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- / ISBN・EAN: 4580226562422
感想・レビュー・書評
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ほんとうは★5個。
でもつらくって、もう一度観たい!ってなれないので、4個。
最後までどうなるのかわからない展開と、主演二人の濃密で緊迫感のある演技にはらはらしっぱなし。
濡れ場が大胆でR指定ということですが、激しいけど、色っぽいというより美しいと思いました。むしろ激しいほど物語の悲哀さが増す気がする。
色っぽいのは女優さんの眼差し。澄んでいるのに妖艶。男ならいちころになるだろうな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2008年公開
監督 : アン・リー
第二次大戦中、占領下の中国で、抗日勢力の弾圧を司る特務官と、女スパイの愛憎の話。
ヒリヒリした緊張感が張りつめ続ける感じ。
間と目線が、それをうまく創っていて秀逸。
最後のチアチーの行動と、その後の風車の画が
至極です。あそこにアン・リーがすべてを込めたんだと思うシーン。
すごいなあ、あの画は。さすが。 -
LUST, CAUTION/色i戒
2007年 アメリカ+中国+台湾+香港
監督:アン・リー
出演:トニー・レオン/タン・ウェイ/ワン・リーホン
ブロークバックマウンテン以来の、アンリー監督のまたしても問題作。エロ描写が過激だと物議をかもしていましたが、まあ確かに18禁レベルですけど、そんなにいやらしい感じじゃなかったです。あの、なんていうか、無闇にアクロバティックなだけで(笑)。
むろん、映画の要点は別にそこではなくて。ブロークバック~もそうでしたが、明確な答えというのはないんですよね。気持ちが通じ合っていたから、というのならまぎれもなくこれはこれでハッピーエンドだろうし、男同士であるとか、敵同士であるとか、障害があってなお惹かれあうのは理屈じゃないんだよ、でも全部が上手くいくわけじゃないっていう…なんかこう、ブロークバック~と共通する、抑えに抑えた愛の結末、という感じでした。
タン・ウェイ嬢がねえ、ものすっごい可愛い&上手かったです!この子、静止画だとそんなに美形だと思わなかったんですけど、動いて、演技していると、ものすごく魅力的。処女性と娼婦性を兼ね備えた、まさに小悪魔的ファム・ファタル。
トニー・レオンの役は、これがトニー・レオンであるがゆえに、ただのエロオヤジにはならなかったのだなという意味で、はまり役だったと思います(笑)。
ワン・リーホンは、マヌケでした(こらこら)。いや、間抜けなのは彼自身じゃなくて、彼が演じた役なんですけどね。演劇部の大学生が、サークル活動の延長線上のようなノリで正義感を振りかざしてやりはじめたことが、子供のお遊びで終わらず、悲劇へと転がり落ちてゆく、その遠因を作ったのはある意味すべて彼なわけで。見ながらずっと「この朴念仁が!」と心中毒づいていました(苦笑)。ま、それだけハマリ役だったってことで。
総じて、見ごたえのある映画でした。
(2008.08.01) -
戦時下というぎりぎりの状況だからこそ生まれてしまった、スパイする側とされる側の愛の物語。愛のはなしなのになぜ「色」が題名なのかな、と思っていたら、色を戒めるという意味合いらしい。色から始まったのが、愛に発展してしまったがための悲劇。どちらにとっても戒めなきゃいけなかった結果となってしまったということか。たかが色、されど色、人間にとって色とは御しがたくミステリアスな要の部分なのですな。
