ソラニン スタンダード・エディション [DVD]

監督 : 三木孝浩 
出演 : 宮崎あおい  高良健吾  桐谷健太  近藤洋一(サンボマスター)  伊藤歩  ARAT  永山絢斗  岩田さゆり  美保 純  財津和夫 
  • TCエンタテインメント (2010年9月2日発売)
3.60
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本棚登録 : 2404
感想 : 429
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4582224468478

感想・レビュー・書評

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  • じゃがいもの芽の毒

  • テーマ曲を手掛けたアジカンは、デビュー時はとても好きだったんですが、次第に楽曲にパワーが落ちてきて興味が薄れてました。このテーマ曲もリアルタイムで聴きましたが全くの期待外れ。映画にも興味を持てませんでした。

    今回BSで放送されたのを見たのですが、宮崎あおいのまっすぐな歌声がよく、本人の歌より全然よかったのは嬉しい驚きでした。あとサンボマスターの近藤さんのナチュラルな芝居もよかったです。

    映画としては、事故で亡くなったバンドマンの遺した歌を恋人が代わりに歌うという、良い話でした(それでも楽曲はインパクト不足か)。あと、バンド経験者には「あるある」が心に刺さるのかな?

    BS松竹東宝にて。

  • 青春映画です。そしてとても「映画であること」を目指した映画です。つまり、とても「青い」ので観る時の精神年齢を「あの頃」に戻さないと観るのは難しいと思います。が、もしうまく「あの頃」に戻れた自分で観たならば、きっといくつも心に刺さるシーンがあると思います。
    そして、それが浅野いにおの『ソラニン』です。なので、原作の漫画が好き派と原作未読で映画が好き派に分かれる作品だと思います。(圧倒的大多数はそこまで好きじゃない派)
    とにかく、ラストの宮崎あおいのライブ演奏と歌が、この映画(≠原作マンガ)の全てです。そこまで本当に宮崎あおいの演奏や歌が挿し込まれることはありません。最後まで観たご褒美として提供されます。
    到達したそこは、もはや上手い下手は関係ありません。まっすぐに音を鳴らすのが好きで、感情を大声で吐き出したくて、何かを乗せて言葉を紡いで、ステージで燃焼することで「生」を感じられる青春のきらめきとロックの余韻の中で、そこまでの「生」のままならなさを優しく抱きしめてあげてください。(さすがアジカンの曲だ!)

  • 2回目 2022/04/21

  • 理想の自己像と現実との間の葛藤、モラトリアムがのんびり描かれているなぁ……と思いきや、種田が死んじゃってびっくり。種田みたいに真面目で現実的なところがありつつ中途半端にとがってる感じの人って確かに夢破れたら現実と折り合いをつけられなくて死んじゃったりするかもな、と。一度は芽衣子との安定した「幸せ」な未来を想像したけど、音楽で食っていくという理想を捨てきれなくてわけわからなくなっちゃったんだろうな。
    自分がどう生きたいか、何者になりたいか分からない芽衣子は種田に代わりに自己実現してもらいたがってたんだと思うけど、種田が死んじゃって、種田の分まで、自分の人生から逃げずに生きようって気持ちになれたんだろうな。そのために、まずは種田の作った歌をステージで歌おうって決意したんだろうな。過去と別れるために。宮崎あおいが必死で歌うシーンはとてもかっこよかったし心に響いた。曲もよかったなぁ。
    そこまでの衝撃を受けたりはしなかったので星4つにしたけど、雰囲気はとても好き。だらだらしているようで、サッと次のシーンに行ったりして、余韻が残るテンポ感。結構好きなタイプの映画。本当に好きなことで食べていきたいと思っていた時期が私にもあったのを思い出した。久しぶりにギターが弾きたくなった。

  • 宮崎あおいがライブするところ,かっこよかった.

  • 『ソラニン』、2010年春公開。これも観に行こうとしてたけど、地元の映画館で公開してなかったか何かの理由で行けなかった。11年越しに鑑賞、クソ映画かなと思っていたけど意外と良かったです。

    その前に今回言っておきたいのは、「浅野いにおはサブカルではない」あるいは「最後のサブカルだった」ということ。長くなりそうなので後で書く。

    三木孝浩さんの初監督作品。この映画はとにかく映像が良い。撮影監督は近藤龍人さん!まぁーほんとにすごい方で、今の日本映画界の撮影監督でトップクラスの重要人物だと思います。
    私はあまり詳しくないけど『ソラニン』はたぶんフィルム撮影(現像してるから)。この映画の良さの半分は映像。

    映画全体的には前半のテンポが悪く、もう15分ぐらい短くして良かったと思う。この映画のもうひとつの良さは、クライマックスの宮崎あおい。
    逆に悪いのは、漫画のセリフや演出をそのままトレスしているのでダサい所が数か所ある点。初監督ということもあって演出力不足だなと思います。

