その日のまえに (文春文庫) [Kindle]

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  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 様々な人の死
    すこし重たいテーマを考えるよいきっかけになる

    ただ すこし美化されてすぎているようにも

  • ーー「終わり」を実感した直後から「残された時間」が輝き出す。
    本書には「人生の終わり」を実感した登場人物とその家族の「残された時間の輝き」が綴られている。

    重松清さんの紡ぐ文には、この「終わり」がかける魔法に近い力が宿っている。

    重松清さんの文を読むと、生活の解像度がグンと上がるからだ。
    手垢が付いてどうにも鈍ってしまってた感覚器官が磨かれていくのを感じる。

    すると、見慣れた生活空間で交わされるお決まりメンバーとのやりとりの中に、ハッとする瞬間が訪れるのだ。僕はこのような発見を一緒にいる人たちとひとつでも多く共有したいと願っている。

    だからまた、重松清さんの作品を読みたくなるのだ。

  • 何も知らずに読み始めましたが、なんとこれは!
    できればみんなに読んでもらいたい。
    短編の7編すべてが、それぞれにとても心のきれいな人々が…最後の3編は、涙をどれだけ流したか…

  • 全編に優しく静かな音楽が流れてるかのような心暖まる作品。
    昨年、私は近々会えると思ってた知人を突然亡くしただけにストーリーがよけいにこたえました。
    でも、遺された者の再生ストーリーに勇気をもらいまた歩き出せそうです。

  • 重松さんの小説は、とにかく泣ける。その泣ける理由が、悲しさや激しいストーリー展開ではなく、心の「温かさを求めている部分」の琴線に優しく触れてくれるから、というのは特徴的だと思う。文体も、ストーリーも。

    今回の小説もまさにそうだった。

    歳を重ねる毎に、著者が得意とする?「子ども目線」から自分が離れてしまいしばらく疎遠になっていたが、この本は大人の視点で語られている文脈も多く、まさに「今の自分」に響く部分が沢山あった。

    大切な親が余命宣告された時の家族の心境や葛藤。その過程で生まれる記憶との向き合いと、それがなければ起こらなかったであろう昔の友人との再会などの過程を、あたかもその場にいるかのような表現で体感することができる。

    生きている人、一人一人の日常に「物語」があり、その人間味をじんわりと感じさせてくれる名著でした。

  • 死をテーマにしてるので暗かった。いくつかおはなしが入っているけど、どことなく登場人物が繋がりがあって面白い。それくらい馴染みのないような死も、みんな当たり前に訪れて、触れる機会があるという意味なんだろうか。
    聞いてて、なんで作者はこれを書こうとしたんだろう?って思ったけどあとがきを読んでなるほどと思う。

  • 一番好きな書籍。
    何度も読んでいる唯一の小説。
    死について扱っている本。生を考えさせられる本。

  • 身近な人の死との向き合い方について描かれた作品だった。本でも内容でもなく作品だった。そして背中が痛くなったらすぐに病院へかかろうと思った。

  • うん、泣ける。泣いた。
    最初は微妙かな、なんて思って読んでいたのに、気がついたら…。
    いつか「その日」に向かい合わなければいけないし、向かい合ってもらわないといけない。
    本書にもある通り、「その日」のことを、「その日」に向かって、考えることが答えでもあるのだろう。
    でも、まだまだ先にしたいな。

  • 家族の死をテーマにした連作短編集。ひとが死んでしまうことの意味を問う場面もあるが、終末医療に携わる看護師の言葉が心に残っている。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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