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- / ISBN・EAN: 4988102315900
感想・レビュー・書評
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作品全体にイギリスらしく品があって衣装や景観の美しさだけでなく人としての美しさに充ち満ちた作品でした。終始涙が止まりませんでした。
フェリシティジョーンズもエディレッドメインもとってもキュートで演技があまりにも素晴らしくて文句なんて付けようがありませんでした。
付き合い始めて、彼女を抱きしめた時、背中に回したあの手、指の形…迫り来る災禍の兆しと言うように観る者の気持ちをかき乱す、繊細ながらも非常に効果的な演出にあてられて、泪が零れ落ちました…献身的に尽くす妻、病気である事をものともしていないかのように無邪気な振る舞いをする夫…二人は不自由な事だらけであってもお互いを尊敬しあい、愛し合っていた。
しかし…しかしである。相手を想う。相手の幸せを願う。そんな強い気持ちを別れという形で表現してゆく二人…なんとかしてあげたいと反発したくなる様な気持ちで胸がいっぱいになった。本当に苦しかった。けれどそんな愛し方もあるんだね。心打たれてしまいました。
博士が自分の気持ちを素早く適確に読み取り、ウィットに富んでいて自分を病人扱いしないエレインに出会った時の嬉しそうなあの顔…出会いと別れ、特に最後のジェーンに別れを切り出すシーンは長年に渡り苦労させてきた妻を解き放つ為の哀しき戦略であった気がしてならない。
ジェーンが献身的なジョナサンの存在に癒しを得て次第に惹かれていった気持ちも痛いくらいわかる。精も魂も出し尽くすまで役割を全うして、そして去って行く…愛が極まった瞬間だった。あの台詞の凄さに鳥肌が立った。両眼から津々と流れる泪を拭う気にはならなかった。
時間を巻き戻す、馴れ初めからその日までを回想した。終始愛し合っていた二人…
ラストシーンもまた素晴らしかったです。明るく無邪気に戯れる三人の子供達、自分たち夫婦が惜しみなく愛情を注いで築いてきた未来がそこに存在していました。
チャーミングで愛に溢れていて、強くて切なくて…全てを絶妙な配分で凝縮させたような素晴らしい作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
レッドメインの演技が半端ない!!
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いい映画。
奥さんがよく映画化を承諾したなぁ、っていう内容。
旦那が異様に頭良かったり有名だったりすると奥さん苦労するんだよな…
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Look, this is what we made. -
ホーキング博士の前妻による自伝の映画化。病と闘う夫婦の美談かと思いきや然にあらず、彼らの葛藤と別れまでが描かれている。長年自分を支えた妻に深い感謝と愛情を感じながらも、あるいはそれ故に別れを切り出す博士の葛藤を、口元の僅かな動きと目の表情だけで表現したEddie Redmayneの演技は圧巻で、オスカー受賞も納得の演技。Felicity Jonesの気丈で可愛らしい姿も好印象。
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予告編で持ったイメージとは全く異なるストーリーでした。
キラキラしたイギリスの2人の若者がごく自然に恋に落ちる様子も、幻想的なメリーゴーランドではしゃぐシーンも、全てが美しい、ラブストーリーの幕開けのようで、最初から最後まで、上品な恋愛小説を観れるものだと思いましたが、そう簡単に実話が綺麗事で終わるはずもなく、完璧ではない人間らしい、夫婦の形がそこには描かれていました。
この映画はホーキングの学者としての生き様も、難病と一生懸命戦う姿も描かれていません。
ただ、神への挑戦と言っても過言ではない研究を続ける天才物理学ホーキングでさえも恋愛という方程式は太刀打ち出来ないという皮肉さが面白い。
とにかくホーキング博士役のエディの演技の素晴らしい。
この原作を奥様ジェーンが描き、ホーキング博士自身も監修して、博士自身が[これは僕自身だ!]と驚いたというから、相当研究したんだと思いますが、
健康な若者から徐々に筋肉が萎縮していく過程から、後半は唇の隅と目だけの最小限の演技だけという極限の中で、これだけの表現力は本物に驚きました。
惜しくもアカデミー賞を逃した妻役のフェリシティの表情で作り上げる静かな演技も見事で、夫婦で受賞してくれたら美談だったのにそうでないとこがこのストーリーを体現してて面白い。
男と女、恋と愛情、時間と気持ち。果てしなくて難しい方程式をこの地球上の何億人が今も解き続けているけれど、ホーキング博士と彼女の夫婦にとっては、
たとえ過去は変えられなくても、過去の遺産が未来に輝いていれば極上の幸せだということがthe theoly of everything(統一理論)なのだということなのかなとと思いました。