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- / ISBN・EAN: 4988003816346
感想・レビュー・書評
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「リンダリンダリンダ」「バカのハコ船」山下敦弘監督作品。
脚本は「UnderwaterLove おんなの河童」「若きロッテちゃんの悩み」のいまおかしんじ。
中卒の素人童貞扮する森山未來が救いようのないダメ男を演じる。
「モテキ」はまだ観ていないが、きっとそれとは正反対の役所。
こんな役できるのは、彼と山本浩二くらいしか思いつかない。
いやあ、自分の本性を描いているようで胸クソ悪い映画だ(笑)
オトコの本性と
はきっとこういうものだ。
でも自分もダメ男だが、こいつはさらにひどい。
何も成し遂げたことともないやつなのに、やたらいばる。
映画を観ながら、「こいつはおれより下の人間だ」と心の底で
見下しながらみる。
友達に見放され、元カノに虐げられ、やっとできた古本屋の女友達(前田敦子)にも頭突きされる始末。
友達に紹介してもらった別の女友達との千載一遇のチャンスにも彼は酔った勢いで罵倒してしまう。この世の全
ての悪がのりうつる乗り移ったような迫力のある生々しいシーンだった。
そんな彼の唯一の趣味は読書。
救いようのない「ミライ」しか見えない最後しか想像できなかったが、
最後の最後ので一筋の光明を得る。
すべてに見放され文字通りパンツ一丁でボロアパートに戻ってきた彼は、
そして何かにとりつかれたかのように文字をしたためる始めるところで映画は終わる。
きっと彼はこの世への吹き溜まりのように鬱積したものがこれからダムが決壊しようにあふれ出てくるだろう。
でもそれは他人に対する悪ではなく、書物として。
回り道はしたが、やっと彼は自分のするべき事を見つけたのだ。
この時点で彼の人生が変わった。
そう思うと彼の掴んだものに嫉妬したのだった。
元AKBの前田が好演。
「もしドラ」よりずっと女優として光っている感じ。
ギャルっぽくないところが
時代設定に合わせた風貌がよく似合っているね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(2012年作品)
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岡山までの新幹線で鑑賞。
役者さんの演技が良かった。
森山未來のダメっぷり、あまりに自然。
高良くんも相変わらず良い。
心を打たれる…という感覚はゼロで、二度観ようとは残念ながら思わない。
こんな時代、こんな暮らしもあるのね、
という擬体験ができる。
マキタスポーツが出演していて妙に嬉しい。 -
1986年、日雇い労働者として働く19歳の北町貫多は、ある日新入りの専門学生・日下部との出会いを機に、戸惑いながらも19歳らしい日々を送るが…。
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9割作者、西村賢太の実話らしい。
なんかリアル過ぎてちょっと引いた・・・ -
DVDレンタル。
公開直前に原作者本人がブーイングしていた作品だが、なかなかどうして、いい作品だと思う。ほぼ全編、主演の森山未来の一人芝居。彼のキレっぷりがすばらしい。望むなら、もっとマキタスポーツ氏と絡んでほしかった。元AKBの人が出演する必要があるのかといえば、微妙だが、それほど重要な役でもないし、スポンサーを納得させるためには女っ気も必要だろう。
ところで、この映画は青年が小説家を目指すサクセスストーリーではない。コネもガクもカネもない人でも、ないなりに泥臭く生きていくことができる時代を描いたものだ。今、言われている「格差」なんて当たり前。というか、「格差って何?」という時代だ。格差はあって当然という時代は、今よりも良い時代かもしれない。 -
あらすじは、さておき、
元気が出るか、出ないかは、
観ている人の境遇に左右する。
思ったより、前田敦子は出てこない。 -
森山未來SUGEEEEE!となる映画。
父親が性犯罪者で中学時代に一家離散、日雇いで生活してる風俗狂いで読書家の主人公。
日雇いの現場で知り合いになった、専門学生の正吾。
主人公が一目惚れした古本屋のバイトの康子。
というメインの3人の話。としか説明できない。
とにかく森山未來のクズっぷりがすごすぎて、この人ほんとに森山未來?となる。
話が通じないDQNというか、こういう人いるんだろうな、うわあ・・・っていう、生理的な嫌悪感を見てる側に起こさせる演技でした。きもかったw
一人称が「僕」なのも、きもさに拍車をかけてた。
多分、この主人公は原作者のコンプレックスみたいなのをぎゅーっと詰め込んだ結果できたんだろうな〜。
でも、おやすみプンプンみたいな、救いのないストーリーの中でこそ輝く生命力みたいなのが見えてとても良かった。見てるうちにだんだん、自分が主人公サイドに取り込まれていくのが不思議な感覚でした。
下衆い森山未來が見たい方はぜひ。 -
やっと観れた苦役列車!
