ソロモンの偽証 全6巻 新潮文庫セット [文庫] [Jan 01, 2014] 宮部 みゆき [文庫] [Jan 01, 2014] 宮部 みゆき [文庫... [文庫] [Jan 01, 2014] 宮部 みゆき

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感想・レビュー・書評

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  • かなりの長編であるだけにいろんなエッセンスが込められ、それがうまく回収されていくのはすごいなあと思った。
    子どもの心、大人の心がそれぞれにうまく表現されていて、尚且つ個々の事情や心情も納得させられる。
    やはり大御所が書く小説は、繊細な描写と緻密なプロットでそつがなく十分に楽しめた。

  • これだけの長編にも関わらず飽きずに読破!
    全ての人に救いがあるようなラストだと思った。
    更に、最後の短編、、やっぱり~!(笑)って感じでした。
    それを短編として別作品で表すってのもいい!

  • 久々にめちゃくちゃ面白いなと思える本に出会えた。

    他の方もレビューに書いてるけど、面白くなるのは3巻の学校内裁判が始まってから。
    正直2巻まではだらだらとした印象で、時代背景も昔で感情移入しにくく読むのをやめようかとも。

    でも、そこでやめなかったからこそ2巻かけて把握してきたたくさんの登場人物たちが命を吹き込まれて学校内裁判の中で動き出した時にはいっきにこの話の魅力に取り込まれていった。

    野田健一と向坂行夫、三宅樹理と浅井松子の関係はとてもよく似ている。
    片方が片方を見下してはいるが、中学校という閉じられた社会の中で他に自分と一緒にいてくれる人がいないためしょうがなく一緒にいるという構図。
    長い小説の中で変わっていった野田健一の成長はとても印象に残った。

    柏木拓也の死の真相しかり、大出俊次の非行問題しかり、中学生という多感な年代ならではの感覚が描かれている。

    検事の藤野涼子と弁護人の神原和彦の法廷における論理的な知能戦とも思えるやり取りは到底中学生の域を越えていたが(笑)

    20年後の番外編で、涼子と和彦が結婚して幸せになっている様子にほっこりした。
    重すぎる過去を持ち、柏木拓也の死の事実を背負った和彦のその後の人生は穏やかではないのでとの思いで本編を読み終わったところだったので。

    やっぱり、どんなに辛い出来事を経験したとしてもその後にどんな人と出逢えるかが大切だ。

  • 予備知識まったくなく読んだから、予想外のミステリーで驚いた。
    一人の少年の死をめぐるミステリーだけど、それよりも僕的にはその周囲の少年たちの成長物語として面白く読めた。少年少女たちはそれぞれの前提を持ちながら、壁やジレンマを超えて審判の場へ向かっていく。
    そうだ宮部さんは「ブレイブ・ストーリー」の作者だった。
    俺はあれが大好きだった、と思い出した。
    面白すぎて束縛されて長かった6冊だった。しばらく長編は控えたいと思うくらいありがとう。

  • 面白かった!
    元々小説は苦手ですが一気に全巻読み切れました。
    結末が想像できそうでもやもやする絶妙な気分になりました。

  • 2016.08.10.
    ★5.0

    ==あらすじ==
    第I部 事件
    クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した十四歳。その死は校舎に眠っていた悪意を揺り醒ました。目撃者を名乗る匿名の告発状が、やがて主役に躍り出る。新たな殺人計画、マスコミの過剰報道、そして犠牲者が一人、また一人。気づけば中学校は死を賭けたゲームの盤上にあった。死体は何を仕掛けたのか。真意を知っているのは誰!?

    第II部 決意
    期間はわずか15日。有志を集め証人を探せ! 14歳の夏をかけた決戦、カウントダウン! もう大人たちに任せておけない。保身に身を窶す教師たちに見切りをつけ、一人の女子生徒が立ち上がった。校舎を覆う悪意の雲を拭い去り、隠された真実を暴くため、学校内裁判を開廷しよう! 教師による圧力に屈せず走り出す数名の有志たち。そして他校から名乗りを上げた弁護人の降臨。その手捌きに一同は戦慄した…。

    第III部 法廷
    この裁判は仕組まれていた!? 最後の証人の登場に呆然となる法廷。驚天動地の完結篇! その証人はおずおずと証言台に立った。瞬間、真夏の法廷は沸騰し、やがて深い沈黙が支配していった。事件を覆う封印が次々と解かれてゆく。告発状の主も、クリスマスの雪道を駆け抜けた謎の少年も、死を賭けたゲームの囚われ人だったのだ。見えざる手がこの裁判を操っていたのだとすれば…。驚愕と感動の評決が、今下る!

  • 大雪のクリスマスイブ、中学校校舎の屋上から転落死した同級生。状況証拠は明らかな自殺。しかし、他殺と断言した匿名の告発文が届く。真実を求め、校内裁判が行われる。

    500ページ以上の文庫全6巻。しかも、リアリティからは少し遠い中学生の裁判がストーリーの中心。なかなか、読み始めるには決心がいった。しかし、流石は宮部みゆきさんのこのミス2位。読んでいた10日間、しっかり寝不足にさせてくれた。

    ミステリーなので詳細は書けない。グイグイ引っ張られるストーリーもさることながら、この本の魅力は人物設定にある。3000ページを読む間、お付き合いしなければならない登場人物。彼らが冴えなければ、とても長い間のお付き合いは無理である。しかも、裁判を通して、大人も子供もページをめくる毎に成長してゆく。裁判が終わったとき、彼らと別れるのが、なんとなく寂しい思いもした。

    お勧めの★5個。ただ、やはり読み始めるには覚悟が必要。まず、1巻を読み、登場人物と長期的にお付き合いできそうなら、素晴らしい読書経験が得られるだろう。

    なお、この年のこのミス1位は横谷秀夫さんの「ロクヨン」。こちらも読んだが、やはり軍配は「ロクヨン」に上がるだろう。

  • いやー、最近の中学生はすごい!いや、「最近の」ではないなぁ。公衆電話とか使ってるし。私が中学生のころくらいの話かな?いずれにせよ、中学生なめたらあかん。

    映画版はどうしても薄っぺらかった。野田くんの背景ゼロだし。

  • 感情移入してしまい、どの登場人物のことも好きになってしまった
    始めから最後まで、ずっと面白かった
    裁判ではたくさん泣いた
    いい長編だ

  • 「ソロモンの偽証」全6巻。凄かった。圧巻の6冊。本を読む事がトラウマになるくらい、今は呆然自失。
    次の本を読めるかな、私。

    BGMはRadioheadのPyramid Songですよね。もちろん。

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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