漫画貧乏 [Kindle]

著者 :
  • 佐藤漫画製作所
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感想 : 38
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感想・レビュー・書評

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  • 佐藤秀峰の漫画家としてと言うより経営者としての苦悩が伝わる一冊。
    出版社とのやりとりは泥仕合で、全体的に読後感はよろしくない。

  • kindleにて無料本。
    作者の作品は以前ブラックジャックによろしくのみ、
    単行本を買って読んでいた。

    こちらは漫画家サイドの意見のみを載せているため
    出版社側の意見もあるとは思うものの、
    制作に生活をすべてかけている漫画家と、
    言ってしまえばサラリーマンの出版社(編集者)では
    かける重みが変わってくるんだなぁ。と。

    本書を読んでいて
    「あれ?ブラックジャックによろしくを読んでる?」という気分になるくらい
    作者の行動と斉藤くんの行動や思考が一致するというか
    あれは医療だけじゃなく、出版業界に向けての怒りの漫画でもあったのかなぁ、と
    今更になって思ってみたりして。

    もちろん生活が懸かってるので真剣なのはわかるけど
    あまりにも心情が密すぎて、読んでいて辛い…。
    ブラックジャックもそうだけど、もうちょっと…
    仲間を募るとか、うまいやり方がある気がするのですが。
    孤軍奮闘、かっこいいんですけどね。
    ただ、いくら頑張っても、ああいう感じだと
    あまりハッピーな方に動かないんじゃないかと…
    応援したくても重すぎて気軽に手を貸せないというか。


    ただ、最後の方にある漫画家さんから言われた
    「君のやってることは戦争だ。血みどろの戦いに参加したい作家はいない。もっと楽しそうにやりなよ。」
    に対して
    「産まれる時は誰でも血みどろじゃないか。」
    はすごく感動しました。

    今後も頑張ってほしいし、
    頑張ってほしいからこそ、糸が切れないやり方も
    模索してほしいな。

  • 無料だから読んでみた。

    著者の作品のうち、「海猿」はヤングサンデーでリアルタイムに読んでいた。「ブラックジャックによろしく」は最初のうちは単行本も買って読んでいたが、だんだん読まなくなっていつの間にか休載になっていた。
    本書を読むと、著者のキャラクターは「ブラックジャックによろしく」の斉藤そのまんまなんだろうなぁと思う。

    主張したいことは分かるし、それなりに正しいと思う。新しいことを始めるのは応援したいとも思う。ただ、著者も「もっと楽しそうにやりなよ」と言われたと書いていたが、著者の怒りの気持ちが表れ過ぎていて、読んでて愉快な気持ち、前向きな気持ちになれない。

    とことで,著者のサイト・サービスはkindleには対応していないんだ?
    今後はどうするんだろう?

  • kindleで無料だったので。内容的には先日読んだ『作家の収支』(森博嗣)のマンガ家バージョン。自分の原稿料や収入について赤裸々に語っている。……が、森氏の著作が淡々と事実のみを語っているのに対し、本作はどちらかというと著者の出版社に対する不信感とか出版業界の慣例の歪み、マンガ家の地位の低さなどを問題視し、自分が世界を変えるために行動を起こすまでのいきさつなどが綴られている。読んでいると「やっぱり出版業界はダメだな」と思えてきてしまうので元気があるときに読もう。

  • 漫画家達の悲惨な状況が分かった。
    著者は漫画家として素晴らしい上に人間的にも素晴らしい。

  • 漫画って、ここまで儲からないものなのか。
    100万部ヒット、年商2億2000万円でも年収にすると凡そ3000万円。それも漫画家全体の中で僅か1%が享受できるのであって、その他99%はそれ以下である。

    本書を読むと、出版社や書店、様々な利害関係がある中で最も損をしているのが、漫画を書いている漫画家自身だということが分かる。漫画を書くために必要な諸調査の経費は自分持ち、無事書籍化すれば経費回収できるが、できなければそのまま身を削ることになる。

    今後紙媒体での漫画は衰退すると言われる中で、著者はWEB媒体での漫画を考案する。それは漫画onWebという形で成就した。その経緯も掲載されており、著者の熱意には圧倒された。

  • なるほど。
    ネットやニュースで叩かれていた佐藤氏にも勿論思うところや言い分があって、
    言ってることは正論のように思えた。
    出版業界(おもにマンガ雑誌)の闇と先行きに不安を感じずにいられなくなるような一冊。

  • 無料。なんでブラよろが無料なんだろう?という疑問が解けた。海猿の映画化で揉めたこともなんとなく聞いていて、確か他の漫画家も映画化に関して揉めていたから、大体似たような内容なんだろう。腐っている出版業界のことだからさもありなん。漫画家対出版社の構図は宗教やマルチみたいに抜け出せないように感じた。
    社会経験が十分にあるわけでもなく、自然と搾取構図の中に組み込まれていく。
    芸術についての値段は本当にピンキリでこれという最低賃金基準もないから買い手が自由に操作できる。
    痛いところに漬け込まれたら奴隷のようになり創作意欲もなくなり才能も枯渇する。
    その中でいわゆる売れている人たちはほんの僅か。
    一人の漫画家が模索し電子書籍サイトを立ち上げたのは偉業といってもいい。
    が、読み終えた後、佐藤氏のさまざまな言動にその思いも萎んだ。
    ゴーストライターに触発されてなのか、だから検索するとヒットするのか。
    ブラよろも海猿も元々好きでもないし読む気もドラマを見る気も元々ない。
    作品には魅力を元々感じないしこれからもきっと読むことはない。
    この本がきっかけにもならない。

  • 『海猿』や『ブラックジャックによろしく』で知られる佐藤秀峰の電子書籍による販売のための挑戦と実験を記した一冊。著者が『漫画 on Web』に至るまでの経緯として漫画への愛情や出版社に対する危機感/不信感、既得権益への挑戦と(原稿料だけでは不足する経費を著作権収入で補填させる)システムの打破、新たなシステムを構築するための実験が綴られている。

    漫画家を志す人が多いことで出版社はシステムを維持できているように思えた。電子書籍のシェアは拡大しているようだし、今後のシステム(=ビジネスモデル)の構築に期待。

  • 大ヒット漫画の作者でも原稿料だけでは作品を書けない現状。今はどうなんだろう。映画みたいなプロジェクトで作る大作と1人ですべてをする作品に棲み分けが進むのか。音楽,映像,もそんな感じか。小説とかも同じことが起きるのか。詩はそうでもないかな。

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