    観ていて頭にポンと浮かんだワードが『ロックよ、静かに流れよ』だった。観たことないのに。調べるとかなり近い話で、諏訪太朗さんはどちらにも出ている笑。あと『タッチ』。
    そしてこの作品は、ゼロ年代中盤版の『アイデン&ティティ』や『お茶の間』だとも思う。

    主要人物のキャストも良い。特にサンボの近ちゃんは良い味出してます。しかし伊藤歩は「それNGちゃうん?」というセリフが1箇所ある。あとこれは原作からだけど、種田&芽衣子や近ちゃん&伊藤歩のくだりは男の妄想が強い。あんな女性はまずいません!笑

    高良健吾くんは好きなのだけど、なんかちょっと違うんだよなあ……背が高すぎてイケメンすぎて笑顔が素敵すぎるからか?
    そして宮崎あおいちゃんは……私ごときがどうこう言えません。けして「好き」までは行かないんだけど、だいたい何見てもかわいいよね……。

    原作はもうずっと読み返していないので、細かい部分は忘れている。原作だと前半は種田(高良健吾)の一人称目線じゃなかったっけ?テレビのニュースを見て凹むのってこれじゃなかったかなと思うんだけど。
    映画版を観て、『ソラニン』は決別の歌で、劇中で3つの意味に解釈されると思う。ひとつは最初に芽衣子(宮崎あおい)が思った「ふたりの別れの歌」、もうひとつは「夢への決別の歌」。そして最後は……これは映画のラストを見ればわかる。そうやって歌に込められた意思が解釈され、バトンタッチされていく。

    なので種田は、ひとつ上のステージに上る、成長しかけています。(因みに井浦新は違う形ですでにこの答えに到達した人。)

    浅野いにお、私は最初の『素晴らしい世界』の頃に知った。その後はだいたい持っていて、プンプンの途中でめんどくさくなって追いかけるのをやめちゃった。『ソラニン』は最初に読むには読みやすい作品だと思う。まあプンプン以前はだいたい短かいけど。

    ふたつの意味でイタくて、ひとつは作品のヒリヒリしたイタさでとても良い意味。もうひとつは、浅野いにお作品の立ち位置がイタいということで、このせいで買わなくなったし、「いにおはなぁ〜……」とアンビバレンスな気分になってしまう。

    最初に書いた「浅野いにおはサブカルではない」ということ、これは本人や作品のせいではなくて、いにおが登場した頃にはすでにサブカルチャーというもの自体がなくなった、あるいは意味が変質してしまったせい。(もちろんマンガ作品なので広義ではサブカルチャーだけど)
    宮沢章夫説だと、「1999年の六本木WAVE閉店(と2000年のオリーブ休刊)」だそう。私の考えだと1997年頃にヴィレヴァンが全国展開したことから、2000年代中盤以降アイドルブームになったことや動画サイトが出来たこと。1997年は最初のエヴァ完結編と、『もののけ姫』が公開された年でもある。
    1997年から2005年頃の間に、サブカルチャーがサブではなくメインになったと考えています。

    その最後の頃に登場したのが浅野いにお。だから劇中ではまだアイドルブームになっておらず、「アイドルのバックバンドなんて……」という価値観だし、まだガラケーの時代。
    もはや今、ロックバンドという形態の意味も変質してしまった。所謂ロキノン系バンドがまだ力を持っていた、最後の頃です。『ソラニン』という曲に今新しい解釈を与えるなら、ロックバンドに対する決別の歌でもある。

    いにおは私の少し年下なのでほぼ同世代。聴いてきた音楽や、お笑いなど触れてきた文化はほとんど同じ。だからわかりみが強すぎてイタい……やってきたことほとんど一緒。『ソラニン』を読んだり観たりすると、ギャーッ!っつって壁に頭をガンガン打ち付けたくなる。
    「種田なんでウダウダしてんの?」問題も、平成不況を過ごした世代ならわかると思う。就職すれば、そこから抜け出せなくなってしまうと感じるからです。
    これが10歳上や、あるいは10歳下世代だとわからない部分もあるかもしれない。『ソラニン』は「あの時、あの年齢」でしかわからない、「点」のような作品。そしてそういう「点」のような作品は、今後もそれぞれの世代において作られていくと思います。

    「いにおはサブカルぢゃないよ」説に戻って、もうひとつは「最大公約数」だと思うからです。つまりポップで誰にも受け入れられやすいということ。
    アジカンが絡んでいるのがわかりやすくて、どちらも最大公約数的です。だから私はアジカンが好きではないのだけど。

