ベニスに死す [DVD]

監督 : ルキノ・ビスコンティ 
出演 : ダーク・ボガード  ビョルン・アンドレセン  シルバーナ・マンガーノ  ロモロ・ヴァリ 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
3.67
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感想 : 103
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988135807069

感想・レビュー・書評

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  • ツタヤレンタル。登山家が山に登るように、初老の作家グスタフは美少年に心を奪われて彼の姿を追い求める。

    50年以上前の映画なのに、ホテルのあちこちに紫陽花が飾られていて、それは日本の庭で見かける紫陽花とは違った美しさを放っていて驚く。ダリアや石楠花のように品があって紫陽花に見惚れた。あと鼻眼鏡!とティーセット、深緑のソムリエエプロンなどの小物が素敵。

    感染症がグスタフのささやかな幸せを容赦なく奪ってゆく様がなんとも悲しい。だけど恋する人の姿を見つめながら最期を迎える、それはそれで幸せなんじゃなかろうか…と50代の私は教授目線で見て、そう思ってしまうのだった。

  • 作曲家アシェンバッハは娘を亡くし演奏会でも酷評され、心身ともに疲れ切った彼は休養を取るためベニスを訪れる。ホテルでポーランド貴族の少年タージオ見かけた彼は一目で心奪われる。タージオが家族とともに休暇を楽しむ様子をこっそりと窺うアッシェンバッハだが、彼の完璧な美しさに声をかけることもできない。
    ベニスにコレラが蔓延しているという情報を得たアシェンバッハはタージオと家族にそのことを伝えようと、理容室で髪を整え化粧をした姿でベニスの街を彷徨ううちにコレラに感染してしまう。タージオと家族がベニスを離れる日、アシェンバッハは彼が海岸で遊んでいる姿を見かける。彼の姿を見ながら衰弱したアシェンバッハは息を引き取る。

    完璧な美を追い求めた偏屈な作曲家がたどり着いたベニスで完璧な美=タージオに出会う物語。過去の回想、妄想、現実の入り混じった構成でわかりにくい部分もあるが、場面場面の美しさは芸術的。最後、死に取り憑かれた作曲家を導くかのようにタージオが手を上げるラストシーンは深く心に残る。
    マーラーの「交響曲第3、5」も素晴らしい。

  • 芸術とは調和であるとの信念を持つ老音楽家が静養のために訪れたベニスにて、まさに美の化身というべき美少年にであい、彼に恋い焦がれて心労の中に死んでゆく。

    美とは作り上げるものか、それ自身で産まれ出るものか。その命題の答えを、同じ作り手である監督はどこに置いたのだろうか。人の作為が及ばないものもあるという戒めを持っていれば、主人公もああいう終わり方はしなかったと思うのだが。劇中には伝染病の描写もあるが、せめて彼が肉体の病ではなく、美に取り付かれた故、死に至ったものと思いたい。

  • 1971年公開、
    イタリア、フランス、アメリカ合作映画
    ルキノ・ヴィスコンティ監督
    官能的なイタリア映画。

  • 先にビョルン・アンドレセンさんのドキュメンタリーを観ていたのでこの作品を手放しで称賛することは出来ないのだけれど、それでもビョルン・アンドレセンさんだけでこのスコアを付けてしまう程の圧倒的な美。美の暴力です。世界で一番美しい少年と言われてたのも納得。
    このタージオほとんど演技らしい演技してなくて、ただ年相応にはしゃいだり意味深で憂いを帯びた視線投げかけてくるだけなのが、この後のビョルンの人生を観ているだけに悲しい。

    内容という内容は無い…美少年に恋した老作曲家が恋患いで死ぬお話。恋患いというか若さへのときめきに死す?見てるだけで命が終わってて、会話すら交わさなくてびっくりです。イタリアのはずだったのに平安時代かな。
    恋患いだけでなく、心臓悪いって言ってたし、コレラは流行ってるし異常気象っぽいので色々重なったのでしょうけど。頭から流血してくるってどういう病気…??

    もっと晴れた空青い海みたいに思ってたけどお天気そこまで良くはない。海岸いる人たちはほとんど躁状態に思えます。
    街並みは綺麗です、消毒してても。
    笑い袋みたいな芸人のシーンは好きじゃなかった。でもこのシーンのビョルンのスタイリングが1番好きです。
    この時点のビョルン・アンドレセンさんを映像に納めているっていう点しか観るとこ無いなぁというのが正直なところです。何回か観たらわかってくるのかなぁこの機微が。。



    結論:インバウンド頼みは良くない。

  • 2022/10/03
    歌が長い。フランス映画ってこんな感じなの? 少年の美しさに悶絶して最後オッサンが死ぬのが面白い

  • 大昔に見たが、内容全忘れ。原作未読
    ベニス観光映画かと思ったら、かなりディスっている
    美少年に惹かれる音学家(マーラーがモデルとのこと)
    母親役はシルバーナ・マンガーナ
    淡々と進む話、長い
    1時間半でもいい内容
    美少年役の人の伝記映画がこのほど公開された
    私は未見
    ※その後見る「世界で一番美しい少年」

  •  題名はよく知っているけど…という物語の一つ。
     どうしてベニスで死ぬのかと思ったら…結論はかけませんが,そういう話でしたか。
     イタリアの国旗が,あの紋章の入ったやつで,イタリア王国の頃の話だと言うことは分かる。Wikipediaによると,

    1861年4月15日、サルデーニャ王国の国旗は、新たに建国されたイタリア王国の国旗となった。トリコローレの中央にサヴォイア家の紋章を取り付けたこの旗は、1946年6月に王政が廃されるまでの85年間、イタリアの国旗であった。

    とあるように,この紋章が入ったヤツがあれば,そのお話は,1861-1946のイタリアが舞台であることの証明となる。

     さて,ドラマの内容は好青年に心引かれる芸術家の話。今ではこういう話も,まあ,見てもいいかと思うけれども,ずっと前にこういう話を書いたトーマス・マンさんがすごいな。というか,日本でも昔から男色系の話はないことはないか。

    《NHKプレミアムシネマの解説を転載》
     イタリアの巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督が、ノーベル賞作家トーマス・マンの小説を映画化。
     マーラーの交響曲第3番、そして第5番、 全編を彩る甘美な旋律も忘れがたい名作。作曲家のアッシェンバッハは、静養のためベニスを訪れ、ホテルに同宿するポーランド貴族の少年タッジオの美しさに心を奪われる。理想の美を追い求め、自らの命を削っていくアッシェンバッハ。その苦悩と歓喜を、ヴィスコンティ監督ならではの美学で描く。

  • イタリア語はわからないし、たまの会話は芸術論。美少年タッジオを冴えない主人公が追い求める姿は滑稽だ。
    あまりに退屈で、こんなに長いと思った映画は初めてだ。

  • TVにて
    映像と音楽.それにつきる.
    砂時計に例える人生の終盤.

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