色のシーンはセクシーというより、緊張感のある真剣勝負な感じ。
それより化粧をした童顔の主人公が男を誘惑するまなざしが妖艶で、この映画のキモといってもいいくらいだ。
主人公がここまでスパイ活動にのめりこむ動機がよくわからないのと、じきに日本が負けて、日本軍に協力する男も立場が弱くなるはずなのにそのあたりが描かれていないことがちょっと残念だったので★4つ。
こんなふうに命がかかった恋愛、してみたい。破滅願望をあおる秀作。 -
タン・ウェイが見事。どこか野暮ったい幼い女からどんどん艶っぽく変貌する。3年前のスッピンのチアチーが映った瞬間泣いた。トニー・レオンは神。主に床で。性描写が過激だが全然イヤらしくない。余韻の残る映画。
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上海とか香港とかの違いは勉強不足ゆえよく分からないのですが、戦争で荒廃した中国の街並みの退廃的な雰囲気と静かな音楽がよくマッチしていて、2時間半もある映画ですがまったく苦痛に感じなかった。基本的に短めの映画とかアニメとかばっかり観てるんで、2時間越える長さの映画は観るのに少し抵抗あるのですが最後まで引き込まれました。
トニー・レオンがかっこいいのはもちろん、なんと新人だったらしいタン・ウェイや他役者さんたちもみんな良くて、視線や仕草に熱を感じられて、みんな品があった。
問題の濡れ場は、噂どおり非常にエロかった。でもどの濡れ場のおはなしになくてはならないシークエンスになってるんですよねー。セックスをいやらしいオカズ的なものではなくて、殺伐した酷い世の中でも確かに「生きて」いることの証明に。 -
もう、ほんっと、嫌みなくらい完璧な映画。
すばらしい。
全てが緻密に組まれていて、激しく躍動して。
セックスシーンがこんなに悲しい映画もそんなにない。
ほんとにすごい。
なんかもう、見終わっておたおたしてしまった。
脚本を勉強したい人に特におすすめしたいと思います。 -
2009/05/06
権力者であるトニー・レオンと、スパイであるタン・ウェイの
お互いの腹の探り合い、究極の男女の駆け引きにハラハラさせられました。
トニー・レオンはスーツと煙草が渋過ぎですね。
怒りと厳格さを帯びたマスクの陰に、
底なしの孤独を感じて女性は引き寄せられるのでしょうか。
普段は感情を表出させないだけに、
最もプライベートな場面である2人のセックスシーンは
やはり外せない映画のコアなのだと思います。
(そうは言っても、やはり凄いものは凄いですねw) -
極限状態に堕ちた人間同士。愛が芽生えてもおかしくはない。
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いやあもう。これぞ映画にしかない強烈体験。冷めた感情、湧き上がる情熱が交互に訪れて、最後はカオスに。
賛否両論のセックスシーンはかなり激しめ。だけどエロくないの。なぜか哀しい。ギリギリの状態で、いつも死と隣り合わせな2人が、唯一生きているって感じられる瞬間なんだろうなあと。
ただ、女スパイがなぜあそこまで密命に抵抗することなく従うのかがちょっと描写不足。それがもっとあったら、完璧な映画だと思います。 -
学生がこんな風にスパイになって,しかもミイラ取りがミイラになるような事態.案外こんな風に簡単にスパイは作られるのかとも思う.それより特筆すべきは映像の美しさ,街の雰囲気,香りが素晴らしかった.そして,セックスの激しさにも驚かされた.
