経理以外の人のための 日本一やさしくて使える会計の本 (ディスカヴァー携書) [Kindle]

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  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • 経営者視点を手に入れるための入門書

    介護現場のマネジャーは、ときに「経営者視点」で物事を考えることが求められる。
    経営者と従業員で最も視点が異なるのが「お金」のことだろう。

    経営者はお客さまからいただいたお金を、従業員に給与として分配しつつ、事業を維持するための支払い、さらに将来へ向けて投資することを考える。
    そのためのお金は、多いに越したことがない。(たくさんの給料を払い、故障する前に設備を整備し、思いきった先行投資を行う)
    ここでいう“お金”は売上ではない。利益である。

    売上目標を達成しても、利益を生み出さなければ、会社にとってはマイナスである。

    1時間1000円で高齢者宅の庭掃除を自費サービスとして提供した。
    お年寄りは「自分でできずに困っていたから、本当に助かった」と大喜びだ。
    庭掃除をした職員も、大変な感謝をされてよろこびと充実感を味わっている。
    「また次も頼むよ」
    「もちろんです!」
    さて、この職員にも給料が振り込まれた。時給は1500円だ。
    この自費サービスは提供するたび会社に500円の赤字を生み出す。経営は小さな数字の積み重ねである。どれだけお客さまが喜んでくれても、赤字事業は継続できない。(先行投資や広告宣伝としての赤字事業もある)

    介護事業は目の前のお客さまからの「ありがとう」を直接受け取ることができる尊い事業だ。
    その分、利益に関する考えが二の次になりがちだ。
    介護事業には、働くことの意義として他者貢献をトップに挙げる人が多い。それ自体は素晴らしいことだ。
    だからこそ利益“も”大事なのだ。

    介護現場のマネジャーなら、まずは会社で決めたルールで仕訳する“管理会計”で数字を見る習慣をつけたい。
    その上さらに、経営者視点で事業を捉えるには、財務会計やキャッシュフローの見方を知っておいた方がいい。

    目の前の人の生活を支えることに集中してきた人にとって、“会計”など文字を見ただけでも頭が痛くなるかもしれない。
    僕もその部類の人間だ。

    しかし、マネジャーとして経営の一翼を担うのならば、会計の概要ぐらいは知っておきたい。簿記に出てくる難しい言葉を覚える必要はない。

    この本は、貸方借方という言葉すら使わずに、マネジャーとして知っておきたい会計知識を説明する。
    財務経理担当者向けの高度な話はなしにして、なるべく単純化して、概念や全体像を描くことに特化している。
    そのため、会計全体を“覚える”のではなく、“理解する”のに非常に適した本だ。

    一度読んだだけで、全てを理解したわけではないが、数字と睨めっこするときには辞書のように開いて、その意味を確認したい。

  • ちょっとした、ストーリーの中に会計に関する用語ややり取りがあり、読みやすい。
    主人公は、経営者ではなく会社員なので社員の視点からみる会計の本だと思う。

    専門用語が多々あるが、その都度説明もされているので理解しやすい。また、読み返し理解したいと思う。


  • 面白いし、勉強になった。
    ストーリーと解説という構成で書かれた本。

    ストーリーがあるから、会計がなぜ必要かが意味のある形で理解しやすい。初学者にはおすすめできると思う。

  • 専門外の人でもわかるように書いていた。

  • 会計の「か」の字もわからない初心者ですが、とてもわかりやすかったです。黒字なのになぜ倒産するのか?が目から鱗でした。

  • 海外雑貨の物販をしている会社のサラリーマンが主人公で物語が進行する。
    主人公に対して、上司が会計の知識を諭す形で進むから読みやすい。
    本来必要な会計は、管理会計(社内用)→財務会計(取引先用)→税務会計(税金支払用)。

    重視すべきは売上よりも粗利。
    時間を金利換算する。売掛回収までの期間が長ければそれだけ金利分損をするし、リスクも高まる。
    利益と手元にあるキャッシュは異なる。在庫が積み上がるほど、利益はあるけどキャッシュがない状態になる。
    長期的視点では利益を上げることが重要だけど、短期的にはキャッシュがあることが第一。

    会計は意見を表し、現金は真実を表す。
    キャッシュを安定させるためには、回収は早く、支払いは遅く。在庫を出来るだけ持たない。不要資産は素早く売却。お金は借りられる時に借りる。

    日本の税制は急成長する会社を念頭に置いてない。
    急成長している会社は資金繰りのために株式公開をせざるを得なくなる。

    管理会計は正しい経営判断をするため、実態にあった正確な数字を導き出すことが大切。そのため制度会計のルールに縛られることなく、自社独自の会計ルールを作ってOK。

    後書きにあった著者の両親の話は衝撃的だった。自分でビジネスをやるなら会計の知識は必須であると改めて感じた。知識がないと会社も自分のお金も、家族の命も守ることができない。

  • わかりやすい新人教育に使える

  • 物語から解説の流れはおもしろいのですが、もう少し図が多くても良かったかなと思います。手書き風で数字がないというのは初心者にはありがたいです。
    かなり初心者向けで、営業向けです。

  • 僕は、元が元なので、最後まで読める会計の本は少ない。よかった。図があるんだねっていうレベルから、図の読み方がわかるようになればいいのだろう、と思えた。

    21世紀の状態を、経済や金融方面から眺めたらどんなように見えてくるだろうか。そういうものも捉えられる。今は、環境やビジネスだけでなく政治なども、21世紀化過渡期というか、年々テコが大きくなっていくだろうと思った。また、あるタイミングではっきりと動き出すものなのだろうと。やたら騒いでもしょうがないというか、違う目線もないとどうしようもないなと。

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著者プロフィール

久保憂希也(くぼ・ゆきや)
株式会社KACHIEL代表取締役社長
1977年、和歌山県和歌山市生まれ。1995年、慶應義塾大学経済学部入学。2001年、国税専門官第31期として東京国税局に入局。飲食店・医療業・士業・ 芸能人・風俗等の税務調査や、外国人課税事務、確定申告関連事務を担当。 2005年、東証一部上場企業に入社。新規事業・経営企画・事業戦略・M&A・事業提携を担当。在籍した4年弱の間に13のプロジェクトを成し遂げる。2007年、会社全体の営業利益の3分の1(約63億円)を計上する子会社の取締役に就任。グループ全体26社・3,000人の部下を統率する。2008年に独立し、経営全般に関するコンサルティング事業を行う株式会社InspireConsultingを設立。2016年、株式会社KACHIELの代表取締役社長に就任。
著書に『「数字」で考えれば、仕事の9割はうまくいく』(KADOKAWA)、『経理以外の人のための 日本一やさしくて使える会計の本』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)など多数。

「2022年 『数字が苦手な人のためのいまさら聞けない「数字の読み方」超基本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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