- Amazon.co.jp ・電子書籍 (211ページ)
感想・レビュー・書評
-
読もうと思った理由
著者の「あの子は貴族」が面白かったので他も読みたいと思ったから
地方・退屈な女性の感情がうまく書かれていて面白かったです。読みやすくてほぼ一気に読んでしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2012年刊行。
窓際三等兵が言及しているのを見て、そう言えば読んでなかったとポチッた。「16歳はセックスの齢」がいちばん面白かったかも。作者はこの後は小説家じゃなくてエッセイストになってしまったらしくて残念。この本から影響を受けた作品、いろいろ思い浮かびますな。 -
東京から田舎に帰ってきた人や、ずっと田舎にいる人たちの物語です。田舎ならではの閉塞感、息苦しさを感じます。けれど人によっては住みやすい良いところなのかもしれません。
8つの短編が収録されていますが、私が特に好きだったのは『やがて哀しき女の子』です。昔はあんなに可能性があったはずなのに、結婚したいだけの月並みな女になってしまった町いちばんの美少女。田舎で、大人になるとは、こういうことだと切なくなります。 -
東京から地元に返ってきた子とかの短編集。学生時代かっこよかった椎名の感じ、具体的に誰とは浮かばないけど、めちゃくちゃ居そうだなと思った。
「全然パッとしない自分も、行き当たりばったりに無意味に過ぎていく人生も、東京の喧騒にごたまぜになれば、それなりに格好がついて見えた」「いまはこの、ぼんやりトボケた地方のユルさの、なんとも言えないわびしさや切実な寂しさだけが、すごくすごく、本当に思えた」「クルマ買ったらいろいろ教えてあげる。イエローハットとか行こ~」とかときどき刺さる。 -
好み!
「ファスト風土化する日本」「夜露死苦現代詩」などを参考文献にしている。
ファンタジー寄りよりも、問題意識から落とし込んでいて、かつ、ストーリーとしてもおもしろいもの書ける作家さんは他の作品も読みたくなる。 -
田舎の都会への切ない憧れと輝いていた?青春の思い出、ほろ苦さがいい味だしてる。ただ最初の3編はいい。しかしそれから、特に後半は息切れだと思う。前半3作は星4.5で後半は2。ガイジンの主人公の短編は1といったところ。
椎名という、クラスか学年に一人いるような、当時輝いていた男子を巡る、あこがれと現実と思い出とほろ苦さが各短編を継いでいる。
現在から考えると、まだ豊かさの余韻が残ってるような時代背景のように思える。みんな大したことをせず稼いでもいないのに何か余裕があるw
読んでいる最中に、ある詩人が監督した映画「岡山の娘」のすごく印象に残っている
"もう何もすることながないと、会う人すべてが言った。2008年夏、岡山"
というコピーを、何度か思い出した(苦笑)。 -
富山出身の著者による、田舎の若者たちが代わり映えのしない冴えない毎日の中で、それぞれの恋愛をしていく様を、登場する8人の女性の視点でオムニバス形式で描いたもので、着眼点は斬新であり、豊かな表現力で、つまらない日常を鮮やかに描き出している秀作。
けだるい日常が繰り返される地方都市では、こういう感じで人間が歳をとって、家庭を持ち、またその子どもたちが同じような人生を歩んでいくんだろうなと思わせる。