血と骨 通常版 [DVD]

監督 : 崔洋一 
出演 : ビートたけし  鈴木京香  新井浩文  田畑智子  オダギリジョー  松重豊 
  • ポニーキャニオン
3.37
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感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013880900

感想・レビュー・書評

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  • 原作者の梁石日の著作を他にも読んでみたくなった。非常に現実味を感じる。時代を生き抜いた人の記録が生々しい。

    血と骨 2004
    映画ドラマ
    日本 Color 144分
    初公開日: 2004/11/06 公開情報:松竹=ザナドゥー 映倫:R-15

    監督 崔洋一
    製作 若杉正明
    企画 若杉正明
    プロデューサー 榎望
    原作 梁石日 『血と骨』(幻冬舎文庫刊)
    脚本 崔洋一 鄭義信

    出演
    ビートたけし 金俊平
    鈴木京香 李英姫
    新井浩文 金正雄
    田畑智子 金花子
    オダギリジョー 朴武
    松重豊 高信義
    中村優子 山梨清子
    唯野未歩子 金春美
    濱田マリ 鳥谷定子
    柏原収史 張賛明
    塩見三省 大山(金成貴)
    北村一輝 元山吉男
    國村隼 趙永生
    寺島進 朴希範
    伊藤淳史 龍一/俊平の少年時代
    仁科貴 金容洙
    佐藤貢三 金泰洙
    中村麻美 大谷早苗

  • 2004年 日本
    監督:崔洋一
    原作:梁石日『血と骨』
    出演:ビートたけし/鈴木京香/オダギリジョー/田畑智子/柏原収史/新井浩文/中村優子

    先に告白しておきますが、オダギリジョー目当てで見に行きました(笑)。『アカルイミライ』のときは何とも思っていなかったのに、昨年の大河『新選組!』の斎藤一役で突如評価が変わりまして…私の並々ならぬ十数年に渡る斎藤一への思い入れも含めて、今いちおしの俳優さんです。

    しかし、映画館を出るときにはすっかり映画そのものの重々しさに打ちのめされて、ぐったりしてました…。映画見た翌日くらいに日本アカデミー賞の発表とかテレビでも中継してたりして、監督賞、主演女優賞、助演男優賞といろいろ受賞してましたが、個人的にはそれも納得の大作、映画らしい映画だったと思います。

    なんといってもやはり役者・たけしの存在感が圧倒的で…。けして台詞が上手いとかそういう役者ではないんだけれども、なんかあの暴力的で、狂人めいて、それでいてどこかしら憎めない人間の情みたいなものを感じさせるという部分では、ホント圧巻だと思います。

    ミーハーな部分に移ると、オダギリジョーはやっぱりカッコ良かった(笑)刺青に腹巻きで広島弁のチンピラなんですけど、状況だけ見れば最低の人間でもおかしくない役を、彼が演じることでどうにも憎めなくなってしまうところが流石というか、それが役の上での父と息子の関係にも現れてしまってるというか。突然息子を名乗って現れた彼を、たけし演じる父親のほうは、日頃の暴君っぷりからすれば、ぶん殴って追い出してもいいようなものを、それができない。最後は雨の中での大乱闘に発展するわけですが、このシーンも他の暴力シーンと違って、どこか親子の愛情みたいなのを感じさせられてしまう。不思議な存在でした。

    しかし個人的には、あまり話題にならなかったけど柏原収史や北村一輝の芝居も良かったので、もっと評価されても良かったのにと思いました。柏原兄弟はもともと兄のほうは岩井俊二の『Loveletter』以来のファンで、『マインドゲーム』も『アナザヘヴン』もそれで劇場で見たクチだったりするんですが、最近弟のほうの評価がメキメキ急上昇中です(笑)夢のような理想や詩ばかり語る青白いインテリ青年なんですが、彼にひそかな恋心を抱く田畑智子の不憫さもあいまって、なんとも「綺麗」な青年役でした。

    女優陣も、前述不憫で可憐な田畑智子はじめ、鈴木京香はいわずもがな、個人的にはたけしの愛人になる清子役の女優さんがとても綺麗で大好きでした。脳腫瘍の手術のあと、ほとんど廃人のようになった彼女を、守銭奴のようなたけしが、それでも世話を続けていたところとか、非人間的な主人公の唯一の聖域としての彼女の存在が伝わって、この映画の中でもオアシスのような部分ではないかと思います。対照的なのは、彼女の世話係兼新しい愛人として登場する濱田マリ。個人的には彼女の大阪女のど根性っぷりは助演女優賞ものだったと思います(笑)

    全体的に、役者陣の芝居に支えられた映画という印象が強かったですが、それってテレビの2時間ドラマで充分じゃないの?というような日本映画の多い昨今、映画であるべくして作られた映画というか、映画である意味のある映画でした。

    (2005.02.17)

