セッション コレクターズ・エディション [Blu-ray]

監督 : デイミアン・チャゼル 
出演 : マイルズ・テラー  J・K・シモンズ 
  • ギャガ
3.94
  • (131)
  • (180)
  • (98)
  • (19)
  • (7)
本棚登録 : 862
感想 : 185
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4589921401586

感想・レビュー・書評

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  • スポ根劇画ノリの音楽映画。
    ありそうでなかった映画。その目の付け所が良いですね。

    全米一の音楽大学に入った主人公は、家族の中では過少評価されていて忸怩たる思いがある。そんな中、学校では鬼教官に気に入られ、しごかれていくが。。。

    映画の内容は泥臭く、脂っこいが、映像がスタイリッシュなので、作品自体がクールになっている。

    この映画を観て思い出したのはブラックスワン。
    ・芸術をストイックに究める中で、狂気の世界へ突入する。
    ・熾烈なライバル争いの中で、人間性が損なわれていく。
    が共通点だろう。

    ブラックスワンは女の世界だし、もう少し性的な部分も強かったが、こちらの映画は男臭い。
    この映画の持ち味は、純粋にアスリート的な部分(手から血がしたたり落ちまくる)と、教官のサディスティックな不条理さ、じめっとした狂気がうまくブレンドされている事。

    そして、ドラムのリズム自体が主役になり、物語を駆り立てる。

    教官は、実際に演奏となると我を忘れて、メンバーをこき下ろしてしまう。本来場をコントロールすべき指揮者が、感情的になってしまうのは、音楽芸術において有効なのだろうか?
    音楽はどこかで自分を客観的に観れるようなクールさと熱情を同時にもっていないとプロフェッショナルに表現できないのではないだろうか。
    と一方で違和感を感じた。

    お話しを面白くするためには有効な演出(ホラーの効果)だと思うのだが、やはり音楽指導者としては、圧倒的に欠けてしまっている何か、が際立った上で、終了する部分がなんだか引っかかる部分だった。

  • 不穏さがずうっと続く。
    一見、カタルシスを迎えているようなラストもなんだかすっきりとしない。

    しかしなぜだかそれがいい。
    その静かな核融合が、いつか爆発することが想像できるから。
    そして生まれるのが音楽なのだ。

  • 学生バンドのドラムとして経験者の端くれの端くれとしては
    映画ファンの端くれの端くれとしては
    これは見ないとお話にならないと劇場へ行った。

    シンプルに面白かった。
    カッコ良さ、緊張感、エンディングのインパクトがあって
    評価が高いのも頷けた。

    フレッチャー先生のたたずまいはカッコいいでしょ。
    掛け声と指の動きにしびれた。
    「here we go,3,4」

    学生の萎縮した姿からしてもこれは駆け引きじゃない
    先生という立場でどんどん生徒を追い込む。
    この緊張感は先生による生徒への脅迫だ。

    結末のインパクト。
    是非、何の情報も入れずに見ていただきたい。
    激しく下ってからの昇天度合いがたまらないでしょう。

    私は幸か不幸かドラム経験者なので、リアルじゃない部分も
    見えてしまったのがちょっと雑音になってしまいました。そんなこともなければ普通にスリルあふれる作品だと思います。

  • 評判をきいていただけに、期待して観た。
    そして、納得。
    きれいごと抜きの、才能のぶつかり合い。
    努力なんて吹き飛ばす、絶望的な不運。
    それさえも言い訳出来ない一握りのチャンス。

    つかむものとあきらめるもの。
    それを繋ぐのは彼ではなかった。
    でも技術では超えられないものを、
    いつしか越えられたのは、
    彼の采配もあっただろう。
    予期したものとは違っていても。

