とせい (中公文庫) [Kindle]

著者 :
  • 中央公論新社
4.00
  • (2)
  • (8)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 23
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (331ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日村は阿岐本組の代貸だ。若いもの4人の頭をしている。小さなシマを持った弱小ヤクザだ。しかし親分の組長は色々な所に人脈を持っている。またシマ内の堅気を泣かせてはならないという昔気質だ。そんな日村のもとに色々と揉め事が起こってくる。そして今回は倒産寸前の出版社の社長を親分がやるというのだ。そして日村は役員として乗り込む。さてどのような展開になるか。

  • 今野敏のヤクザ系エンタテインメント。
    タイトルの「とせい」とは、おそらく「渡世」の事であり、ヤクザの
    生きる日常を指す。

    最近では珍しいくらい義理と人情を大切にするヤクザが、ひょんな事
    から出版社を経営することになってしまう、という、かなりぶっ飛ん
    だ設定。しかしこの作品、非常に面白かった。

    主要登場人物はヤクザと言うよりも、任侠の人。
    カタギには一切の迷惑を掛けることを良しとせず、意地や面子はしっ
    かりと通す。ストーリーの流れはかなり都合が良い感じがしないでも
    無い(^^;)のだけど、彼らの奮闘する様に感情移入しまくってしまう。

    薦めてくれた人はこれを読んで「ヤクザになりたくなった」と言った
    のだが、僕も全く同じ事を感じた。あくまで、こういうヤクザだった
    ら、だけど。

    こういうジャンルの作品でありながら、読後の清涼感はかなりのもの。
    シリーズでもう何作かあるので、これから順次読んでいくつもり。
    かなり良いです、コレ。

著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

今野敏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×