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トニー・レオンが出ているので見てみました。2007公開当時45歳。
「インファナル・アフェア」から5年、1940年代日本占領下の上海の特務機関員という役柄のせいか、かなり実の行った人物、という風貌風情を醸し出しています。
特務機関員・イーを暗殺しようとする抗日女スパイ・ワンはイーに近づき何度も体を合わすうち、暗殺相手という以上の感情を持つ。それが愛なのか思慕なのか、そこら辺はわからない。ただ、何日か会えないと会いたい、体を重ねたいという関係になっていく。イーもきっと体だけではなかったのか、高価な宝石の指輪をワンに贈ったりもする。・・がしかし。
このからみの部分がなにか四十八手という感じなのだが、このソフトでない感じでスパイと暗殺相手、という尋常でない設定の男女の愛?を描いたつもりなのか? 原作を読んでみたいと思った。日本軍がこう描かれるか、と相手国から描かれる日本はやはり違和感がある。
原作は1920生まれの女性作家・張愛玲(アイリーン・チャン)の短編「色、戒」。原題は小説と同じ。色の戒め、まさに内容を現している。
2007中国 2008.2日本公開
2018.6.22レンタル -
ヴェネツィア国際映画祭をはじめ海外の映画祭では高評価されました。原題は「色・戒」 艶めかしいタイトルですが、ストーリー的にもそうでした。
舞台は第2次世界大戦中の香港と上海。日本の占領下に置かれてました。抗日活動を取り締まる特務機関員。その暗殺を目論む女スパイの物語。
女スパイは男の元に潜り込む事に成功するが、やがて男に惹かれてしまう。
男は死と直面した任務の為か若い女の体に溺れてた。女は孤独なまで苦悩して任務に挑む男に段々と心も体も惹かれて行ってしまう。男の方は完全には溺れてはいなかった。
かなり、濃厚な絡みのシーンがあります。それがなければ内容的には見ごたえのない。内容的にも薄い気もします。これも、ある意味 反日映画になるのかも。
メインとして日本人は登場してませんが、ガサツで野蛮に描かれてます。
当時、このように思われていたという事は少なくはなかった。直接的な反日抗日映画ではないですが、そういったものも感じました。
トニー・レオンとタン・ウェイの濃厚な絡みもあります。それが一番のメインでありテーマです。
タン・ウェイ 日本の女優の誰かに似てます。腋毛を生やしての絡み。当時はそれが普通だったのかもしれませんが、「黒木香か」と呟きそうになった。 -
あまり大声で言うのは憚られそうだけど、大好きな映画のひとつ。
主演がトニー・レオンだったからというのが理由のほとんどだけども。こういう複雑な役というか、感情を押し殺す、みたいな役が本当にハマる。
その誰にも打ち明けられないものを愛人とのセックスでぶちまけてる感じ。
なかなか長くて、途中の学生のシーンはちょっと記憶が曖昧。
トニー・レオンとタン・ウェイが料亭みたいなところに二人きりでいて、タン・ウェイが綺麗な声で歌うシーンが好き。
あと、ラスト。信じられないくらいかっこいいトニー・レオン。
やっぱり大好き。 -
最後の最後がスッキリとしないこの違和感をどうにかしてほしかったです。
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ケーブルテレビ。
トニーレオンだからなんとか観れたけどなぁ。ちょと学生のノリがあまりにも、ね。 -
B。トニーレオン!
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性映写で話題となっていたが、
純粋に映画として見ごたえがある
素晴らしい作品だった。
敵とスパイ。
本当の愛が芽生えてしまった為に、、、
ツッコミどころはある。
でもあの時代だったからこそ、
もしかして本当にあったのでは?と
妙な説得力がある映画でした。 -
過激なSEXシーンが有名らしいですが、確かに過激。
結合部(ほんとに結合してるかは別として)にはモザイクがかかってるが、それ以外は露出。
かつ、体位も「四十八手かよっ」て言いたくなるぐらい(実際は7~10ぐらいだったと思うが)。
そんな過激な描写が必要か?と思ったりしたが、途中から、この映画にはとても重要な役割があるように感じました。
絡み、もつれ合い、雁字搦めになっていく、、、その過程の心理描写を描くのに、この映画では、このSEXシーンが必要なのでしょう。
他にも幾つか心理描写を描くシーンがあるが、それだけでは確かに不足なのでしょう。
トニー・レオンの表情もいい。
