NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2016年 1月号 [雑誌]
- 日経ナショナルジオグラフィック社 (2015年12月29日発売)
- Amazon.co.jp ・雑誌 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 4910068470164
感想・レビュー・書評
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明治神宮の森が人工の森だなんて知りませんでした。
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明治神宮は何気なく歩いていたけれど、
100年前の人達が綿密に計算して緑豊かな森になるようにと植えていた事を知り、ちょっと感動だった。
それとホンジュラスの伝説の「白い都市」の遺跡の記事も面白い。
地中にどれだけの規模の遺跡が埋まっているんだろう。
まだ長い年月がかかるだろうけれど、その全貌を見てみたい!
ハゲワシの写真は、かなり衝撃的(笑) -
借りたもの。
明治神宮の森、その成立の歴史から現代までの生態系について紹介。
子供の頃、明治神宮を歴史上の人物を祀った神社としか認識していなかった。
その考えを改める。
その森は国家百年の計であり、人が破壊してしまった自然の再生への実例であり、権力者の威厳ではなく調和のとれた本来の世界の在り方の象徴のようだった。
他特集は、アジアのゴム景気、ハゲワシ特集。
ゴムの原料であるゴムノキを植林すると、森林伐採による自然破壊と水不足の問題――日本の杉林と同じ現象――について。
鷹とは違い、死肉を食することで”嫌われ者”扱いのハゲワシの生態について。 -
読まないうちにどっかいっちゃったと思っていたら父親の部屋に紛れていた。やっと読了。
明治神宮の記事は少し前にも読んだ気がするけど、今度東京に行った際にはぜひ足を運んでみたい。
ハゲワシも興味深かった。想像以上に生態系にとって重要。 -
冒頭の記事、「祈りの森 百年の生命」。主役は明治神宮の森である。
毎年、多くの初詣客を迎える神社を取り巻く森は、実は、たかだか100年の歴史しか持たない、「人造の」森なのだという。
広大な自然豊かな森は太古からのものではなかったのかと一瞬驚いたが、考えてみれば「明治」神宮に付随する森なのだから、明治期に作られたものであることに不思議はないわけだ。
明治神宮は、明治天皇とその皇太后を祀るため、1920年に創建された。選ばれたのは代々木の地。当時、わずかな松や杉の林が点在する程度の荒れ地が広がっていた。
古来、日本の神社は多く、深い森や巨木に覆われた地に鎮座する。神社の周囲の森は鎮守の森、神奈備の森と呼ばれてきた。さて、荒れ地に自然に森ができるのを待つとすると、数百年を要する。さらには、長期的に見て、鎮守の森は人の手が入らない形で維持できなければならない。
設計者である林学者、本多静六らは、アクロバティックな策を編み出した。最初だけ人の手で森の原型を作り、短期間で「極相林」に遷移させようというのだ。彼らは、科学的根拠を示しながらこの策を押し通し、ついに目論み通りに人造とは思えない森を作り上げた。
わずか100年前に現れた森は、いまでは、豊かな生物相も擁する。600種に近い種子植物、1200種を超える昆虫に加え、シダ植物、クモ類、非海産貝類、変形菌類、爬虫類、担子菌類、鳥類、哺乳類、両生類、蘚苔類などなど。中には絶滅したと思われていた種や、新種のものも含まれた。
美しい写真とともに、その秘密を紹介する。
もう1つ、注目されるのは「ハゲワシ」の記事。
その容貌や、屍肉を好む習性から、嫌われがちなハゲワシだが、実は生態系には非常に大切な役割を負っている。大量の肉を素早く食べることができ、病原体を無害化する強い胃を持つ彼らは、感染症の蔓延を予防する上で、重要な捕食者なのだ。
その彼らが激減しつつある。
嫌われ者であるために、また頭部が宗教儀式に使われるために、ハゲワシ自体が狙われることも大きい。一方で、家畜を襲うライオンが農薬入りの毒で殺され、その肉を食らうハゲワシも煽りを食らって中毒で死ぬ例も無視できない。抗炎症剤ジクロフェナクはウシへの投与が認められてきたが、ハゲワシには腎不全の原因となることがわかり、ハゲワシ保護団体は禁止を要請している。
インドでは、ハゲワシが減って屍肉にたかる野犬が増えたがために、狂犬病が激増しているという。
生態系の駒が1つ欠けると想像を超えた影響が出る一例だろう。 -
明治神宮の森にもしっかりとした生態系が存在していることがよくわかった。
世界では、嫌われ者のハゲワシが絶滅の危機。生態系を維持する意味でも必要な存在。、