森山くんの貫多はまり役だゎー。
本当にろくでなし。
前田敦子…映画にしか出てこないヒロインだけど、良かったー!
マキタスポーツさんの歌声に惚れ惚れしてしまった。 -
森山なおのダメ男っぷりがよかった。監督が、自分よりダメな人がいるということで元気をだしてほしいというようなことを言っていたらしい。
昔はこんなだったのかなと思う模写もあったり。中卒ということで、かなりのコンプレックスのかたまりだった。中学卒業してから、日雇いの仕事をして、ソープランド通いをして、という人は私の周りにはいないから、新鮮だった。こういう人が読書なんてしないと彼がいっていたけれど、果たしてそうなんだろうか?読書は、いい趣味だと思う。
山下監督は、彼は好きみたいだ。社会派の映画をとっている。暴力シーンがシリアスではなく面白く描かれているとかれがいっていたが、暴力シーンの後に動物ごっこがあって、大爆笑!これは面白い。ぜひご覧あれ。
日雇いだから、怪我をしても保険がおりなく、会社からの資金も少額だ。そういう社会の不条理さも描かれていた。
夢はもつなというおっちゃんが、昔は歌手にスカウトされたといっていて、テレビのスターに発掘の番組に出ていた。希望をもてとというメッセージなのだろうか。
作者自身も苦役列車のような生活をしていたみたいだ。自分の経験も織り込まれているんだろうな。 -
以下ネタバレがあるんで、この映画を楽しみにされている方は読まない方がいいと思います。
言わずと知れた西村賢太の芥川賞受賞作「苦役列車」が、映画化。ホントは映画館で見たかったが、逃してしまった俺にとっては、かなり期待してレンタルDVDを再生。
冒頭、風俗店から主人公 北町貫太が出てくるシーン。よっしゃ、つかみはOK、と思いきゃ、前半はなんかテンポが悪く、いまいち笑えなかった。笑えないどころか、セリフも所々聞き取れない。
こりゃ、失敗だな、やっぱり、原作が勝っちゃうという、小説を映画化した場合によくあるパターンかな、と思った。
が、見終えると、大好きな作品だった。
原作と話が大分違う。
けど、この映画の北町貫太が、痰を吐き捨てるシーン、ご飯に醤油と味噌汁をぶっかけてかきこむシーン、家賃滞納でアパートを引き払う際に大家へあてつけに部屋でウンコしようと試みるシーンが原作の北町貫太のキャラクターをこの作品が補完している様に感じ、にんまりしてしまった。
で、原作に無かったちょっとさわやかな青春モノティストも、古臭いながらに、見てて熱くなってくる。そこが却ってもてない男の無様さが身につまされる。
後は、前田敦子とマキタスポーツ。前田敦子はAKB48をよく知らない俺としては、こんな美女が古本屋て働くわけねーだろと思いつつも、こんな美女がおる古本屋には毎日通っちまうよ、というファンタジーに浸る事ができた。マキタスポーツは、ファンタジーと対極の現実的なくたびれたおじさんを見事に演じきっていた。芸人としても素晴らしいのに、それだけに留まらない潜在能力の高さに、マキタスポーツの深さを感じた。今後も俳優マキタスポーツが見たいと思った。
下品なシーンがたくさんあるし、スカッとしたハッピーエンドではないのに、不器用で端から見てるともどかしい北町貫太の暑苦しい情熱が感じられるラスト。たまらんよ。