指輪をはめるシーンでの、トニー・レオンの子供のような表情。
ラストの、泣きはらした顔。
それまで、表情の変化が乏しかっただけに、この2つの表情が強く印象に残ります。
タン・ウェイも精一杯演じている、いや、演じきったという印象。
それ以上に、美人かつ可愛くて、魅力的w
なお、HPやパンフレットに体重・スリーサイズまで書かれてるけど、そこまで公表する意味あるのかな(笑)
映画タイトルだが、ラストはLustで「色」、コーションはCautionで「戒」。
「色」は欲情、「戒」は戒め、と解される。
しかし「色」は、正確には、形ある物、すなわち「人生そのもの」ということ。
「戒」は「誓い」。
そう思うと、また違うように、この映画を感じられます。 -
主演のタン・ウェイが素晴らしい。
純粋無垢だった女子大生時代と、その純粋さゆえに工作員活動に邁進して変貌していく姿の演じ分けが見事。
トニー・レオンも、だんだんとタン・ウェイ演じるマイ夫人に心を許していくさまを納得いく演技で見せていく。
過激な性描写が注目されたようだが、この映画の本質は性愛によってだけ通じ合っていく男女を描いているのだから、当然必要な描写であって、だからこそタン・ウェイもトニー・レオンもここまで腹を据えて演じきることができたのであろう。
常に命の危機にさらされている男と、その命を狙うために身を投じる女。
究極の緊張の中にある男にとって、解放される瞬間は究極の性愛の中だけだ。
その営みに全身全霊で身を投じてくる女の中に、自分への絶対的な愛を見た。
女は国への忠誠のために、男を取り込まなければならない。絶対的な不信の中にある男を信じ込ませるためには、自分自身のすべてを男に投げださなければならない。それが国への忠誠から男へ殉じる愛に変わっていくのは女なら当然だろう。
だからこそあのラストがあるのだ。
全てが腑に落ちる、映画のお手本のような作品だった。
脚本もよくできているし、無駄のない演出のアン・リーは素晴らしい。
ベネチアグランプリは納得。
映画の完成度的には☆5つ。
好みかどうかという意味で、個人的に☆4にしたが、
たぶん絶対に忘れられない映画。 -
先日読んでた鄭蘋如(テンピンルー)が近年表舞台に再登場するきっかけになった映画。主演女優の湯唯(タン・ウェイ)はこれが映画デビュー作だったらしいが、役柄と余りの過激描写に、その後しばらく大陸では干されてたらしい。エロ怖い。原題は「色、戒」。ひきこまれるように観てしまった。意外な傑作。
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グズグズしたり煮え切らなかったり立ち止まれなくなったり後の祭りだったりと、人間らしい感情のリアリティがある。だけどだからといって面白いというわけではない。中国の情勢を深読みすれば、下手に政治闘争に手を出しても何も生産性がないということを訴えたかったと言われればそうかもしれないが、やぱりだからといって面白いというわけではない。というわけで、やけに詳細なベッドシーンしか印象に残らない、めんどくさい一作。
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<ストーリー>
1942年、日本占領下の上海。抗日運動に身を投じる美しき女スパイ、ワン(タン・ウェイ)は、敵対する特務機関のリーダー、イー(トニー・レオン)に近づき暗殺の機会をうかがっていた。やがてその魅力でイーを誘惑することに成功したワンは、彼と危険な逢瀬を重ねることに。死と隣り合わせの日常から逃れるように、暴力的なまでに激しく互いを求め合う二人。そして、二人のスリリングで危険に満ちた禁断の愛は、時代の大きなうねりの中で運命的なラストへとなだれこんでいく--。
<感想>
トニーレオンが好きなのと、お薦めコメントに「世界に衝撃を与えた・・・云々」とあったので、借りてみた。
レビューは軒並み称賛を贈っているが、映画の目が肥えていない自分には、やはり最後に物足りなさを感じてしまったかな。
でも、相変わらず渋いトニーレオンが楽しめたのでよしとしましょうか。 -
また観たいよ、KT。
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欧中折衷の美術と時代背景が美しい映画。そして謎の体位。体位が謎。ほんと体位。どうして……体位……。
アン・リーはこういうの得意なんだろうか、『ブロークバックマウンテン』同様にとてもやりきれなくて哀切な作品だけど、この女がこの男にどの時点でどうしてほだされたのか判らなくて、ちょっとラストは戸惑ってしまった。