    EDのゴッチの歌より、はっきり言ってあおいちゃんの歌の方が良いな……。しかしコロナ禍のせいもあって昨年はまーったく音楽を聴かない一年だったけど、これ見て「そうだ、音楽聴こう。」と思わされました。

  • 毒とかは薄め…でストーリーもなんだか薄め。
    浅野いにおさんの原作より、うだうだやモヤモヤが足りん…と思ってしまいました。

    “ソラニン”の曲はとても良かった…アジカンは良い。
    高良健吾さんバージョンもちゃんと聴いてみたいです。
    宮崎あおいさんは全然上手く歌おうとしてなくて全力でぐしゃぐしゃになりながら歌ってたので良かった。

    伊藤歩さん可愛いなぁ。

  • 最終的にそこに行く!?
    極論は思いますが,思いは続く・・・届く・・・
    という熱い思いを感じますね。
    そんな人生を生きていきたいですね。

  • 2010年 日本 125分
    監督:三木孝浩
    原作:浅野いにお『ソラニン』
    音楽:ent
    主演:宮崎あおい/高良健吾/桐谷健太/近藤洋一(サンボマスター)/伊藤歩/ARATA/永山絢斗

    大学時代から交際している芽衣子(宮崎あおい)と種田(高良健吾)は、今は芽衣子の部屋で同棲中。芽衣子はOLとして働き、種田はフリーターをしながら、大学の軽音楽部時代からのバンドをドラムのビリー(桐谷健太)、ベースの加藤(近藤洋一)と共に続けていた。しかし会社に嫌気が差した芽衣子は衝動的に辞表を出し無職に。それを不安がる種田との小さな諍いを繰り返しながらも、種田は芽衣子にはっぱをかけられて奮起、バンドのデモCD「ソラニン」を作りレコード会社に売り込むが…。

    原作は未読。正直に言うと、もし自分が今10代だったら、この映画にとても共感できたかもしれないけれど、すっかり大人になった今いちばん共感できる登場人物は、ARATA演じる元バンドマンながらレコード会社のサラリーマンとなり長いものに巻かれる人生を選んだ冴木のほうだった。

    宮崎あおいちゃんは可愛いし、高良くんは眼鏡が似合ってていかにもこういうバンドマンいそう(ひとむかし前の金髪ロン毛みたいなのじゃなくてちょっと文系の)って感じだったけど、とにかく彼らの言動が中2過ぎて、おいおいいつまでそんなこと言ってるんだよと意地悪な気持ちになってしまう。彼等が高校生くらいなら許容できたかもしれないけど、20代半ばだしなあ。いやもちろん自分自身の20代半ばもあんなもんだった気もしなくはないけど。

    とにかく種田がどっちつかずでイライラ。バンドでデビューしたい、自分の音楽を聞いて欲しいと言う強い気持ちがあるなら、どんな状況でもその夢にむかって邁進すれば良いと思う(終盤の芽衣子のように)。しかし就職はしたくないがバンドで成功する自信もない、でもバンドはやめたくない、自分がフリーターでいるためには芽衣子は正社員で働いていてほしい(つまり半分ヒモ)とか、自分の本心と向き合わずふわふわしっぱなし。まあこういう迷い、葛藤こそがこの作品の主題なので、そこ否定したら終わりなのかなとは思いつつ。

    前半の1時間はそんな感じで不安定な彼等の日常がふわふわ続き、後半1時間は、あることが起こってがらりと様相が変わる。前半を丁寧に描いたからこそ後半の展開が生きると思う反面、こういう展開なら前半冗長すぎとも思う。しかし紙一重で、お涙頂戴系とは一線を隔しているところは良かった。おおまかな構成としては80年代の映画だけど『ロックよ、静かに流れよ』と同じ。

    音楽もの原作の実写化メリットとしてはやはり、音楽をちゃんと耳で聴けること。その点はとても良かった。作中バンドが演奏する「ソラニン」とエンドロール曲はアジカン、劇中音楽はストレイテナーのホリエアツシのソロプロジェクトent(http://entjp.net/)が担当、そしてベーシスト加藤役で出演してるのはサンボマスターの近藤洋一と、なかなか豪華。

    途中、ギター&ボーカルの種田=高良くんが歌う場面が少しだけあるけど、これはちょっと微妙だった。同時期公開だった『BANDAGE』でもギタリスト役だった高良くん、ギターはともかく歌のほうは…(汗)逆に、宮崎あおいちゃんのボーカルは、まっすぐでとても良かった。上手いかっていわれると微妙だけど、のびのびしていて心を打つものがあった。

    なので、終盤のライブシーン、サビにかかる部分で突然回想シーンを挿入したのはちょっと残念。ライブシーンはもっとじっくりたっぷり見せても良かったんじゃないかなあ。いくつかぐっとくる場面もあったけど、なにかがちょっとだけ惜しい感じがする。

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