これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) [Kindle]
- 早川書房 (2011年11月25日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (411ページ)
感想・レビュー・書評
-
オーディブルにて通勤中に聞いたけど、集中力が途切れて話を見失いがちだった。
各問題に対する賛成派反対派の論拠を列挙してくれるので、元々その問題に対して抱いていた、善いことのような気がするけど感情的に釈然としない、、、といったぼんやりした気持ちの理由が整理される感じが良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
正義の基準とは何か、という問題に対して、所謂「最大多数の最大幸福」は数値化できない価値を考慮しないことが気になるし、一方、人に迷惑をかけない限り自由意思が全て、という考え方は、基準がないと言っているに等しくなる場合がある。ということで、やっぱり伝統的価値観(≒美徳)もあると認めないと、議論のための議論になって腹落ちしないよね、という話だと理解しました。途中、いろんな哲学者の考え方が出てきますが、うまく3類型にまとめてくれているので、頭の中に入りやすかったです。でも、もう一度読まないと正しく理解しているか自信がないですが。
-
サブタイトルに書かれている通りの哲学書です。しかも、近代哲学から現在哲学のハイブリッドなのできわめて難解で、よくわかりません。
-
解ったような?わからないような?どちらが正しいのか?議論のための議論のようで私には、「哲学」は難解すぎる。
-
「能力の高い者は、能力の劣る者にくらべれば、幸福になるためにより多くのものを必要とするし、そのためには、より大きな苦しみを甘受する場合も多くなる。」
多くの哲学的考えについて、著者のコミュニスト的批判が加えられた本。哲学的思考の有名どころ、たとえば、功利主義、正義論、について広く学習することができる。
カントによれば、人間性は究極目的であり、それは意志により達成する事ができる。つまり、なんらかの目的を達成するための道具であるはずの肉体、精神、意志の適切な利用こそが、生きることの究極目的であるとする。
ロールズによれば、才能や努力はそれが属する人だけのものではなく、公共のものである。つまり、誰かの成功によってもたらされる経済は、公共の財産であるべきだとする。無知のヴェールによる出発点の均等化はいいにしても、結果の平等すら求めるのは共産主義的考えに通じるのではないか。
マーシャルによれば、同性婚を認めるかどうかには結婚の目的が大切である。結婚は生殖が目的であるのか、愛情の独占であるのか。各国によって”結婚制度”が作られた背景は違うので、同性婚が認められるべきか否かは、その制度設立時の意図に従うべきである。同性婚を認める場合には、制度設立の意図を変えざるを得ないが、時代とともにそれが行われてもよいと考える。 -
「アリストテレスは死んでいない」、この言葉をたまたまテレビで聞いて哲学へと導かれた。最新の情報機器に触れる内、新しいことは良いことだと信奉していたようだ。しかしそれは善い生とはどういことはを示してはくれない。古代からのテーマは今なお生きている。それに気づいた今、時代を超えて先人に学んでいきたいと思う。
-
見た目に比べてかなり中身はハード。
-
相手が殺すことに同意している場合の殺人は非難できるか、ジョーダンが高額を稼ぐことの是非、格差是正措置としての入学基準補正の問題はどこか、同族や共同体に対する優遇はどこまで許されるかなど。とにかく考える題材になる。
-
いろんな虐殺について触れている場面で、アメリカ人のインディアンの虐殺に触れていなかったのが、アメリカ人らしかった。
内容は、難しかった。
人の考えをいろいろ聞いてみたくなった。
電子書籍だから、ふとした折に読み返そうと思う。