  • 微笑みデブ!!このやろー

    って感じの鬼教官の指導に必死で付いて行く
    うちに生徒がそれを乗り越えてスーパーサイヤ人のように
    強くなる映画。

    最後はワイもエアードラムしすぎて指から血が滲んだ。

  • 激しい心理戦とラストの鬼気迫る演奏に、観終わった後ため息が出た。面白かった。
    世の中には想像も出来ない程屈折した非情な人間が居るものだが、フレッチャーのような人間もその一人だろうな。暴言や暴力、人種差別すら理想の奏者を育てる大義のためにすることは全て正しいとする。あるいは可能性への悪意のみか。真意が何にせよ、凡人にとってはそんなイカれた奴の言葉をうっかりまともに受け止めて潰されるなんて勘弁してほしい。
    だが、文字通り血の滲むような努力をした才能ある者同士が才能によって心が通じ合う様を観るのは興奮した。

  • AIにおすすめいただきAmazonプライムにて鑑賞

    とても良かった。音楽畑に身を置いていたこともあり、指導の厳しさなど肌感覚で感じてしまい感情移入してしまう場面もあったが、音楽への情熱、そして挫折、その後の主人公の行動に心震えた。
    フレッチャーの指導は最低最悪のものだが、これが良いとは決して言えないのだが、ほんの一握りだけが乗り越えられる試練として、うん、クライマックスの演出は心にくるものがある。
    私は好きだな。

  • イカれた教官を圧倒的な音楽の力で、ねじ伏せ虜にし、共に高みに登ろうとする最後のライブシーンは圧巻

  • 録画したまま観ていなかった映画を消化しようと見始めた1本目。
    腕は確かだが高圧的で暴力的な指導の指揮者と、彼に選ばれた事で自信を持つも木端微塵にされるドラマーの彼の話。
    よもは時代遅れな指導で、とても観ていられない始まりなので期待せず観ていたのですが、思っていた展開から外れていくのがとても面白かった!

    以下ネタバレとなりますので、未視聴の方は是非観てから…期待を裏切られる感じがとても楽しいので、是非。


    バスが予期せぬトラブルでコンクールに間に合わないという段階で、なんとか辿り着いたと思ったがスティックを忘れ…取りに戻る途中での事故は衝撃的過ぎました。
    その状態でも無理やり続けようとする執念は凄いけれど、体を大事にして欲しいしこれを美談にしてほしくはないぞ…!と思っていたところ、匿名で訴えるチャンスが巡る。

    事故後、彼は音楽から身を引いていたが、ある時とあるお店で指導者と再開。
    訴えられ大学を去り、今はまた別のグループで指揮していてドラマーを探しているんだ…という指導者。

    あぁ、ちょっとは丸くなってたりするのかな、彼の挫折した音楽の道がまた再開してエンドかなぁなんて思っていたのですが。
    指導者、彼が訴えた事を把握していて、舞台上で恥をかかせ、音楽の道を完全に断たせるために演奏する曲を伝えていなかったという劣悪すぎるイジメ…!

    よ、幼稚~!

    しかしこれは堪える。
    曲が終わると同時に席を外し、心配していた父親が慰め帰ろうと促すが、彼はなんとステージへと戻っていく。
    そして指導者が曲名を告げる前に演奏を始める!
    文句を言われようとドラムを叩き続け、ついには彼の手助けまでする指導者…ドラムの音だけが響き渡るのがこんなに痛快だなんて!
    このシーンがとっても良かった。

    演奏と共に終わってしまうから、彼と指導者はその後どうしたのか、彼は音楽の道へと進めたのか、気になる事は多いけれど、少なくとも下剋上する様がスカっとし過ぎて笑ってしまった。

    途中付き合った彼女とも身勝手な理由で振り、再び連絡を取るが彼女は既に新しい恋人が出来ていた、という流れも好き。
    やられっぱなしではなく、前を向いて歩いて行く様がとても良い映画だった。

  • 次の展開にハラハラしてしまう!読めない展開。なんとなく、そういう罵声によるステップアップみたいなのを少し感じた事はあるけども、異常レベルです、これは、見るだけの他人事だけど、近くにいたらドキドキドキドキして、怖い。
    日本でやったら、同じ作品やったら大批判されそう(~_~;)

    そんな心のかなり動きがある、作品でした。

    たぶん、映画館で、当時見てたら星5にしてたと思う。

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