ブルージャスミン [DVD]

監督 : ウディ・アレン 
出演 : アレック・ボールドウィン  ケイト・ブランシェット: サリー・ホーキンス  ピーター・サースガード 
  • KADOKAWA / 角川書店
3.47
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本棚登録 : 443
感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111246844

感想・レビュー・書評

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  • 全くの予備知識を得ずにレンタルし鑑賞した作品でした。

    タイトルとパッケージの写真から受ける印象でラブ・ストーリーでは?との思いで見始めましたが全く異なる作品でした。

    共に養女となって姉妹として育ったジャスミンとジンジャー。資産家の夫との生活が破綻した姉のジャスミンが妹のジンジャーの家に転がり込んで来る。
    外見も性格も全く正反対の姉妹の関係が面白い。セレブとして暮らしていた姉の夫が詐欺師で財を成していたが浮気がジャスミンに知れてしまった事からせいから全てが崩れ去っていった。
    妹に世話になりながらの生活でも過去の優雅な生活に戻る事を諦めきれず交際した男性には嘘で固めた姿を演じて行く。

    そんなジャスミンの姿をケイト・ブランシェットが揺れ動く女性の心を素晴らしい演技で表現しています。ラスト・シーンの路上のベンチでの表情は本当に見事でした。

    観終わってからウディ・アレンの脚本・監督した作品と知りましたが切ない展開の中にも個性の強い人間模様をユーモアを見事に絡めた内容に納得しました。

  • ウディ・アレンらしい痛々しくも滑稽な秀作でした。
    構成や編集が絶妙に効いている。

    ジャスミンにとっての過去の栄光は
    あぁ、あの頃は良かったなぁ・・・ではないのですね。
    生きる意味そのもの。
    あのブルジョワな空気を吸うことで「生(せい)」を
    感じていたのでしょうね。

    それをつまらない嫉妬で自分で粉々に壊してしまった。
    そしてあの忌まわしいスタートラインに戻ってしまった・・・。

    妹の存在は自分の出生の場所そのもの
    否定するものであり
    たとえ妹の今が彼女なりの幸せを実現した姿であったとしても
    決して同じレベルに甘んじてはいけないものなのでした。
    ジャスミンにとって一番距離を置かなくてはならないものが妹の境遇なのでしょうね。

    その絶対に同じ場所にいてはいけない妹の生活より
    下にいいるのが今のジャスミン。
    それは理解不能でありパニックレベルの現実なのです。

    ジャスミンは不遇な今の現実の姿なんて見ていられない
    私は話すべき人と話し、見るべき風景を見る
    見えない誰かと話す痛々しい独り言であっても
    耐え難い現実に打ちのめされることに比べたら
    その方がよっぽど正気でいられるのでしょう。

    妹の子供のお守りをしているときに吐露した
    あの思いが彼女の原動力なのでしょうね。

    痛い人々のストーリーに名作が数々ありますが
    このジャスミンのそれは
    「ヤングアダルト」や「ロミー&ミッシェル」が
    可愛く見えるほど強烈なものでした。

    このところのウディ・アレン監督はスゴイね。

  • サンフランシスコの空港にジャスミンという名の女性が降り立った。
    かつてニューヨーク・セレブリティ界の花と謳われたジャスミン。
    しかし、夢のセレブ生活から一転、裕福でハンサムな実業家のハルとの結婚生活も資産もすべて失い、人生のどん底にいた。
    庶民的なシングルマザーである妹ジンジャーの質素なアパートに身を寄せたジャスミンは、華やかな表舞台への返り咲きを図るものの、過去の栄華を忘れられず、不慣れな仕事と勉強に疲れ果て、精神のバランスを崩していく。
    そんなある日、理想的なエリート外交官の独身男性ドワイトとめぐり会ったジャスミンは、彼こそが再び上流階級にすくい上げてくれる存在だと確信する。
    名曲「ブルームーン」のメロディに乗せて描かれる、あまりにも残酷で切ない、ジャスミンの運命は。旦那が金融詐欺で稼いだ金でセレブ暮らし出来ていたことも知らず、旦那が逮捕され莫大な借金を負い、やむを得なく妹の厄介になるも、贅沢グセがついていて荷物を運んで貰った人にチップをあげたり妹の所に訪れる時にファーストクラスの飛行機に乗ってきたり、現実を受け入れられないジャスミンの虚言を繰り返し現実逃避し続けるイタイ・セレブ気取りぶり(下働きはやりたくないと学校で資格取得しやりがいのある仕事をしたいけど、パソコン教室での勉強が上手くいかず歯医者の仕事もクビになりセレブ男を探すしかない)が悲しくも切なく、セレブが似合うケイト・ブランシェットが演じているだけにリアルで、息子にも妹のフィアンセにも嫌われ、精神的に追い詰められていく破滅をブラックユーモラスに描いた傑作ブラックコメディ映画です。

