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感想・レビュー・書評
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外交官として活躍した佐藤優氏が薦めている本だが、新刊古本とも入手困難のため図書館で借りた。
本書は、推理小説というかサスペンスに属する本である。外務省の高官が殺され、まもなく職場の同僚も失踪してしまい、若手官僚である主人公が謎解きに挑むという内容である。もしかしたらモデルとなった事件があったのかもしれないと思わせるほどリアリティがある。またルールさえ守れば一市民の存在は一顧だにしなくても当然とし、省みることもしない国家官僚の態度には慄然とするが、佐藤優氏の外務省の体質はこの書のとおりと述べているのはおそらくこのあたりのことを指しているのだろう。物語としてもおもしろいが、昭和55年発行でその頃の話なのに、もっと昔の昭和20-30年代頃の話しかと感じた。全体的に暗い話しだからだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
公務員批判が全然やまない。
本書は、官僚が、良心に基づき、誠心誠意にその職務を全うしようとしたとしても、認識と判断の誤りにより、善意の第三者たる国民を傷つけてしまうことが当然にしてあり得るということを、外務本省・在外公館を舞台にしたフィクションとして描いたもの。
「官僚は決して誤りを犯さない」という、無謬性神話に固執するのはそろそろ止めたらどうかと個人的に思う。それよりも、「官僚=時として誤りを犯す者」との認識にたち、訴訟等により、監視と救済が自律的に行われるようなメカニズムデザインを積極的に図るべき、そんなことを考えた。
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