日本の歴史をよみなおす(全) (ちくま学芸文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 百姓とは、様々な仕事をする人たちのことであり、農民のことだけではなかった。
    過去の戸籍で百姓となっていることを農民としたことで、日本は農民社会だったという誤った理解が生まれた。商業もとってもさかんだった。

  • 折に触れて読み返している、自分にとってはバイブルのような一冊。
    網野善彦の本の中では、とても読みやすい部類に入る。しかし一見とっつきやすそうな文章と裏腹に、語られている内容は深く、高度。網野史学の集大成といってよく、彼に関心のある人はまずこの本から読むといいだろう。
    私はもともと賎民史、特に部落問題に関心があって、そこから網野にたどり着いた。この本の中でも多くのページを割いて賎民の発生が論じられているが、歴史を学ぶことによって、そうした差別がいかに根拠のない、馬鹿げたものかがよくわかる。
    本の最後の方でも語られているが、現在の日本の立ち位置とこれからの方向を考えるうえで、鎌倉あたりの中世まで遡った歴史を学ぶことはとても意義があると思う。本書はその糸口を与えるものであり、日本人必読の書といっていい。

  • これは、もう、素晴らしすぎる!!!!
    今年で一番読んで良かったと思える本。

    ミクロ的な視点とマクロ的な視点、双方をここまで兼ね備えた研究者っていないんじゃないかと思えるくらい。

    日本の歴史にとどまらず、東アジアの歴史、ヨーロッパの封建主義の話等までに、インプリケーションがある、と言える著者の知識と、世界を構造化してみる頭の良さ、、、

    本当に出会えて良かったと思える本でした

  • 学生時代の歴史の授業と、時代劇で作られた歴史に対する考え方をリセットできる本。全人口の90%が農民だったという定説に対して、歴史資料と論理的推定でそれを覆す。どこまで、本当かはよくわからないが面白いと思う。

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著者プロフィール

1928年、山梨県生まれ。1950年、東京大学文学部史学科卒業。日本常民文化研究所研究員、東京都立北園高校教諭、名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授を経て、神奈川大学経済学部特任教授。専攻、日本中世史、日本海民史。2004年、死去。主な著書:『中世荘園の様相』(塙書房、1966)、『蒙古襲来』(小学館、1974)、『無縁・公界・楽』(平凡社、1978)、『中世東寺と東寺領荘園』(東京大学出版会、1978)、『日本中世の民衆像』(岩波新書、1980)、『東と西の語る日本の歴史』(そしえて、1982)、『日本中世の非農業民と天皇』(岩波書店、1984)、『中世再考』(日本エディタースクール出版部、1986)、『異形の王権』(平凡社、1986)、『日本論の視座』(小学館、1990)、『日本中世土地制度史の研究』(塙書房、1991)、『日本社会再考』(小学館、1994)、『中世の非人と遊女』(明石書店、1994)。

「2013年 『悪党と海賊 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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