  • 主人公がセレブ意識が強く、人を見下したジコチュウの女という、全く感情移入できない存在というのが面白い。夫が詐欺で逮捕され、セレブから一気に借金まみれとなり、貧乏な妹のところにころがりこむ。これからの生活で立派なことを言ってく口ばかり。さらに、夫の逮捕は夫の浮気に腹をたてて、FBIに密告した彼女のせいだということでさらにダメな女に拍車がかかる。理想的な男性が現れるが、経歴詐欺のウソばかりを並べ立て、結果ばれてしまいさらにダメぶりが加速する。このあたりで、このドラマはどうオチをつけるのかが気になってくる。金持ちの彼も詐欺師だったというあたりが妥当なところと思ったがそうはならず、結局、妹の家も放り出されて、ベンチでブツブツ言ってるだけという、ほったらかしの終わり方。逆に驚きましたね。オチをつけなくていいんだ。完全否定のままに感じるのか、完全に落ちぶれたことでかわっていく可能性に期待するのか、後は見てる人の判断ということなのだろうか。

    アカデミー賞主演女優賞
    キネ旬2014ベスト5
    タランティーノベテステン2013 4位
    RS誌ベストテン2013 8位
    吉田拓郎推薦

  • セレブ妻が夫を失い転落していくストーリー。
    そんな妻をケイトブランシェットが演じております。
    監督はウディアレン。

    ミステリーのようなオチが仕込んであって
    ここがあるとないのとじゃ違うだろうなー
    さすがだなーて思いました。

    ハッピーストーリーではありませんが
    楽しく見れました。
    この作品でケイトブランシェットはアカデミー主演女優賞とってるらしいので、そういう意味で見ても良いかも。

  • ケイト・ブランシェットが最高。超ダメ人間だけど嫌いになれない主人公は、最近見たアルフィー(古い方)のマイケル・ケインもそうだけど、もはや彼を超えた名優の域かも。欲望という名の電車のビビアン・リーは私生活との重複が心地悪いヒリヒリ感で辛かったが、本作はコントラストの妙で、堂々とした女王やヒロイックな人物が似合う知的で成熟した俳優が、素晴らしい演技でEntertainしてくれている安心感が良い。見終わってしばらく、彼女が今後どうすれば立ち直れるのか、なんだか親身にあれこれ考えてしまった(かといって近くにこんな人いたら困る)。ありえない養子の組み合わせ、複雑と思われる金融詐欺が、感情的な身内の密告程度で即逮捕できるのか、事業のことは何もわからないと言いながら核心情報を握っていたのか、ツッコミたいところも結構あったけど。

  • オチがない!

    夫が詐欺で逮捕され長年の浮気も発覚。
    超セレブ生活から一転、一文無しに。
    生活を立て直すべく生活レベルと遺伝子レベルが違う(らしい)妹の家に転がり込むが、妹とその元夫の財産をパーにした過去もあり、うまく行かない。そして当然妹の彼氏とも合わない。
    自分の思うような職にも就けず、結局は出会いを求めてパーティーに参加。
    パーティーで出会った政界を目指す外交官と婚約まで持ち込むが(超短期間にすごい!)、様々な嘘がバレて捨てられる。
    妹の家からも追い出されるように出て、ベンチで独り言をつぶやく。

    これからジャスミンどうやって生きてくの?と思ったら、過去の華やかな自分とプライドに囚われたまま、不安定な症状が出たシーンで終わった。
    これでいいのか?!

    ケイトブランシェットは本当に綺麗だった。
    ヒステリックで上から目線の中年女なのに、漂う品のせいか、正しく生きているはずなのに報われずもがく人に見えた。

    夫をらFBIに売ったのがジャスミンだったとは!

  • ケイト・ブランシェットが最高だった。溶け落ちていく化粧と共にどんどん狂って見える。
    過去は過去。
    彼女はいつになったらそこから出てこれるのか。

  • イタタタタタタタ!!!!!!

  • プライドが高い女がドン底に落ちてく一生。
    最後の最後まで強がり続けて、救いがなかったな~。

    落ちぶれてるのに気品だけは失ってなくて
    服装もセレブそのものもなところがさらに滑稽
    まさにコメディー 人間ってあさはか

    二人の子供にジャスミンが話しかけてるシーンが一番印象強いかも
    子供には本当のことを言えるジャスミン
    でも正直自分とすごく似たタイプだった 人に笑われたくない、ただただ

    とにかくケイトブランシェットが好き!

著者プロフィール

1935年、ニューヨーク生まれ。映画監督、脚本家、俳優。『アニー・ホール』でアカデミー監督賞・脚本賞、『ハンナとその姉妹』『ミッドナイト・イン・パリ』で同脚本賞を受賞。小説に『これでおあいこ』他。

「2022年 『唐突ながら ウディ・アレン自伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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