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- / ISBN・EAN: 4910077010955
感想・レビュー・書評
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第153回平成27年上半期芥川賞受賞作「火花」「スクラップ・アンド・ビルド」掲載号。
火花の読みかけで放置していたら、次の会の芥川賞も決まっちゃったので、改めて一気読み。
「火花」はいかにもお笑い芸人が書いたストーリーって感じるけれど、知った地名が出てきて、距離感、雰囲気がイメージしやすい。
「スクラップ・アンド・ビルド」で、テレビに出ている羽田君って作家だったんだねと再認識。去年の夏は90過ぎの祖父が入院して健在だったから、いろいろ重なって読めなかったかも。
選考委員の選評なんかも読めて面白い。 -
芥川賞受賞作が掲載されているので借りて読んだ。「火花」は途中で読むのをやめようかと思うくらい、私が苦手なタイプの私小説(「僕」のモデルは作者本人ではないそうですが)ではあったが、好き嫌いはおいといてちゃんと最後まで読んだら後半けっこうおもしろかった。特に解散ライブのネタ。
芸人さんの世界の話で、漫才についての芸論はたくさんでてくるんだけれど、肝心の漫才そのものの中身は、ネタあわせとか状況としては描かれても、どんなやりとりで笑いをとるのかごく断片的に散見するばかりで、終盤の解散ライブの描写になるまで「僕」の漫才のスタイルはほとんど見えない。冒頭ですべってる短い描写のあと、延々と観念的に語られるばかりで、なぜ先輩の神谷さんが「おもろい」というのか、どういうところが「お前の好きなようにやったらもっといい」といわせる所以なのかが、「僕」の普段の言動からはよくわからなかった。
解散ライブの一部始終でやっと、あぁこういうことを目指してたんだ、というのがわかるのだけれど、そこに至るまでの出発点と過程のところが一人称の観念的な悩みとしてしか描かれないので、なぜこんなに陰鬱なひとが漫才師になりたいと、ここまで切実に思うんだろうというのがなんともしっくりこない。だから破天荒な師匠と我が身を比べての焦燥感とか、この小説の大事なところ(そして選考で評価されていたところでもある)が、うわすべりしているように私は感じた。あと、相方との関係性も、前半の描写では、相手にいらついているところやうまくかみあわない描写はあっても、そもそもなんでこの人とコンビ組んでいるのかほとんど描かれていないので、後半「信じてついてきてくれてありがとう」的な感動シーンがでてきても浮いちゃってる気がした。
そういえば、帰国時にちらりとみたテレビ番組で、女優さんが作者本人の前で本のタイトルを「花火」とまちがえてつっこまれていたが、花火にはじまり花火におわるので、それはあながちまちがいというよりはちゃんと読んでいる証拠ではないかとも思った。 -
スクラップアンドビルドを読んだ。あまりにも身近でリアルで、主人公に共感できそうになるのが怖くなって、読みながら少しだけしんどくなった。
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文藝春秋 2015年 09 月号 [雑誌]
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芥川賞の2作、羽田さんのほうが好みだったなー。審査員に好きな作家がたくさんいて、そのことにも驚いた。
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表現力、描写力があってお笑い芸人さんとは思えなかった。登場人物(特に先輩)は、こういう人いるんだろうなと想像したことはあったけれど、かなり引いた。「お笑い」については難しかった。
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羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』は、真面目な純文学と見せかけてユーモア小説。祖父の風呂場での一言に笑った。
又吉直樹『火花』は文学文学しておらず、小難しくなく読みやすい。素直な文章で感情がまっすぐに届く。真樹さんを偶然見かけるシーンとプロポーズ花火のシーンとが好き。 -
芥川賞2作品「火花」と「スクラップ・アンド・ビルド」を読むため購入。