火星の人 [Kindle]

  • 早川書房
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感想 : 87
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感想・レビュー・書評

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  • なんて温かくて誇らしいSF!

    確かにいろんなことを先送り/機会喪失/高コストで、ひとりの命の重さとは釣り合わないんだと思う。でも、やっぱり、その存在を知ってしまったら、見て見ぬ振りができない「人類種の良心」の値段なんだろう。

    ワトニーがまたいいんだこれが。形式は報告書(ほぼ日記)だけど、「誰かに読んで欲しい日記」だから、辛さや憎しみや虚無はできるだけ置いてきて、とにかく楽しくふざけて鼓舞する。元来の性格と、読む人への配慮、そして正確さ。
    軽い文体からその奥が想像できて、切ないし頼もしい。

    いい本だったー!

  • ポジティブ天才理系主人公が火星でサバイバル。日々進捗を出しつつ、失敗があっても立ち直り、困難に立ち向かう姿勢が格好良い。

  • 火星に取り残されてしまった宇宙飛行士のサバイバル物語。絶体絶命のピンチを思いもよらぬ方法で解決していく様は、感心を通り越して、感動してしまう。無事生還良かった良かった。とても生還できるとはおもえませんでした。

  • 大好きです。映画を何度も何度も観てから、小説も読んでみて、さらに世界観の奥行きが広がりました。どんなに難しくて危険そうなことも、一つ一つ丁寧に、淡々とこなしていけば、その先にまた、道が伸びていく。そんなワトニーの姿に、陽気な音楽が重なって、観ているこっちが励まされます。火星という「非日常」の世界でも、人が生きるということは、「日常」なんだよね。地球とつながったあとは、たくさんの人との協同作業。そこにデビッド・ボウイの「Star man」が重なってくるのがすごくいい。小説と映画、合わせて観ていただきたいです。

  • 映画公開が楽しみすぎて先に原作読んじゃおうと思って読んだ
    ピンチとユーモア盛り沢山すぎて映画は物足りなく感じてしまった

  • 火星に一人取り残されるも持ち前のポジティブさで困難に立ち向かう主人公と、彼の帰還のために尽力する人々の活躍が並行して描かれるが、時に軽口や憎まれ口を叩き合いながらも彼らの間にはお互いへの強い信頼が窺え、誰もが魅力的。主人公にしてもただひたすら前向きで楽観的なのではなく、そうした彼が時折自分自身の孤独や死に思いを馳せる場面は特に印象的だった。宇宙では都合のいい奇跡など起こらないが、だからこそ絶望的な状況に挑む人間たちの底力を思い知らされるようだった。結末で明かされる作品のテーマは普遍的なものでも、そこに至るまでの描写には説得力があり、まったく古びることのない強いメッセージと感じた。一人取り残された男の物語は、しかし、まぎれもなく人と人とのつながりを描いた物語であると思う。

  • ワトニー大好き!ユーモアを忘れず、可能性を探り続ける姿勢が素敵。

  • 主人公のメンタルが強すぎる

  • 火星漂流記という趣きで面白かった。

  • 話題だったので読んでみた小説。長かったけど、これはおもしろかった!
    主人公のキャラクターもよかったし、ストーリーがサクサク進む点も素晴らしかった。何よりこの作品をおもしろくしていたのは、火星に1人で取り残されるという巨大すぎるピンチと、それを解決するための機転や工夫、そして科学知識の説明だろう。

    物語の構造として参考になった点。
    ピンチを連続的に出さずとも、「火星に1人で取り残される」という大きすぎるピンチがひとつあり、これを解決するという大きすぎるゴールがあれば、課題解決をひたすら描くだけでも十分に面白くなる。
    とは言え予定通りに進みすぎても有れなので、途中でハブが爆発したり、パスファインダーが壊れたり、嵐が起きたり、火星からの打ち上げでMAVが予定軌道に届かなかったりと、ピンチも用意されていた(そして場所が場所だけに、これらも巨大なピンチとなる)。

    脱帽したのはその科学知識で、非常にリアルだった。おそらく「ウソ」はなかったのでは。
    読んでみると非常に面白いが、描こうとするとこのシミュレーションは非常に難しいことだと思う。
    彼の出自は単なるプログラマらしい。どのように取材したのだろうか。例えば、「必要なのは酸素ではなく気圧である」など、ステレオタイプに考えると酸素を大事にしてしまいがちなところ、現実の科学に基づいて正しい回答を出している。どのように調べたのだろう。
    小説を書くということは、取材にとにかく時間をかけなければいけない、ということを思い知った。

    それにしても宇宙サバイバルはワクワクする。
    パスファインダーなど、過去の遺物を活用したり、地球との交信を単純な信号のやり取りから始めて確立していく点はおもしろい。

    映画化もされるようなので楽しみ。


    EOF

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