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- / ISBN・EAN: 4988003988326
感想・レビュー・書評
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カサヴェテス好きなので、観れたことがありがたいという気持ち。
会話劇の緊張感は健在。
私が好きだったのは、冒頭のモスコウィッツが、酔っ払いのオヤジと会話するシーンと、ミニーが知らない男とデートするシーン。
どちらも相手の男の素性がよく分からない中で始まる会話で、会話を進める中でちょっとした狂気と哀れさ(虚勢)がまじりあい、発出される。人間のやりきれなさと、人生の苦みを感じながら、生きていく生命力のようなものを感じる。
カサヴェテス映画の魅力は、苦しみの中をもがきながら、前に進む男と、自らの繊細さに、自家中毒のようになり、人生をうまく生きられない女の組み合わせだと思う。
今回は、モスコウィッツ(男側)を、粗野な男風にしたことで、その微妙な陰影があまり感じられなく、結果的に、2人の組み合わせが微妙にしっくりこなかった。
ラストも若干尻切れトンボになるような感じで。 -
シーモア・カッセルが、ひげを切った時のジーナ・ローランズの顔ったらない。すごい演技力。感情を主人公としたカサヴェテス作品の中でも割と好きな作品。
【ストーリー】
NYからカリフォルニアへやってきた青年モスコウィッツ(シーモア・カッセル)は、レストランの駐車場でバイトをしていたところ、ミニー(ジーナ・ローランズ)という知的な美女の窮地を偶然救う。美術館勤めの彼女は独身だがもう若くなく、妻子持ちのボーイフレンドのジム(ジョン・カサヴェテス)ともうまくいかない。その日、ミニーは友人がセッティングしたブラインド・デートの相手から逃げようとしていたのだ。気位の高い彼女はモスコウィッツに美術館までトラックで送られながら、気を許そうとはしない。美術館でミニーは息子を連れたジムから別れを告げられた。帰宅したミニーを待っていたのがモスコウィッツ。仕事をクビになったという彼は、ミニーを食事に連れ出すと彼女に一目ぼれしたと突然告白。受け流そうとしたミニーは彼から傲慢な態度を指摘されて傷つく。翌日、再びミニーに会いに行くモスコウィッツ。彼女は前夜のことを謝り、自分の孤独や不安について打ち明ける。映画を見てデートをして親しみを増すふたりだが、ミニーはお互いの違いを理由に、うまくいきそうにないと言う。すったもんだのあげく、彼女への愛を証明しようと髭を剃ってしまったモスコウィッツ。髪まで切ろうとする彼をミニーは制止してお返しに歌う。こうしてモスコウィッツはミニーにプロポーズし、ふたりは出会って4日で結婚するのだった。
育ちの違う男女の恋をコミカルに描いたドラマ。監督・脚本・助演は「ハズバンズ」の名匠ジョン・カサヴェテス。製作はカサヴェテス作品の常連アル・ルーバン。出演はカサヴェテス夫人のジーナ・ローランズと彼の作品の常連シーモア・カッセルほか。過去にWOWOWで放映されているが、正式な劇場公開は今回が初めて。 -
モスコウィッツの言動がピュアすぎて、涙がでそうになる。刹那的な生き方のようで、ブレがない。こんな人生、いいな、って思う。監督とジーナはリアルに愛し合っていて、それを踏まえて作品中の主人公の母役が、監督のリアル母で、ジーナ母がリアルジーナ母で、、それを知った上でラストの会食を見ると、とっても面白い。全編を通じて、出演者はオーバーに思えるほどの大声で会話しているのだが、そこには「生きるのは厄介だ言葉は通じても、心は通じない」という台詞にもあるように、ひどく言葉が空虚に思えたりする