてそれをやり続ける。 t

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

レオス・パートナーズ社パートナー。オックスフォード大学経営大学院「科学・イノベーション・社会研究所」特別研究員。過去にはロイヤル・ダッチ・シェル社にて社会・政治・経済・技術に関するシナリオチームの代表を務める。1991~92年には南アフリカの民族和解を推進するモン・フルー・シナリオ・プロジェクトに参画。以来、企業や政府などの問題解決プロセスのオーガナイザー兼ファシリテーターとして、これまで50カ国以上で活躍している。アスペン研究所ビジネス・リーダーズ・ダイアローグ、組織学習協会(SoL)のメンバー。カリフォルニア大学バークレー校エネルギー・資源経済学修士、バスティア大学応用行動科学修士。2022年には、シュワブ財団の「ソーシャル・イノベーション思想的指導者2022」に選ばれた。著書に『敵とのコラボレーション』『未来を変えるためにほんとうに必要なこと』『社会変革のシナリオ・プランニング』『共に変容するファシリテーション』(以上、英治出版)など。

「2023年 『それでも、対話をはじめよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アダム・カヘンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×