リスボンに誘われて [DVD]

監督 : ビレ・アウグスト 
出演 : ジェレミー・アイアンズ  メラニー・ロラン  ジャック・ヒューストン  マルティナ・ゲデック  トム・コートネイ  アウグスト・ディール  ブルーノ・ガンツ  レナ・オリン  クリストファー・リー  シャーロット・ランプリング 
  • ポニーキャニオン
3.28
  • (5)
  • (25)
  • (27)
  • (8)
  • (4)
本棚登録 : 137
感想 : 24
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013211384

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ビレ・アウグスト監督。
    原作はパスカル・メルシエの『リスボンへの夜行列車』。

    自分はリスボンという街がなぜか好きで、リスボンが登場する映画はとにかく観てしまう。あわよくば住みたいと思っているくらい。

    本作は、リスボンと、もうひとつ私にとっては『ベルリン 天使の詩』、『永遠と一日』の俳優ブルーノ・ガンツが目的だった。

    本作のストーリーの中核には三角関係がある。彼はジョルジェという、薬剤師でありレジスタンス活動もしている青年の老後を演じている。彼はエステファニア(メラニー・ロラン)という恋人を奪われてしまう。

    話は錯綜するが、そんな、ポルトガルがまだ独裁政権下だった頃の彼ら彼女らの過去を、スイスのベルンの高校教師ライムント(ジェレミー・アイアンズ)が解明し、まだ生きている彼ら彼女らをつなげ、誤解をほぐしていく。

    ことの発端は、ライムントが出勤中、たまたま橋から投身自殺しようとしていた女性を救ったこと。彼女はすぐにいなくなるのだが、1冊の本を残していった。

    その本は、ジョルジェの友人であり若くして亡くなったアマデウ(ジャック・ヒューストン)という医師が書いたエッセイだった。

    さらにそこにはリスボン行きの列車のチケットが挟まっていて、ライムントはふらりと列車に乗ってしまうのだったーー

    この、独裁政権というものを扱うに際して、その記憶と誤解を仲介する彼がスイス出身であるという設定が免罪符を与えられてるっぽくて面白い。

    こういうのを観ると、ナチスといい、ムッソリーニといい、フランコといい、サラザールといい、(共産圏を加えてもいいが)それらの歴史的記憶がほんとに深い傷になっているのだということがひしひしと伝わる(逆にアジアでひとりこれらの列に連なる日本は今、過去をほとんど清算することなくよく平気でいられるなあと心配になってくるくらい)。

    さらにはこの映画は、老いたヨーロッパを象徴的に描いた作品だとも思った。
    過去の誤解はある程度晴らした。しかし、主人公ライムントが初老の男性であるというところ、それからブルーノ・ガンツをはじめ、老齢の人たちがたくさん出てくるというところが問題提起的だった。
    つまり、「さて私たちはこれからどうしていく?」というメッセージが読み取れたし、たぶん原作でも本作でもこれは意図的にやっていると思う。

    何はともあれ、ブルーノ・ガンツが画面に現れるたび、ただひたすら「ブルーノ・ガンツ!」と心の中で叫びながら観た(笑)

    映画としては、パルムドールを獲ったことのある監督だそうだけど、このリスボンの撮り方はちょっと、と残念に思ってしまった(冒頭の1、2ショットは良かった)。

  • 大人になって 若い時や過去のことを思って もどかしい気持ちがしている今 ラストが グッと来た。

  • NIGHT TRAIN TO LISBON
    2012年 ドイツ+スイス+ポルトガル
    監督:ビレ・アウグスト
    原作:パスカル・メルシエ『リスボンへの夜行列車』
    出演:ジェレミー・アイアンズ/メラニー・ロラン/ジャック・ヒューストン/シャーロット・ランプリング/クリストファー・リー
    http://lisbon-movie.com/

    映画を見たいというよりは、ちょうどペソアを読んでいたので、リスボンの風景が見たいと思ってぶらりと映画館に足を運びました。そうしたら映画の中で、主人公がペソアの詩の引用についてのエピソードを語る部分があってびっくり。ポルトガルというとすごく昔にヴェンダースの「リスボン物語」を見たはずなのだけれど内容はあまり記憶になく、ただマドレデウスのCDが数枚今も部屋にある。

    物語はスイスからスタート。教師のライムントが橋から飛び降り自殺しようとしている若い女性を助けるも、コートとそのポケットに1冊の本を残して彼女は失踪。その本に挟まれていたリスボン行の夜行列車の切符、衝動的にライムントは列車に飛び乗ってしまう。リスボンで本の著者アマデウを訪ねたことがきっかけで、すでに亡くなっているそのアマデウの過去をたぐることになるライムント。レジスタンス、カーネーション革命、そして三角関係・・・生存者を探し当てその証言をもとに次の生存者へと、だんだん謎が解かれてゆく。

    良かったのは、そうやって主人公が過去を暴いていくことで、それに関わった人たちが多少なりとも救われること。封印したい過去、沈黙、それを破ったときに、不幸になる人間より楽になる人間のほうが多かったことで見ている観客も救われた気持ちになる。そして退屈だったライムントの人生もそうじゃなくなる、そう予感させるラストも気持ちよく、意外にもハッピーエンドで後味良好な映画でした。

  • hulu

  • スイスで古典を教えていた教師が、出勤途中に、橋から身を投げようとしていた赤いコートの女性を助ける。彼女の持ち物であった本に、生きることの意味を見出した老教師は、彼女を探すと同時に、本の著者である医師アマデウの足跡を辿ることになる。
    本の時代背景は独裁政権下のポルトガル。レジスタンスに身を投じるアマデウの思いが書かれていた。親友、妹や運動の同胞、そして親友の恋人であったエステファニア。老教師はそうしたかつての運動の担い手の現在を訪ねることで、レジスタンスの中で擦れ違っていった彼らの思いを紡いでいくことになる。それは、独裁政権下のPIDEとの関わりで心に深い傷を負っていた赤いコートの女性の救いへとつながる。
    革命前夜の情熱、友情、若さゆえの未熟、そして現在までそれぞれが持ち続けていた思い。静かな映画ではあるが、過去の空白を埋めていく展開で長さを感じさせない。ジェレミーアイアンズが、臆病でシャイ、そして記憶を辿りながら次第に変化していく老教師を渋く演じていて、『ダイハード3』の悪役とはつながらなかった。エステファニア役のメラニー・ロランも魅力的。

  • 賢い大人向けの映画。

    難しいことは無いけど、
    静かで、ちょっとの緊張感と
    主人公の軸と主人公が追いかけるキャラの2軸。

    ストーリー展開は先が読めず、
    テンポも良いから眠くない。

    ただ見終わった印象は、ふ〜んって感じ。

  • 字幕: 日高理都子

    ストーリーに関しては特にないのだけど。
    英語ネイティブが、ポルトガル人を演じるのが不自然に感じられて、あまり入り込めなかったかも。(だったら若い時代の場面だけでもポルトガルの俳優使ってポ語で通したらどうかとか、観ながら考えてしまった。)

  • 単調で静かだけど良い映画を観れた。主人公は最後電車に乗ったのだろうか。
    どちらでも私は良いと思う。

  • ジェレミー・アイアンズ主演。ポルトガルの独裁政権「イシュタード・ノヴォ」時代に反体制派として活動した青年アマデウ・デ・プラドの人生を、スイスで古典文献学を教える教師が辿っていくストーリー。原題は"Night Train to Lisbon".

  • 2016/09/12/Mon. 21:00〜23:00
    イマジカBSにて視聴。

全24件中 1 - 10件を表示

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×