影踏み (祥伝社文庫) [Kindle]

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  • 祥伝社
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感想・レビュー・書評

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  • 【双子、闇の中。】
    どんどん面白くなるお話。
    オーディオブックで読了。
    アフターストーリーも気になります。

  • この作品を読んで横山秀夫という作家が気になり、他の作品も読み漁ったという記憶があります。
    全体に流れる哀愁とほどよい緊張感、大好きです。

    プレゼントを届ける為に、忍び込むストーリーが特に好きで、主人公の人となりが強く感じられたと思っています。

    ずいぶん昔に読んだ本でしたが、何度も読み返したいと思う一冊です。

    実写化されましたが、敢えて観ませんでした。

  • 真壁修一(のび師=人のいる家に入る泥棒)と弟の啓二の周辺の話。

    作品が面白いのはさすが横山秀夫だなと。
    オーディブルで聴いてみたが、何で読んでも聴いてもこの作品は面白い。人の心情描写が自然だからか。安定の星4つ。

  • 一編完結のシリーズもん。盗っ人の本なんで、スカッとはしないが。

  • 設定が面白い。双子の弟が頭の中にいる双子の兄。
    もともとはエリートコースだったが、弟が窃盗で逮捕されたことで、人生が狂い始める。

    自分が双子のため、ちょっと気になる話。
    ただ、自分の場合にはそこまで弟との距離はちかくない。

    悪だけど、一本筋の通った主人公はなかなか良かった。

    続編はありえないと思うのでちょっと残念。

  • 辛い話だ。

  • 「ノビ師」とは、深夜寝静まった「人のいる」民家に忍び込む泥棒のこと。「ノビカベ」の異名をとる「ノビ師」真壁修一の連作短編集。
    「双子というものは、互いの影を踏み合うようにして生きている」
    修一の中には、亡くなった双子の弟の「声」が同居し、会話しつつ物語は進行する。
    切ない話だった。
    (電子書籍 kindle)

  • ノビ師という泥棒を主人公にした,異色の連作短編集。「ノビ師」というのは,「空き巣」と違って,深夜寝静まった「人のいる」民家に忍び込む泥棒だそうだ。主人公ということで,単なる盗みに焦点を当てるのではなく,ノビ師の技術を使って様々な事件を解決していくというストーリーである。ちょっと屈折した,頭の良い主人公がクール。経緯は説明されないが,昔火事で死んだ双子の弟の魂が,内耳に住みついているという設定で,ここが各編を繋ぐ縦糸になっており,単なるダーク・ヒーロー物ミステリーとは一線を画している。この作家の文章は,売れっ子ミステリー作家にありがちな軽薄さがほとんどなく,気持ちよく読める。

  • 「トノカベ」と呼ばれる家屋忍び込み泥棒のプロ、真壁修一を主人公にした連作ミステリー短編集。

    横山秀夫は短編ミステリーの名手と思うが、この作品は異色。
    まずは、主人公を泥棒にしたこと、15年前に母親に無理心中で焼死させられた双子の弟が真壁の中耳に棲みこみ、「相棒」となっていること。凡作であれば、トホホな展開となりそうだが、さすが横山秀夫、面白い短編集となっている。

    主人公は元々は司法試験にも受かる実力をもった秀才。しかし、弟の焼死に対し両親を許せずにいて、泥棒稼業を続けている。
    主人公は非常にストウィックな人物に描かれていて、日本の地方都市を舞台にした、ハードボイルド小説としても読める。

    この短編集は、泥棒稼業をしている故に主人公が巻き込まれる事件を、いかに真壁が解決してゆくかというもの。舞台は町内の闇社会であるが、闇社会の仕組みがわかりやすく、かつ何気なく説明されていて、リアリティーがある。また、闇社会独特の語彙がしばしば出てくるが、語源が面白い。また、表紙にあるように、主人公の移動方法は主に放置自転車。このあたりの、小説の雰囲気は、個人的には好き。

    一事件、一短編という構成になっているが、真壁と恋人との行方、15年前の無理心中事件の真相が、各短編に絡み合い、最終編の大団円に向かい収束してゆく。
    派手さはないが、読んで損はないと思う。個人的には好きな味の★4つ。

著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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