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- / ISBN・EAN: 4988102024932
感想・レビュー・書評
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私はどうも韓国映画とは相性が悪いみたいだ。
今回もつまらなかった。というか白けた。
有名な映画なのでネタバレはいいだろう。
朝鮮戦争で洛東江まで追い込まれていたとき、結婚している靴職人の兄と高校生の弟は街角で強制徴兵されてしまう。
家族から出兵するのは一人が原則で、勲章を取れば弟を除隊させてやると大隊長に言われて、超人的に戦う兄。
戦線がソウル、平壌、中国国境と北に伸びるに従って兄は軍功を上げついに勲章を授与されるが、弟はそんな兄を心配や気後れから重荷に感じ始め、ついには兄は勲章のためにおかしくなったと兄弟は決裂。
中国軍の参戦で戦線が押し返され韓国軍が広報に撤退すると、兄の妻は保導連盟に参加していたとして義姉に会いに来た弟の目の前で処刑されてしまう。それをきいた兄は北朝鮮に逃亡。北朝鮮軍の突撃隊長みたいになっている。停戦交渉中の37度線を巡る高地線で兄弟は敵味方として激突。
面白そうなプロットだと思う。兄弟の絆をベースに、朝鮮戦争の前線の変化をそのままなぞりながらドラマが進んでいく。
そして、迫力のある戦闘シーンに、うまい演技、キレの良いカット。
そうなんだけどさ、詰め込み過ぎなのよ。
詰め込みすぎてあちこち破綻している。その破綻を説得力のある事実や出来事で躱すのではなく、ただひたすら大の男が泣きわめく。暑苦しいし白ける。
結局いつもの「アイゴー! アボジー!」だよ。
冒頭は、弟が街角で徴兵のために強制連行されるところから始まる。それを見ながら、いくら釜山まで追い込まれたあの局面でも、そういう徴兵の仕方をするものなのかねえ、とは思ったし、似たような話を知っているので不安に思ったが、まあ韓国人が見て違和感を感じなければOKだろうと思った。
洛東江戦線。
北から攻められ南からは下がれば殺すと言われ死地に置かれる兵隊たち。同胞が殺し合いをしながら「思想がそんなに大切か!」と吐き捨てる。
いやほんとそうだ。
「日帝のころは国のために戦い、今度は思想のために戦う」と続ける。
ん?
・・・まあいいや。そういう映画じゃないはずだし。
勲章云々の話を聞いた兄は、敵兵に包囲された状況で逆に正面突破するという関ケ原の島津軍のようなことを提案し、周囲もそうだそうだと同意。
軍隊ってそういう動き方するの?
的に包囲されたその局面であっても、その局面だからこそ、指揮官が斥候を放って情報を集め、決断し、その命令に兵隊が服するものなんじゃないのか?
私は軍隊のことなんか知らないし、韓国には徴兵制もあるわけだし、その韓国人が見て違和感がなければ演出ということでありなんだろう、たぶん。
北上していく。
あいかわらず指揮命令系統があるのかこの軍隊は、と思う。スポ根だよな。弱小校が甲子園に出てみたいな感じの。やけにみんな身ぎれいで装備もいいし、アクションじゃなくてシナリオや演出がゲームっぽい。
北の捕虜ゲット。かつての靴職人仲間だった。
いや、こいつ誰だよ。
反転して保導連盟。この話いるか?
そして兄が寝返ったあとの高地戦。
正直なところ、兄が寝返るに至った経緯が分からないので、この人がなんでこうしているの分からない。弟とのすれ違いに加えて、保導連盟に妻を殺され逆上したのかなと推測するが、それも無理のありすぎる話で、そうならそうでちゃんと話を組み立ててもらわないと。泣きわめてただけでこの展開は無理だよ。
すっかり白けちゃったんで、最後の涙の兄弟の再開はあほらしいから早く終われとしか思わなかった。戦いそのものも無茶苦茶だし。
まあ、私は合わないんだろうな。
面白い人は面白いんだろうし。
ヤクザ映画ならこれでいいのかもしれないし。
でも、韓国映画ってなまじプロットと舞台設定が面白そうなんだよな。どうしようかねえ、この先。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画として、あまりに都合のいい展開が多い気がするのは否めないが、極限状態の人間心理に触れる描写に、たまにはっとさせられる。自分の命よりも大事なもの、自分の人生よりも大事なものを守ろうと決めた時、その優しさはそのまま冷酷さや非道さにも転化するものなのかもしれない、と考えた。
朝鮮戦争をベースに兄弟の生きざまを描くこの作品は、(いくつかのレビューでも言われているが)そのまま「北」と「南」の相対する関係に読み解くこともできる。韓国製作の映画なのでもちろん「南」に偏った演出にはなるし、「北」である兄を後半狂ったように見せる展開には違和感を感じたが、血を分けた「兄弟」が争い合う様子に悲しさや切なさを感じるセンチメンタルリズムは、日本をバックグラウンドに持つ自分のエゴなのかな、とも感じた。 -
朝鮮戦争の理不尽さを知るための要素がぎっしり詰め込まれた作品。ウォン・ビンの弟キャラが炸裂しまくっているので、本編がつまらないと感じた人でも楽しめるかも(笑)
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本当の敵は身内(自国民)にいたという不条理。
実際韓国の赤狩りは相当酷かったらしいね。
最初から最後まで貫かれている兄弟愛。
戦争モノはあまり好きじゃないけど、傑作のうちに入るかな。 -
韓国映画の戦争ものでは一番。(というか他を知らない)
兄弟愛に泣ける -
兄貴の気持ちがよくわかる。
全国の弟達に見て欲しい。 -
朝鮮戦争に翻弄されたある兄弟の悲劇。戦場を舞台にしているが焦点となるのはあくまで家族の絆だ。むだにながい(そしてぐろい)戦闘シーンもむだにながいわりに添え物みたいな。感動話を盛り上げるための装置でしかないっていう。べつにそれはそれでいいのだけれど(戦争映画として観なければ、だが)主題である兄弟愛にそもそも違和をかんじてしまって、まったく映画に入り込めず、いつになったら終わるのだろうとおもいつづけた2時間半だった。ジンテ(チャン・ドンゴン)は自己犠牲で愛情を示そうとするが、生き残って一族郎党に依存されるジンソク(ウォン・ビン)もまた犠牲者ではないか、だいたい婚約者(イ・ウンジュ)がいる身であるにもかかわらずじぶんはただの靴磨き屋だからって優秀な弟のために命を投げ出すのはどうなの、と兄への疑問はつきないし、家族の絆をえがきながらその歪さを浮き彫りにしている、ような気がする。過剰で極端なのはきらいじゃないけれど、この作品においてはちょっとそれらが過ぎるのではないか。すべてがくどいよ……。最後は泣きましたが、おれはだいたいなんでも泣くし、だからなんだってはなし。
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韓国映画って、ほとんど観てないんだけど。これは泣ける。