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- / ISBN・EAN: 4988102090777
感想・レビュー・書評
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1969年、ユニバーサル。アルフレッド・ヒッチコック監督、ポール・ニューマン、ジュリー・アンドリュースほか出演。
【あらすじ】
原子物理学者マイケル・アームストロングは学術会議に出席するため、アシスタントで婚約者のサラ・シャーマンと共に船でコペンハーゲンに向かっていた。しかしコペンハーゲンに着く前、マイケルはある文書を受け取り、急に「ストックホルムで研究活動を続ける」と言い出した。コペンハーゲンに着いて早々、書店から受け取った本に隠された暗号に従い東ベルリン行の飛行機に乗るマイケルを不審に思ったサラは、彼のあとを追う。
到着した東ベルリンでは、西側記者も招いた記者会見でマイケルの亡命受け入れとカール・マルクス大学での教授職就任が大々的に発表される。困惑するサラを、東ドイツ保安省の役人ゲルハルトはマイケルと東側の研究に協力するのなら留まっても良いと諭す。しかし翌朝、マイケルはサラに「国に帰れ」と置き手紙を残し、監視役の目を感じつつ暗号が示した存在「π(パイ)」と接触するため、郊外の農園へと向かうのだった。
果たしてマイケルは売国奴なのか、科学者を装ったスパイだったのか。謎と危険に満ちた東側陣営の中で、サラは驚くべき事実を知る。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
テレビで放映されていてアルフレッド・ヒッチコック監督作品と気楽に観始めた。”引き裂かれたカーテン”とは殺人があったホテルのシャワー室に下っているカーテンと想像していたらまるっきり違っていて、東西冷戦時代の”鉄のカーテン”を表わしていると分かり、俄然本腰を入れる。マイケル(ポール・ニューマン)はスパイ活動のため東ドイツへ亡命の形を取り東ベルリンに潜入。ミサイル開発計画を完成させるために東ベルリン在住・リント博士の研究を盗む必要があったのだ。彼の助手であり婚約者でもあるサラ(ジュリー・アンドリュース)も巻き込まれて東ドイツへ行くこととなった。本作は失敗作ともいわれているらしいが好きなファンもたくさんいるようだ。
目的を遂げ東ドイツを脱出する局面になり数人の女性が登場する。プライドを傷つけられ根にもつプリマドンナ(舞台からお客を見る余裕で客席にいるマイケルとサラを見つけ通報する)。マイケルを追って来た男をオーブンで殺害するレジスタンスの農婦、冷静な保健師、かと思うと同志らで匿ったバスの中にヒステリックな女性が居たり。東ドイツの監視社会の不気味さと異様さにゾクゾクと背筋が凍りそう。
中でもクチンスカ伯爵夫人が印象深かった。リラ・ケドロヴァというソ連出身の女優さんと知る。”その男ゾルバ”でアカデミー助演女優賞などを受賞した名女優さんらしいが、彼女もフランスに移住していた。そんな経歴があの怪しげで風変わりな演技となったのだろうか。
当時の東ドイツの状況下が現在の香港と重なり推理サスペンス以上に胸が詰まってしまった。
日本語訳の出し方が巧妙だった。 英語の会話はすぐ訳されるがドイツ語でしゃべる部分はすぐには日本語訳がない。英語でこういうことだったのだと説明されて初めて日本語訳が出る。早く知りたいと逸る気持ちは脱出を図る登場人物と同じく昂揚する狙いがあったのだろう。さすがヒッチコック監督と拍手を送った。 -
「安心できないよ」
かなり濃い脇役が多数出てきてなかなか見応えのある作品でした
見ていて三谷幸喜作品を思い起こさせ、あ〜きっと彼はこの作品にも影響を受けているのだな〜などと思ってしまいまして
ヒッチコック作品は数々見てきましたが何故かこの作品は今まで全くと言っていいほど知りませんでした
ポール・ニューマンもジュリー・アンドリュースも好きな役者さんなのに何故なのだろう
調べてみるとどうやらこの作品はあまり評価がよろしくない様子
何故なのかは知りませるし知りたくもありません
自論ですが映画とは世間や人の評価で見るのではなく実際に自分で見て面白いかそうじゃないかだけです
したがってみる前にレビューを読んだりもしませんし見てからもあまりレビューは読みません
見終わってどおしても分からなかったり理解できない時に活用しています
ただそのような映画の探し方だとなかなか面白い作品を見るチャンスが少ないのも確かなのですがま〜コレも出逢いなので仕方ありませんね。
次は『マーニー』を捜して観なければなりませんね。
でわでわ
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テンポの遅さに若干イラつきますが、ヒッチコック流の緊張感の演出なのでしょう。国境超えのバスシーンや舞台観戦も指名手配されてるんだからもう少し目立たないように変装すればいいのに・・
演技の方ではジュリー・アンドリュースに感心しました。ジュリー・アンドリュースといえば「サウンドオブミュージック」(1965年)でのシンガーとしての達者ぶりが印象的でしたが、この映画では顔の表情だけで見事に演技しています。
『引き裂かれたカーテン』(原題:Torn Curtain)は、1966年の米映画。冷戦時代のドイツを舞台にしたスリラー映画。
長年ヒッチコック映画の音楽を担当してきたバーナード・ハーマンとは内容をめぐって対立し、以後完全に袂を分かった。このため、前作の『マーニー』がハーマンと組んだ最後の映画となった。 (Wikipedia) -
TVにて
スパイがあたかもいい者の様に描かれて,東ドイツの人々が脱出の手助けをしてくれるのはなんだか違うと思う.アメリカの自分が正義というのがあからさまに見えて,ヒッチコックの映画としては今ひとつ. -
「午後のロードショー」にて。ヒチコック晩年の作品。ポール・ニューマンとジュリー・アンドリュースという組み合わせに意外性あり。
共産圏の科学者の頭の中にある方程式を盗むというプロットはユニークだし、その手段もなかなか面白い(カーテンってそういう意味ね)。でもそこを除いちゃう結構かったるいスリラーですね。
邪魔するだけで全く役に立っていないヒロインのジュリー・アンドリュースには少しイラッとしますが、「サウンド・オブ・ミュージックも劇場から逃走する話だった」という指摘は鋭い。狙ったか? -
初ヒッチコック。
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観終わって寝たら、本作のラストシーンをほとんどそのままなぞるような夢を見た。
アメリカのスパイとして東ベルリンに潜入したアームストロング博士の逃亡劇。彼が助かることははっきりとわかっているのに、「どうやって助かるか」まったく予想のつかない映画。
見所はまったくその点に尽きる。ヒッチコックはやっぱり天才だ。