  • 映画もすごいが小説の方はより血なまぐさすぎて、夜眠れなくなります…

    なんとも忘れられなくなる映画、こうも凄まじい生き方があるのか…
    観たあと濃すぎてしばらく観たくなりませんが、なぜかたまに観たくなります。その都度レンタルしていましたがついに買いました。

    映画はかなり荒削りですが脚本もよくまとめられていて、キャスティングはかなり良いです。

    映画を観たあとに梁石日さんの小説を読む事をおすすめします。

  • 得体のしれない凶暴なエネルギーで周囲のものを理不尽に攻撃しながら生きる父親の配役にたけしを選んだのはナイスキャスト。一人の人間に封じ込められている圧倒的な狂気。それを描くにあたってビートたけしという人のパーソナリティを利用したのは慧眼であると思う。たけしがキャストとして映画に出るとほとんどの場合は役というよりも"たけし本人"に見えてしまうが、この映画に関してはそれが良い方向に作用していると思った。

    全体としてはかなり凄惨で心をえぐられるような話だったが、それでもいまいち真に迫るような迫力を感じなかったのは撮り方のせいかもしれない。絵面が淡々としているというかやけにカメラが引いていてお上品な感じ。いまいち「それが目の前で起こっている」という感覚がなかった。遠くで起こっていることだから観ていて辛くなったら気持ちを簡単に画面外に逃がせてしまう。なんだかNHKの朝ドラみたいな撮り方だった。過剰にドラマチックな撮り方をすればいいとは思わないが、それでも演出としてこの引き方が、この上品さが、プラスに働いているようには思えず。あえてこの撮り方をしたというよりこれで逃げているように感じてしまった。何かもっとば別の撮り方があったんじゃないかと惜しい気持ちになる。

    些細なところだが、たけし演じる父親が豚の生肉を常温で野外に置いておきわざわざ腐ってウジが湧きはじめてから食うというオリジナル健康法(?)を行っている、という設定が良かった。当たり前だけどそんな食べ方は実際存在せず、作中のフィクションらしい。かなりキテる。不気味きわまりない。

  • 2008年5月鑑賞。

    戦後日本という時代背景に生きた、ある在日朝鮮人家族の辿る人生を色濃く映し出している。
    主人公には全く共感できなくても、2時間24分飽きる事もなく観られるという意味では悪くはない。

    正直、原作を読んでみないとわからないな。
    と思ってしまった作品でもあります。

  • セットなのかわからんが、建物がすごく良い。人間の脂臭さが染み付いている感じが出てる。

    主人公のキャラクターがとてもよかった。
    胸中では何を思い、暴力をふるったり金を集めたりしていたんだろう?
    主演のおじさんの言葉がもう少し聞き取りやすかったら星四つだった。

  • 20代で見た時は、
    なんて悪い奴なんだと思って見ていた。
    あれから10年以上たち、改めて見てみると、
    野心、肉欲、暴力、支配欲が持つ力を感じる。
    市場の廃棄された野菜で作るスープ、蛆を沸かせ発酵させた豚肉など、生命欲の象徴たる描写が多く、またに欲を欲しがっている方にオススメ。

  • 窓ガラスがよく割れる映画だ。

  • 作家の梁石日。 その父親が 若い頃、 チェジュ島から 大阪にやってきて、 妻となる女性をレイプして主人公ができた。 とにかくその父親が暴力的で 力でねじ伏せて女をレイプし 反抗するものについては 周りを巻き込みながら徹底的に 痛めつける。
    ある時、 赤くてすらっとして綺麗な 愛人ができ、 その女に入れあげるが 脳の病気のため 廃人となる。 そしてまた別の愛人を作る。 2番目の愛人も またレイプされ その間に生まれた子供と 最後は北朝鮮に渡航しそのまま亡くなる。
    主人公の妹は 父親の暴力から逃れるために 結婚するもその男の暴力によって ネコイラズを大量に食べ自殺しようとする。 しかし死にきれず その後首を吊って死ぬ。 その時の葬式での 父親の暴れっぷりは 常軌を逸している。
    私自身は非常にあららしいところで育ったという実感がある。 直接暴力は振るわれなくても理不尽に 扱われたという意識はすごくあって こうした父親の哀れっぷりは見ていてなんだか懐かしくなった。 もちろん昔に戻れと言ったら戻りたくないが 作品として見る分には 懐かしいという感情だけしか抱かず、楽しめた。
    主人公の北野武、三白眼で有名な息子役、オダギリジョー。妻の鈴木京香、愛人の中村優子、第二の愛人の濱田マリ。中でも中村優子の大胆な演技がよかった。

  • 2018/1/7鑑賞
    ただただむごい映画だった…
    在日の世界は独特で、これは極端なのだろうけど、こんな世界が普通にあったんだなーって。

    ビートたけしはやはり演技がうまかった。

    死と暴力が日常にある世界。
    私なら気が狂うし、自殺が多いのも納得だな。

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